51.白猫団と勇者パーティ
グレンがギルドマスターの部屋に現れた後、水晶の話は保留になり、優夜達はグレン達の泊まっている部屋に来た。
「優夜。改めて久しぶり。後ろにいるのは新しい仲間か?」
グレンは優夜に聞く。
「ああ。エリスとフリューネ。リンカとメルだ。フリューネとメルは精霊妃なんだ」
「ん?エリスって……エリス王女殿下!?」
ミルはエリスを凝視すると、エリスが王女殿下だと気付き大声で叫ぶ。
「あら?そういう貴方はディクフォード家の長女の方では?」
「え?」
エリスの口からディクフォード家と発せられ、優夜は自分の耳を疑う。
「おい、エリス。今、ディクフォード家って言ったか?」
「ええ。言いましたけど?何かありますか優夜様」
優夜が聞き直した結果、聞き間違いではなかった。
「何かあるというか……そんな話聞いてないぞ。グレン」
優夜は自分には知らされてなかった事実を知り、パーティメンバーを睨む。
「うっ……。すまん!優夜。優夜に話したら俺とは組んでくれないと思い……本当にすまん!」
優夜に頭を下げて謝るグレン。
「どうゆう事だ?」
グレンの言っている事の意味が分からない優夜は聞き返す。
「自慢する訳では無いが、うちの家は公爵家だ。だから、その事を知られたら一緒に冒険を出来なくなるんじゃ無いかと思い。すまん!」
「もう謝るなよ。グレン。俺がそんな事で離れると思うか?俺は公爵家なんて知り合いにいるし、何より王族とも知り合いだ。グレンが公爵家だってのには驚いたけど、それだけだ。別にグレンの事を嫌いになったりとかはしないさ」
「……本当か?」
グレンはようやく下げた頭を上げる。
「ああ。だからこれからも一緒に冒険しよう」
優夜はグレンに手を差し出す。
「ああ!」
グレンは半分泣きそうになりながらも、差し出された手を握る。
グレンとの一件がひと段落ついたとろこで、優夜は大事な事を思い出す。
「あっ。そうだ、グレン。白はどこにいるんだ?グレン達と一緒にいるんだろ?」
「何でそれを知ってるんだ?まあ、いいか。白ならあそこで寝てるぞ」
グレンは白といる事が優夜にばれていて驚くが、すぐに落ち着くとベッドの方を指差す。
グレンが指差した先には寝ている白にじゃれているルウの姿があった。
「あれ?なんだあの狼は?」
先程まではいなかった狼に疑問を浮かべるグレン。
「ああ。そういや言ってなかったな。ここに来る途中にテイムした神狼のルウだ。ルウこっちおいで」
優夜はグレンに説明した後ルウを呼ぶ。
……白。お前あんなに叩かれたらしたのに起きないのな。
「ワウ!」
ルウは元気よく叫び優夜の元へ走り寄ってくる。
「よしよし」
優夜は寄ってきたルウをわしゃわしゃと撫でる。
わあ。可愛い。何これ。毛、もっふもふ何だけど。やばーい。はまるわこれ。ああ、そんなに見つめるな〜。可愛すぎて可愛い死しそうだわ。
「優夜?」
優夜はグレンに声をかけられはっと我に帰る。
危ない危ない。ルウに取り込まれてた。
うーむ。ルウは少し危険視しなければ。
ルウの可愛さに取り憑かれた優夜は勝手にルウを敵視するのだった。
「こほん。改めて紹介しよう。こいつがルウだ。ほら、ルウ。挨拶だ」
優夜はルウを自分の胸の前に掲げる。
「ワウ!」
ルウはまるでよろしく!と言うかのように叫ぶ。
「よろしくなルウ」
「よろしくね、ルウ。……というかルウ可愛すぎない!?やばーい。優夜、触ってもいい?」
おっと。ミルもルウに取り憑かれたか。同志なら答えは一択。
「もちろん、良いぞ」
優夜はルウをミルに渡す。
「ありがとう!うわ!やっばーい。何これ。毛、もっふもふじゃん」
あれー?何かさっきの俺と同じ反応をしてるな。
ミル。お前には分かるんだな。ルウの良さを。
「ワフ〜」
撫でられるルウは気持ち良さそうな声を上げる。
「なあ、優夜。さっきルウの説明で神狼って言ったか?」
ルウにはまるミルをよそにグレンは優夜に尋ねる。
しかし、優夜もミルと一緒にルウをもふもふしており、返答は無い。
「おい。優夜。おーい」
グレンが優夜の顔の前で手を振るも、反応は無し。
「仕方ありませんね。グレンさん。ルウは確かに神狼ですよ。それが何か?」
自分の主が機能しないと分かったティーネはグレンの質問に答える。
「そうか。神狼ってもしかして白の仲間だったりするか?」
ティーネの言葉を疑いも無く信じたグレンは次の質問をする。
「ええ。私達はその様に考えてます」
「やっぱか。ルウを見てると何か白に似てるなって思う時があるんだよ」
グレンさんの言っている事はあながち間違いでは無い。
ルウは白と同じ銀白の毛色をしており、ティーネ
が感じ取れた様に神狼と神猫は同じオーラを持っている。
何故同じオーラなのかは分からないが、私は神の眷属であるから。と推測した。
だが、ここで私が思ったのはそんな事では無い。一番気になるのは。
「何故、似ていると思うのですか?」
これだ。毛色だけでも似ているとは言えるが、グレンさんの似ているはもっと確実なのものだ。
もしかすると、この人はオーラを感じ取れるのでは?
ティーネはグレンはガッハにいた時に見せてない力を隠し持っていると思った。
「なんかな。聞こえるんだよ。白とルウの音が。それでな。その音が似てるんだ。だからかな」
「!?」
ティーネはグレンの回答に驚く。
音?私にはその様なものは聞こえない。やはりグレンさんは何か持っている!
ティーネがグレンへの警戒心を強くした所で、ミルは面白そうな物を見つけた顔をしてルウを手放すと、ティーネに近づく。
「ティーネさん。グレン兄さんが何か隠し持ってるとか思ってるんでしょ?」
ミルはニヤニヤしながら質問する。
「な……何故それが分かるのですか?」
表では普通の顔をしていたはず。
まさか、ミルさんも何か力を?
ティーネは元パーティメンバーへの警戒心を最大まで引き上げる。勿論、面の顔はそのままで。
「そんなに警戒しないでよ」
「ティーネ?俺達が何か悪い事でもしたか?」
何故!?何故分かるのですか?
「グレン兄さん。兄さんがあの事隠してるからでしょう?私も同じだからあまり言えないけど」
やはり。あの二人は何か隠し持っている。
「ん?ああ。そう言えば言ってなかったな」
グレンは優夜達に言い忘れた事があると言い、みんなを集める。
「良く聞いてくれ。俺とミルにはみんなには言ってない特殊な力があるんだ」
さあ。何を隠し持ってるのですか?
【投稿予定】
5/15 52.グレンとミルの秘密




