39.勇者パーティ結成
決闘の翌日。
優夜、ティーネ、ガラル、リーナ、ガイル、国王、王妃、エリスは王の間に集まっていた。
玉座には国王、王妃、エリス。そして国王の側にガイル。国王の少し先に優夜、ティーネ、ガラル、リーナがいる。
「全員集まったな」
王の間に優夜達が集まった事を確認した国王は話始めた。
「この度の決闘。見事に近衛騎士隊長を討ち破りその力を示した優夜よ。貴殿の望み通り我が娘、エリスを魔王討伐に連れて行くと良い」
王様が話の内容を言う。
うわっ。王妃殿下めっちゃ睨んでくるんだけど。あっ王様に注意されてる。
「ありがとうございます。てか、最初に会った時も思ってたんですけど王様は反対しないんですね」
俺は笑いそうになるのを堪えて前々から思ってた事を聞く。
「魔王討伐はいずれ訪れる事だ。それを儂の我儘で行かせないなどそんな恥ずべき事は王族として出来んからな」
その我儘をした人が王様の隣にいるんだが。
しかし、これを言うとまじで王妃殿下がブチ切れそうなんでやめた。
「では、明日また来ます」
「うむ」
俺達は王様にお辞儀をして王の間を出る。
フェンリオ家に戻った優夜、ティーネ、ガラル、リーナ、ガイルは食堂で昼食をとっていた。
本日の昼食はガラルさんの奥さんがいないため、リーナとティーネが担当した。
「あれ?何でガイルさんまでいんの?」
パンを手に取りながらガイルがいる事に疑問を持った優夜は言う。
「おい。もう忘れたのか勇者。精霊魔法が神位の理由を教えてくれるんだろ」
「ああ。そういえばそうだった。精霊魔法が神位の理由ね」
食堂にいる全員が息を呑み優夜の言葉を待つ。
優夜は手に持っていたパンを食べ終えると言う。
「分かんない」
「「「「は?」」」」
「いや、少し考えたんだよ。精霊魔法が神位の理由。それは精霊妃と契約してるからじゃないかって。だけど今までで1人しかいないんだったらおかしいじゃん。だから分かんないってのが答え」
「いや、待て待て待て。言ったよな。証拠があるって」
優夜の言葉に納得しないガイルは言う。
「あー。それね。ティーネの事。ティーネは精霊妃だから」
「え」
ガイルはティーネを見る。ティーネは問いに答えるように頷く。
「なら、ティーネさんなら分かるのでは?」
「いえ、分かりません」
ガイルの疑問に即答するティーネ。
「そんな………」
「てか、ガイルさんは何でそんなに知りたいの?」
「知りたいに決まってんだろ。神位だぞ。魔法位の頂点だぞ。それも今までで1人しか到達した事のない魔法位だぞ。その魔法位に到達した奴がいるならどうやってなったか知りたいに決まってんだろ」
「そうなの?」
俺はガイルさんの言葉が本当かガラルさんとリーナに聞く。
「「いや、あそこまでは」」
優夜の問いに揃って答える二人。
「だって」
「え………」
目の前の事実に落胆するガイル。
「よし。昼飯も食べ終わったし明日の準備をしないとな」
「「優夜様。私も手伝います」」
優夜の助けになろうと手を挙げるティーネとリーナ。
「ありがとな。二人とも」
うん。順調順調。でも何か忘れてる様な。
「ところで優夜様。白はどこに行ったんでしょう?」
「あっ」
白の事忘れてた。あいつ生きてるかな?ま、ほっとけばいいか。前は大丈夫だったし。
◇
翌日。
優夜とティーネはエリスに会いに王城に来ていた。
俺達は前と同じ様に衛兵さんに王の間まで案内されると中に入る。
「王様。来ましたよ」
「優夜にティーネか。ちょうど良いところに来たな。少し手伝ってくれ」
俺達は王様に呼ばれて行くと、玉座の隣でリーナにしがみついている王妃殿下がいた。
「エリス行かないでー!エリスは私のものよ。誰にも渡さないわ」
「お母様。離してください。あっ、優夜様来たんですね」
王妃を離そうとしているエリスは優夜に気付き笑みを浮かべる。
「朝からずっとこうしててな。優夜よ。何とかしてくれ。これが最後の試練だ」
何が最後の試練だよ。何とも出来ない王妃をどうにかしてくれって事か。
「王妃殿下。エリスと王様が困ってるので離してください」
俺は王妃殿下の肩に触れて言う。
「離して!エリスは私のものよ!」
手を叩き怒る王妃。
何これ。面倒くさ。
「私はお母様のものではありません!私は優夜様のものです!」
別に俺のものでもないんだが。
「うぅ。そんなエリスが、エリスが。ああああああああああああああああああああああああああああ!!」
大声を上げ走り回る王妃。
うわっ。遂にぶっ壊れたぞ。だけどエリスからは離れたからいっか。
でも、最後のは効いたな。エリスなかなか酷い。
「さあ。行きましょう優夜様」
優夜の腕を抱きながら言うエリス。
「優夜様に何をしてるんですかエリスさん?」
エリスの抱いている反対の腕を抱きながら言うティーネ。
俺はこれからどうなるのだろうか。
「さて、行くか。門でガラルさん達が待ってる」
「「はい」」
◇
次の街に行くため門の前に集まった優夜、ティーネ、エリス、ガラル、リーナは別れの挨拶をしていた。
「優夜。元気でな」
「はい」
「優夜様。体には気をつけて。あと、お母様がこれを」
そう言ってリーナが優夜に渡したのはペンダントだった。
「これは?」
「お守りです。ティーネさんとエリスさんにもありますよ」
「「ありがとうございます」」
「さて、じゃあ行くか」
優夜、ティーネ、エリスは門の前に立ちガラル、リーナに背を向けると歩き出す。
「無事に帰って来いよ」
後ろからガラルさんの声が聞こえ、俺は振り向くと叫ぶ。
「はい!」
さあ、旅をまた再開だ。白は、大丈夫だよな?
【投稿予定】
4/3 40.火の勇者リンカ




