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53.リベンジマッチ①



 翌朝。


「よし。皆集まったな。それでは行くぞ」

 エリーが合図をすると、優夜達は全員ギルドマスターの部屋から消える。


「行ってらっしゃいませ〜」

 その様子を見ていたティノは驚きもせず、陽気な声で見送った。


 優夜達がエリーに連れて来られた場所は見覚えのある場所だった。


「優夜様。ここは私達が昼食を取った場所です」


「だよな。エリーさん。なぜここなんですか?」

 優夜は連れて来られた場所について聞く。


「ふむ。なぜと言ってものう。ここ以外開けた場所が無かったから、かの」


「なぜ、開けた場所なんですか?」

 優夜は更に質問をすると今度は返答をせず、代わりにじとっ、とした目を返してくるエリー。


「お主は馬鹿なのか?」


「へ?」

 言われた意味が分からず聞き返す優夜。


「お主は馬鹿なのか!?」


「聞こえなくて聞き返した訳じゃ無いですから!」


「はあ。転移するのに森の中でははぐれた時にどこにいるか分からなくなるじゃろ。だからここを待ち合わせの場所にするのじゃ。先程言ったはずじゃ。この森にはここ以外開けた場所が無い、と。ここならはぐれた時にここへ来れば会う事が出来る。……お主は馬鹿なのか?」

 エリーは優夜に説明をした後、少し間を開けて止めの一撃を喰らわす。


「も、もう結構です……」

 優夜はよろつきながら返事をする。


「ふん。ようやく分かったか」


「……どもに……しから、れた……」

 優夜はぶつぶつと何かを呟く。


「何じゃ?」

 エリーは優夜の声が聞こえずその耳元まで近づく。


「子供に、叱られた。子供に、叱られた。あんなちっちゃいのに叱られた……」


「お主、今子供と言ったな。私の事を子供と、ちっちゃいのと言ったなー!!」

 エリーは優夜の言葉に怒りが爆発し、優夜を思いっきり殴る。


「ぐはっ!」

 エリーのちっちゃい拳には支援魔法が何重にもかけられていて、優夜は数メートル 先まで殴り飛ばされる。


「……私達何見てるんだろ……」

 優夜とエリーのやり取りの一部始終を見ていたミルが言うと、ティーネ達もそれに頷く。


「早く行こ。時間の無駄だよ」

 早くミノタウロスキングとの再戦をしたいリンカは、エリーと優夜を置いて先に歩いていく。そして、それにティーネ達も続く。



 置いてかれた優夜とエリーはあの後すぐに追いつくとリンカ達に謝った。

「さて、気を取り直して作戦会議じゃ。この先にミノタウロスキングがいる。それを証拠に周りにミノタウロスがちらほら見えるじゃろ」


「えっと。こんな所で作戦会議なんてして良いのですか?」

 不安がるエリス。


「大丈夫ですよ。エリス様。ちゃんと結界を張ってるので」


「そうですか。あと、私の事はエリスで良いですよ。私だけ特別扱いされるのは嫌なので」

 エリスはエリーの言葉に安心した後、エリーにお願いをする。


「そうかの。ではこれからはエリスと呼ぶようにするのじゃ」

 適応早っ!

 優夜はエリスとエリーのやり取りが終わる頃にエリーの言葉を思い出す。


「あれ?エリーさんは結界魔法が使えるんですか?」


「ん?言ってなかったかの?別に隠す事でも無いから言うが、私は結界魔法が使えるぞ」

 へえ。って結構凄くね?


「ちなみにどの位まで?」

 エリーがどこまで結界魔法が使えるか気になった優夜は更に聞く。


「上位じゃな」


「おおぅ」

 ガイルさんより上じゃねーか。


「それじゃ、作戦の続きを話すぞ」

 そういや、今作戦会議中だったわ。

 結界魔法に驚いていた優夜は、今何をしているのか思い出すのだった。


「それで、どうするんですか?」


「うむ。取り敢えずミノタウロスキングを相手にする組と、周りのミノタウロスを相手にする組で分けたいと思うのじゃ」

 なるほど。前はミノタウロスが集まってきたせいで逃げる事になったからな。原因のミノタウロスを抑えられれば後は楽勝だ。


「それじゃ、僕と優夜はミノタウロスキングの方に入るね」

 いきなり言うリンカにグレン達は戸惑う。


「ミノタウロスキングの方が危険だが、良いのか?」

 そう。ミノタウロスを相手にする方が楽なのだ。

 だから、すぐにミノタウロスキングの方を選んだリンカをグレン達は不思議に思っていたのだ。


「別に良いよ。優夜もこっちだよね?」

 こっち……つまりミノタウロスキングの方だよな。

 そりゃあもちろん。


「ああ。俺もミノタウロスキングの方に入る」

 俺はエリーさんが引いた線の左側にリンカと一緒に立つ。

 線は右側がミノタウロスの方で、左側がミノタウロスキングの方だ。

 エリーさん。反対側って事はミノタウロスの方にいくんだ。


「では、私はミノタウロスキングの方ですね」

 さも当たり前のように優夜の元へ行くティーネ。


「そうか。じゃあ俺達はこっちだな」

 グレンとミルはエリーさんのいるミノタウロスの方へ行く。

 ありがとな。グレン。

 優夜は心の中でグレンに感謝した。


「えっと。私はどうしたら……」

 いまだに決まっていないエリスが不安な声を上げる。


「エリスはこっちだろ。早く来いよ」

 そんなエリスに助け舟を出す優夜。

 エリスは優夜に誘われ、顔をぱっと、明るくすると小走りで優夜の元へ行く。


「では、次に分かれた組で作戦を立てるのじゃ。そっちは、優夜。よろしくの」

 エリーはそう言うと優夜に背を向けてグレン達と話し出す。

 あれ?でもこれってエリスとリンカの試験も兼ねてるんだよな?……そんな放任的で良いのか?


「優夜。早く作戦会議しよ」

 立ち尽くしている優夜を急かすリンカ。


「あ、悪い。すぐやろう」

 優夜は頭の中にある疑問を追い払い、リンカ達の方を向く。


「優夜様。ミノタウロスキングはミノタウロスの上位種です。弱点属性は精霊です」

 優夜に教えるように言うティーネ。

 あっ。そっか。もしかしてエリーさんはミノタウロスキングの方に俺達を集めたかったのかな。

 え?でも、エリーさんには俺達が勇者だって事は言ってないぞ?……もしかして、フェザードさんか?


「……ありがとな、ティーネ」


「いえ」


「作戦は、俺がミノタウロスキングを接近戦で抑えるから三人は魔法で攻撃してくれ」

 優夜の作戦にティーネが怪訝な顔をする。


「優夜様?私の話を聞いてましたか?何故優夜が接近戦をするのですか?」


「えっと………」

 俺はリンカの方を向く。


(どうする?リンカ)

(僕がなんとかする)

(すまん)

 優夜は申し訳ない顔をする。


「ティーネさん。優夜は剣が良いんだって。最近新しい技を手に入れたみたいで」


(リンカ!?俺、新しい技なんて無いぞ?)

(どうにかするの。じゃあ正直に言って前よりも怒られる?)

(う………)


 ティーネにバレたら終わる……!

 優夜はこの戦いで新しい技を出さざるを得なくなったのだった。


「そうだったのですか。優夜様。気付かずにすみません」


「いや、良いんだよ」


「優夜。こっちは終わったぞ。そっちはどうじゃ?」


「お、呼ばれてる。じゃあさっきの作戦で良いな」


「「「はい」」」

 優夜達はエリーの元へ歩いていく。


 ………この時優夜は知らなかった。

 まさか自分が本当に新しい技を出せるなんて。

【投稿予定】

5/21 54.リベンジマッチ②

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