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43.海とモンスター①



 優夜達はリンカと会話をした後、リンカとメルに案内され海に来ていた。


「さあ、ここが僕のプライベートビーチだよ」

 リンカとはすっかり仲良くなり喋る口調も砕けた感じになっていた。


「おおおお!!」

「………」

「凄いです!」

「まあ!」

 優夜達は人気の無いビーチ、内陸にある王都では見られない透き通ったエメラルドグリーンの海を見て、ここまで来て積み重なった疲れが嘘の様に驚きや興奮の声を上げていた。

 だが、そんな中ただ1人、目の前に広がる果ての見えない海を見て何の感情も抱かない者がいた。


「あれ?ティーネどうした?海だぞ海。もっとはしゃいでも良いんじゃないか?」

 優夜の言葉にティーネは呆れ7割、真面目3割の声で答える。


「……優夜様。私は水の精霊、それも最上位である精霊妃です。この程度の透き通った水は見飽きたのです」


「なるほど。でもそれは真水だろ?海水じゃないだろ」

 ティーネの言葉に納得しながらも反論する。


「?同じ物ではないのですか?」

 ティーネは顔をしかめる。


「全然違うぞ。良いかティーネ。水は何の味もしないが海は違う。海の水は塩を含んでいるからしょっぱいんだ」

 優夜の言葉にティーネは驚いた顔をする。


「まあ!それはほんとですか優夜様」


「ああ。疑うなら試してみれば良い。目の前にあるだろう?」

 ティーネはこくりと頷くと小走りで海に向かう。慎重にしかし興奮を抑えきれない足取りで。

 海に着いたティーネは早速海の水を手ですくい口に運ぶ。


「ああ!そんな飲んだら――」


「んんんんんんん!?」

 優夜の忠告はすでに遅し。ティーネはすでに海水を飲んでおり苦虫を噛み潰したような顔をし、大声を上げ涙目になっていた。


「み………ず………」

 ティーネは口に残る海水を水魔法で洗い流し干からびた喉を潤す。

 その後ティーネは海から逃げる様に優夜の元へ戻って行く。


「全く。はしゃぎ過ぎだティーネ」


「…………すみません」

 先程まで自分と同じ様にはしゃいでいた優夜に注意を受けしょぼんとするティーネ。


「ま、でもこれで海の凄さを分かっただろう?」


「っはい!海は凄いです!」


「なら良かった。それに海水を飲まなければ海は楽しい場所だ。俺は少し釣りでもしてくるからみんなは遊んでな」


「「「「「はい!」」」」」

 女性達は待ってましたと言わんばかりに即答する。


 優夜が釣りを始めて15分。


「釣れないな〜。まあ、待つのも釣りの醍醐味だし。当たりがくるまでみんなの様子でも見てるか」

 優夜は釣り竿は手に固定しながら顔だけティーネ達の方へ向ける。

 優夜の顔の先には水を掛け合いきゃっきゃとはしゃぐ女性達が見えた。

 ここで優夜はある事に気付く。


「あれ?俺めっちゃハーレムじゃね」

 連れている仲間は女性5名(精霊妃3名美少女2名)で男性はいないのである。

 別に悪い気持ちでは無いんだけど、無いんだけど、何となく居心地が悪い。くっ、まさかこんな素晴らしい問題があるとは。グレン助けてくれー!

 優夜は頭に別れた仲間を思い浮かべ心の中で叫ぶのだった。



 ここはとある洞窟。


「やったぞ!レベルも200まで上がり雷魔法も最上位まで上がった。それに新しいスキルだって手に入れた。これで優夜達と一緒に行ける」

 普段はあまり笑わないグレンがこの日はとても良い顔で笑っていた。


「私も180までレベル上がって魔法は全部上位まで、特に雷魔法は最上位まで上がったよ。これで優夜君達を追えるね」

 いつも笑顔のミルは今日一番の笑みを浮かべた。

 そう。この兄妹は優夜が旅に出たその日からずっと特訓をしていたのだ。

 何故か?それは優夜に追いつく為。優夜と一緒に旅をする為。この2人はその為に特訓をしていた。


「さあ、行くぞミル。優夜を追いかけるんだ」

 旅支度を整えグレンは言う。


「だーめ!ちゃんとお風呂に入って体を休めてから!旅は明日から。優夜君は逃げないって」

 慌てるグレンを叱るミル。


「ぐっ。……分かった。今日は休もう」

 渋々納得するグレン。その反応に喜ぶミル。

 女の子は支度に時間がかかるのだ。


「では、グレン様。家に戻りましょう」

 話が終わったのを見て提案するユナ。


「ああ、そうだな」

 優夜が旅に出てからユナは冒険者ギルドだけで無くグレンの家に戻れる様になっていた。


「グレン様達が三公爵の一つディクフォード家と知った時は驚きました。あそこは家の者には厳しいと聞いていたので、まさか冒険者になれるとは」


「別に厳しくないよ。全然優しいよ?ほんとはね、ディクフォード家は悪い者には厳しいっていうのだったのに、家の者にはって噂が広まっちゃって。だから社交場では振る舞うのに大変なの」

 噂を訂正しながら困った様に話すミル。


「別に振る舞わなくたって良いじゃないか?」


「駄目に決まってるでしょ。もう、グレン兄さんは」

 ため息を吐き更に困り果てるミル。


「すみません、ミル様。私がこんな話題を出さなければ」

 ミルの様子を見て自分に負い目を感じ謝るユナ。


「いや、ユナちゃんのせいじゃないから。ほんとに謝らなくて良いから」

 謝るユナに手を振って全力で訂正するミル。


「そうですか。ありがとうございます」

 ミルに感謝するユナ。


「じゃあ帰るか」

 ミルとユナの茶番を終わったところを見計らい言うグレン。


「うん」

「では、私の手を掴んでください」

 二人はユナに言われた通りに手を掴むと、景色が一瞬で変わり見覚えのある大きな家が見える。

 ここはガッハにあるディクフォード家の本邸。


「帰ってきたな」


「うん」

「報告は私がやっておきますので」


「ありがとうな、ユナ」

「ありがとう。ユナちゃん」


「はい。では」

 手を振るグレンとミルに礼をするとユナは冒険者ギルドに向かっていく。ディクフォード家はガッハを領地とする貴族なのだ。

【投稿予定】

4/15 44.海とモンスター②

   44.5.グレン、ミル。ステータス公開

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