30.金属探し
ザレスさんの依頼を受けた優夜達はファルナから西に少し行くとある鉱山に来た。
この鉱山は銀と金の両方が取れる鉱山で、冒険者であれば採掘が可能となっている。
しかしこの鉱山は銀と金を食べて育ったモンスターが大量にいて、そのモンスター達は高い防御力を持っておりギルドのランクでCランク以上で無ければ入れない様になっている。
「じゃあここにある金を取ってさっさと帰るぞ」
「はい」
『………』
白の奴寝てやがる。まあ、今日は白の手は借りる必要が無いし別にいいけど。
「よし、行くぞ」
俺達は鉱山の中に入る。
鉱山の中は迷路の様にいくつもの道に分かれていて今回俺達が行くのは一番奥の金採掘場だ。
「お、早速お出ましか」
鉱山に入り少し歩くとコウモリの様なモンスターが俺達に向かって飛んでくる。
「優夜様、気を付けてください。鉱山にいるモンスターは通常とは違い硬い防御力を持っているので物理攻撃では無く弱点である水属性魔法で攻撃して下さい」
「そうなのか、分かった『ウォーターボール』」
俺はティーネの指示に従い水属性魔法を使う。
今日は結構モンスターが出そうだから魔力を温存するため中位までの魔法しか使わないけど。
「キイイ」
魔法が当たるとコウモリは怒ったように羽を広げて高速で突進してくる。
「『ウォーターボール』」
俺は突進してくるコウモリに魔法を打つ。
「キィィィ」
2発目が当たるとコウモリは弱々しく鳴き声を上げ地面に落ちる。
「2発で死んだな。最初の方は弱いのかな」
「この調子で鉱山にいるモンスターを狩りつくしましょう鉱山のモンスターは素材を高く買い取ってくれるので目的の金に加えてお金も手に入って一石二鳥です」
「ははは。………金は結構あるから最低限だけ狩ろうな」
「すみません……。優夜様の言う通りです」
「別に責めてる訳じゃ無いから落ち込むなよ」
「はい……」
ティーネは金が関わると人が変わるな。いつもは慎重なのに。今日は俺がしっかりしないとな。
俺達はそのまま鉱山のモンスターを倒していき最深部の金採掘場に着いた。そこで少し休憩する事にした。
「強いモンスターは出なかったな。強いて言えばでっかいカマキリがしぶとかったくらいか」
この鉱山で出たモンスターはコウモリ、モグラ、ネズミ、カマキリの四種類だった。カマキリ以外のモンスターはウォーターボール2発で死んだからティーネと一緒に一掃したけどカマキリはめんどかったな。ウォーターボールを7発当てないと死なないし数が多しで最終的にはティーネが上位の魔法を使って一掃した。
………ティーネってどんくらい魔法使えんだろ。水の精霊なのに火属性上位魔法を使えるし。今度聞いてみよ。
「えっと、倒したのはカマキリが7体、モグラ2体、コウモリ4体、ネズミ3体か」
俺は倒したモンスターの魔石を見ながら言う。
「コウモリなどはCランクですがカマキリのモンスターはランクがBなのでしぶとかったのでしょう」
「なるほどな」
ランクが一つ変わるとあんなに強くなるのか。さっきカマキリの攻撃を避けた時地面が少しえぐられてたからな。Bランクでも油断はできないな。
「じゃあそろそろ採掘を始めるか」
休憩を止め採掘を始めた俺達はザレスさんに頼まれた量の金鉱石を1時間ほどで取り終えた。
金の抽出は錬金術師でないと出来ないためここからさらに別の場所に行かないといけないんだけどね。
「優夜様、金の抽出の前に街に戻って昼食を取りましょう」
「そうだな」
俺達が鉱山を出ると日は既に高く昇っていた。
街で昼食を取った俺はザレスさんの知り合いの錬金術師に金鉱石から金を抽出してもらうためにその錬金術師がいる家に来た。
ティーネと白は宿に置いてきた。俺だけで充分だからな。ティーネは嫌がってたけど神風龍討伐から全然休めてないからな。そこは何とか説得した。
錬金術師の家は広いが今にも壊れそうなほど所々にひびが入っていた。………ここ本当に人が住んでるのか?
「あのー、誰かいませんか?」
俺は家の扉を少し開けて喋る。
「はーい」
数秒遅れて女の人の声が聞こえる。
え?ここに住んでるのって女性なの?
数分玄関で待っていると奥から女性がこっちに向かって歩いて来た。
「君が優夜君ね。私はアーネよ。よろしく。話はザレスから聞いてるわ。こっちに来て」
俺はアーネさんに誘われ何も無い広い部屋に連れてこられた。ただ、床に何かの絵の様なものが彫られていた。
「ここは錬金術を使う時の部屋なの。広くしてもらったのは狭いと集中ができないからなの」
「じゃあここで金の抽出をするんですか」
「そうよ。ただ錬金術には1時間くらいかかるから待ってもらう事になるけど」
「そのくらい待ちますよ」
「ありがとう。それでね何も無しじゃつまらないでしょう。だから本を用意したから読んでて多分役に立つと思うわ」
俺はアーネさんに『モンスターについて』と表紙に書かれた本を渡された。
「ありがとうございます」
「いいわよ。じゃあ隣の部屋が空いてるからそこで読んでて」
「はい。分かりました」
俺はアーネさんに金鉱石を渡すと俺は隣の空いてる部屋に移動する。
俺は部屋に置いてある椅子に座り異世界で初めての読書をした。
〜1時間後〜
「終わったわ」
隣の部屋から終了の合図が聞こえて俺は読書をやめる。
「お疲れ様です」
「ザレスの頼みだし良いわよ」
俺はアーネさんから金を受け取る。
「ありがとうございました」
「またね、優夜君」
俺はアーネさんに礼を言うと家を出る。
よっしゃこれで剣を作って貰えるぞ。
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