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41.対談①



 時は優夜がティーネとエリスに叱られた少し後。

 優夜達は木の生い茂る森の中を切り分けながら進んでいた。


「こんなとこに本当に火の勇者は居るのか?」


「私の能力を疑うのですか?優夜様」

 優夜の言葉に嘘泣きをしながら悲しそうにするフリューネ。


「優夜様。フリューネの味方をするわけではありませんがフリューネの能力は本物です。この私が断言します」


「王女様に断言されたら信じるしかないな」


「優夜様。モンスターに囲まれてます」

 ティーネは警戒する様に周りを見回す。


「何体いるか分かるか?」


「……おそらく、20体はいるかと」


「まじか。……20はきついな。ここは突っ切るぞ」

 俺は剣を抜き斬波を発動させ前にある木を切っていく。


「よし、俺に続け」


「「はい」」

 あれ?いつの間にかフリューネが居ない。あいつ、戦うのが嫌なのか。それとももしかして戦えないのか?

 俺達は強引に作った道を走りながらモンスターを対処する。


「それでも10はいるな。まあ、20よりは全然マシか」


「どうしますか?優夜様」

 優夜はティーネに聞かれニヤリと笑う。


「そりゃ、戦うに決まってんだろ」

 ティーネは優夜の答えに微笑む。


「そうですね」


「みんな。10体のモンスターを倒すぞ。大体一人当たり3体だな。だけど、相手の強さは未知数。無茶はするなよ」


「「はい」」

 ティーネとエリスは優夜の指示に従い散開する。


「よし、じゃあ俺も行くか」

 俺はエリスとティーネが右、左に回ったため、前に進む。

 少し進むとモンスターの唸り声が大きくなって聞こえてくる。


「狼のモンスターか。それも4体か。厄介だな」

 俺は聖剣と魔練剣を抜き戦闘態勢を整える。


「グルルルッ!」

 俺の剣を見て狼達の威嚇も更に大きくなる。


「はは、警戒ばっかで来ないってならこっちから行くぞ!」

 俺は縮地を使い一匹の前に移動すると狼の頭に聖剣を振り下ろす。

 ブシュッ、と音が鳴り狼が倒れる。


「グルルルッ!?」

 1体が死んだ事に狼達が驚いたような声を上げる。


「うーん。この倒し方だと返り血で服が汚れるな。剣はやめるか」

 俺は剣をしまい考える。


「うーん。何の魔法を使おうかな。……って、あまり考えてる時間は無いな」

 狼達は優夜が剣をしまった事で攻撃態勢になっていた。


「ギャウ!」

 一匹が叫ぶと他の二匹が俺に襲い掛かってくる。


「くそっ、精霊魔法『水の大楯』」

 優夜は即座に魔法を発動し狼の攻撃を水の大楯で防ぐ。


「キャン!」

 狼達は攻撃を防がれ下がっていく。


「よし、これだな。精霊魔法『水霊の咆哮』」

 優夜が魔法を発動すると優夜の目の前に大量の水が現れ狼達を襲う。


「キャンキャン!!」

 狼達は泣き声を上げて水に飲み込まれていった。


「さて、ティーネ、エリスと合流するか」



 狼を討伐してから十数分後、血で汚れた服をきれいにした優夜達は森を抜けていた。


「やっと森を抜けたか」


「優夜様村が見えますわよ」

 俺が少しぶりの日差しに胸を打たれているとフリューネのはしゃぐ様な声が聞こえた。ん?フリューネ?


「ちょっとフリューネ。貴方も精霊妃なんだから戦いなさいよ」

 突然現れたフリューネに驚きながらも抗議するエリス。

 エリス。自分の精霊妃はちゃんと管理しろよ。と、優夜は思った。


「だって、戦うと疲れるじゃない。それに、私は生まれてから少ししか経ってないからあまり強い魔法は使えないのよ」


「そうなのか?ティーネ」

 俺はフリューネの言葉に疑問を持ちティーネに聞く。


「はい。生まれたばかりという言葉が正しいなら本当ですね」


「ちょっと、生まれたばかりじゃなくて生まれてから少し経っただから。生まれたばかりじゃないから」

 ティーネの言葉に反論するフリューネ。

 ……てか、反論するとかそこ?


「そういえばさっき村が見えるって言ってたよな」


「「あ」」

「そうですわ。ほら、向かうですの」

 フリューネは俺の腕を抱きながら指を差す。

 俺はフリューネの指す方向を見るとそこには賑やかな雰囲気の村があった。


「おお!ほんとにあったな。よし、みんな行くぞ」


「「「はい」」」



 そして、俺達は村で火の勇者について聞き込みをして、勇者はここら一体を領地とする貴族の家にいる事が分かった。


 俺は村の人に案内された家の前に立ち大声で言う。


「すみませーん!誰か居ませんか」

 優夜が叫んでから少し経ち優夜の前の扉が開いた。


「ようこそ勇者様〜。わたしはメル。火の精霊妃です〜。よろしくお願いします〜」

 扉が開くと中からおっとりとした口調の女性が現れた。そして、女性は自分が精霊妃だと言った。


「よろしくお願いしますメルさん。俺は優夜。そして後ろの3人が右からティーネ、エリス、フリューネです」


「「よろしくお願いします」」

「よろしくお願いしますわ」


「さ、こちらに来てください〜。私の主が待っています」

 優夜達はメルの後ろについて行き人数分の椅子が置かれた部屋に案内された。そして、その席の一つに髪の丈が短い女性が座っていた。


「あちらに座って居るのが私の主リンカです〜」


「よろしく、お願いします」

 リンカは優夜に頭を下げて挨拶をする。


「よろしくお願いします」

 優夜も頭を下げて挨拶をする。


「さ、話をしましょうか。勇者様」

 優夜を促すメル。

 対応が早いな。見られてたか。一体いつからだ?

 火の勇者に精霊妃……。侮れないな。

【投稿予定】

4/9 42.対談②

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