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32.王都到着



 ザレスさんに剣を作ってもらった次の日。俺達は次の街であり第一の目標でもある王都に向かうため門に来ていた。


「ザレスさんとアーネさんは、来てないな」


「そうみたいですね」

 うーん。なんか寂しい様な気もするし連絡をしないで行くのもなんか気が引けるんだよな。


「どうしますか?優夜様」

 俺の様子を見ていたティーネが聞いてくる。


「やっぱりザレスさんのとこに――」


「優夜ー!」

「優夜くん〜」

 俺が戻ろうと後ろを振り返った時ザレスさんとアーネさんが俺を呼びながら走ってくるのが見えた。


「ザレスさんにアーネさん。どうしたんですか?」

 俺のいる場所まで走って来たザレスさん達は息を整えた後俺の方を見る。


「いや、店でぼーっとしてたらな優夜が窓から見えたからそれでアーネも呼んで追いかけて来たんだ」

 ぼーっとってちゃんと仕事をしろよ。


「私からは渡す物があるの」


「渡す物?」


「はい。これ」

 アーネさんがそう言って俺に渡してきたのは昨日読んだ本だった。


「結構興味持ってたみたいだったからあげる」


「ありがとうございます」

 あの本はモンスターの事が分かりやすく書かれてて読みやすいしモンスターの知識も入るから欲しいと思ってたんだよな。


「これで優夜を見送る事ができたし思い残す事はないな」


「まだ出発してませんけど」


「そうだったな。じゃあ早く出発せい」


「全く………」

 出発しろと急かすか止めるかどっちかにしてくれ。


「冗談だ。優夜、元気でな」

「優夜くん。体調には気を付けてね」

 ザレスさんとアーネさんの言葉がはもったところで俺は二人に言いたかった事を思い出した。


「ザレスさんとアーネさんってどんな関係なんですか?」

 俺が聞くとザレスさんとアーネさんは互いの顔を見て笑い合う。


「優夜には言ってなかったな。俺とアーネは夫婦なんだ」


「えぇぇぇええ!!」

 俺はあまりの驚きに大声を出してしまった。そのおかげで周りから注目を集めてしまった。お騒がせしてすみません。



「じゃあ行ってきます」

 俺はザレスさんとアーネさんに一礼するとファルナの街から出る。


「じゃあ行くぞ」


「はい」

『………』

 白。お前よく寝るよな。

 俺は白をファルナに置いてってやろうかと思ったが流石に可哀想だからやめた。


 ファルナを出てから1時間ほどしたところで俺達は休憩を取る事にした。


「王都まではあとどのくらいだ?」


「あと2時間ですね」

 遠いな。次から馬車に乗ろうかな。

 俺は少し休もうと平原に腰を掛けようとしたその時。


「きゃゃああああ!!」

 女性の悲鳴が聞こえた。


「何だ?」

 俺が声の聞こえた方を向くとそこにはモンスター四体に襲われてる馬車と馬車の護衛らしき人物が3人いた。


「ティーネ」


「はい。助けましょう」

『我は何をすればいい?』


「白は馬車の中にいる人を守れ」


『了解』


「行くぞ」

 俺の一言でティーネと白は同時に散開する。

 ティーネが左側のモンスターをやるから俺は右だな。

 俺は戦闘準備(聖剣は使わない)をすると一人の護衛を襲っているニ体のモンスターの所へ到着する。


「大丈夫ですか?」


「っ!私は大丈夫だ。それよりも目の前のモンスターを」


「分かりました」

 じゃあ遠慮なく。俺はザレスさんに作ってもらった剣と魔剣で一体を斬り刻む。


「ブオオオオ!」

 オーク(?)は悲鳴を上げて倒れる。


「朝からうるさいな」

 そうだな。声を出させなければ良いのか。

 俺は地を蹴りジャンプするとオークの首辺りまで移動して剣を横薙ぎに一閃させる。斬撃は首の声帯を斬る。


「…………!」


「どうだ、声を出せない感覚は?」

 俺の問いにモンスターは憤慨し突進してくる。


「モンスターって怒ると突進するのか?」

 俺は突っ込んで来るオークの頭目掛けて火属性魔法を放つ。

 呪文してる時間はないから中位のだけどオーク雑魚かったし多分大丈夫。


「ファイアボール」

 俺の魔法は見事にオークの頭のど真ん中に的中するとオークは出せない声で悲鳴を上げるとそのまま倒れる。


「…………………!」

 あれ?ほんとはもう2発くらい撃つ予定だったけど1発で死んだぞ。……オークって弱いのか。


「まあ、とりあえず討伐完了」

 俺がオークを倒し終えると護衛の人達とティーネがこっちに集まってくる。


「流石です。優夜様」


「ありがとうティーネ」


「助けて頂きありがとうございます」

 護衛の一人が俺とティーネに深々と頭を下げて礼を言うとそれに続いて他の護衛も礼をする。


「いえいえ。困ってる人がいたら助けるのが当たり前ですから」


「おお、何という心構え」

 何故か褒められた。この世界ってそうゆうの当たり前じゃないの?

 俺がそんな事を思っていると馬車の扉が開き中から女性が出てくる。年は俺と同じか少し上ぐらい。で、美人。女性は高級そうな服を着ていてヒールのある靴は歩きにくそうに見えた。

 俺が少し見惚れていると隣にいるティーネからつねられる。


「いたっ!」

 えぇ。俺が女の人の事を考えるとつねられる様な。


「もしかしてティーネ嫉妬してる?」

 俺がそう聞くとティーネは顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。

 違ったか。ティーネを怒らせちゃったな。後で謝らないとな。


「あの、助けて頂いてありがとうございます」

 俺の所へ近づいて来た女性は礼をする。


「俺は当たり前の事をしただけですよ」


「助けて頂いたお礼をさせて欲しいのですが」


「いえ、お礼なんて大した事はしてませんし」

 俺の言葉に護衛の人達が驚く。


「冒険者ギルドでBランクとされているオークを四体倒して大した事ではないと。我々はまだまだだな」

 一人の護衛がそう言うと他の護衛もそれに頷く。

 やっぱりオークだったんだあのモンスター。だけどBランクってマジ?俺のイメージだとオークって弱いイメージなんだけど。結果弱かったし。


「でも、それでは納得出来ません」

 女性は食い入る様に言ってくる。


「でもお互い名前を知りませんし」

 その言葉に女性は口に手を合わせはっとする。


「す、すみません。私はリーナ・フェンリオ。公爵家の令嬢です」

 え?公爵家?貴族で一番位の高いあの公爵家ですか。

 俺もしかしてさっきまでめっちゃ失礼してた?


「すみま……申し訳ありません。公爵家だとは思わずつい。私は優夜、こっちはティーネと言います」

 俺が敬語で接するとリーナ・フェンリオは不満そうな顔をした。

 あれ?俺の敬語何か間違ってた?


「私堅苦しいのは嫌いなんです。だから敬語もやめて下さい。優夜様」

 全然違った。俺が敬語で接したのが嫌だったのか。


「分かり……分かったよ。リーナ」

 その言葉を聞いたリーナは顔を赤くする。


「そんな。いきなり呼び捨てだなんて」


「わ、悪い。気に入らなかったならやめるけど」


「いえ、やめないで下さい。急で驚いただけなので」


「そうか。気に入らなかった訳ではないんだな」


「当たり前です。それで優夜様。お礼の事何ですが」


「ああ。それってどうしてもやらなきゃ駄目か?」


「どうしても、です」


「そ、そうか」

 うーん。どうしよ。

 …………あ、そうだ。


「なら二つ頼みたい事があるんだけど」


「はい。何でしょう」

 俺はリーナに用件を言った。用件を聞いたリーナは少し渋ったが「優夜様のためなら」と引き受けてくれた。



 俺はリーナの馬車に乗せてもらうという一つめの頼み事を使い王都へ歩いて2時間の距離を30分で着いた。流石は公爵家の馬車だな。

 王都へ着いた俺はリーナと別行動になるため馬車を降りた。


「では明日ここに書かれた場所に来て下さい。結果をお伝えしますから」

 俺はリーナから一枚の紙を渡された。


「分かった。ありがとうな。引き受けてくれて」


「優夜様のためですもの。では私はこれで失礼します。また明日会いましょう優夜様」

 リーナは俺に手を振りながら去って行く。


「じゃあ今日は日が暮れるまで時間を潰した後宿に泊まるか」


「はい」

『うむ』

評価お願いします


※ 2/22から3/6まで投稿を休ませて頂きます。


【投稿予定】

3/7 33.優夜と門番の約束

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