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25.龍三体討伐①



「ちょっと待って下さいよ」


「ん?どうかしたか?」


「まだ名前も知らないじゃないですか」


「ああ、たしかにまだだったな。私はレオナ・シュバルツだ。見ての通りエルフさ」

 やっぱり。でもレオナさんは家名を持ってるんだ。エルフの中じゃ偉い地位の人なのか?まあ、冒険者ギルドの支部長ってだけでも凄いけどな。


「それで、依頼は何ですか?」

 依頼は受ける。相手がギルド長ってのもあるけど3日間この街にいるんだし何もしないのは嫌だからな。


「お。受けてくれるのか」


「はい。何もしないのは嫌なので」


「そうか。まあ、私の口からでは分かりにくいだろうからこの紙を見てくれ」

 そう言いレオナさんは俺に紙を渡してくる。この人雑だな。


【龍三体の討伐】

【条件】Sランク以上

【内容】風龍二体、神風龍一体の討伐。

【報酬】大金貨3枚


 はあ?ギルド長にいきなりぶっ込まれた依頼は龍討伐ですか。しかも一体上位種いんじゃん。

 この世界にはドラゴンと龍、二つの種類がいる。で、どっちが上かって言うと龍だ。ドラゴンと龍の違いはたった一つ。知能を持っているか持っていないかだ。知能を持っていないドラゴンは単調な攻撃ばかりをするが龍は違う。龍はモンスターの中でも人並みの知能を持った珍しく恐ろしい生物だ。それに龍はドラゴンには無いとてつもなく硬い鱗を持っている。物理攻撃で与えられるダメージは皆無だ。だから聖剣と魔剣を使う俺にとっては難敵だ。でもスキルとかあるしいけるのか?

 ドラゴンは冒険者ギルドでSランク下位に対して龍はSランク中位だ。それが上位種ならランクもさらに上がる。例えば依頼書にある神風龍はSSランク中位だ。

 


「見たか?やばいだろ」

 レオナさんは何故かはしゃいでいる。この人危機感ねぇのか。


「てゆうか。何故こんな依頼を俺に?もっと他に沢山人がいるでしょ」


「それなんだけど。この街にいるSランク以上の魔導師は対魔王軍の特訓をするため今王都に向かってるんだよな」

 なるほどな。強い冒険者は今いないから代わりに風属性の龍の弱点である火属性を使える冒険者を探してる所に俺が来たって事か。


「じゃあこの依頼には他の冒険者もいるんですか?」


「ああ、火属性魔法を使えるAランクの奴らで討伐に行く。流石にBランクだと頼りにならないからな」


「それで、討伐にはいつ行くんですか?」


「今日の夕方だ。討伐は今日を含めて2日で終わらせる予定だ」

 夕方か。ん?夕方?


「それって……」


「ん?ああ。もうすぐ出発だな。準備しとけよ」

 まじか。この人フェザードさん以上にヤバイな。

 あと準備って言ってもする事あんま無いな。あるとすればティーネの説得くらいかな。あいつ火属性魔法使えなさそうだし。


「ティーネ。この依頼は街で待機な」

 俺は後ろにいるティーネに話しかける。


「嫌です」

 即答された。


「でもティーネは火属性魔法は使えないだろ」


「使えますよ」


「え?使えんの。じゃあ良いや」

 俺が許可を出すとティーネは喜んだ。


「俺の準備は出来ました」

 レオナさんに報告する。


「お、そうか。じゃあ行くぞ」


 俺とティーネはレオナさんに連れられて少し前に通った門の前に来た。

 門に着くとそこにはすでに13人の冒険者達がいた。冒険者の男女の割合は男9女4だ。

 レオナさんが冒険者達を見回すと少ししてから頷き話し始めた。


「今回の依頼は龍三体の討伐だ。中には上位種までいる。それだけ危険の伴う依頼だ。それにも関わらず集まってくれた勇気ある冒険者達よありがとう。では作戦を話す。まず風龍二体は一体につき5人で相手をしろ。そして神風龍は残りの3人とここにいる優夜とティーネそして私で相手をする。いいな?」

 レオナさんの言葉に冒険者達の視線は俺達に向くがすぐにレオナさんに戻る。そして全員が頷く。レオナさんも頷きを見て話を再開する。


「私はここにいる全員を死なせない。必ず生きて戻らせてみせると誓おう。…………ではこれより依頼を開始する」


「「「「「はい!!」」」」」

 冒険者達はレオナさんの話が終わると作戦の3チームに分かれる。

 分かれた後俺は余った3人の所へ行く。


「俺は優夜でこっちがティーネだ。少しの間よろしくな」


「僕はアレスだ。よろしく、優夜」

「私はエリカです。よろしくお願いします。優夜さん」

「私はスミレよ。よろしくね優夜君」

 女の子が2人と男が1人か。


「君達はパーティなのか?」


「ああ。〈赤の魔導師〉というパーティ結成してから1年くらいかな」

 赤のというのは多分火属性魔法が得意なのだろう。信頼出来そうな人達だ。


「アレス達に頼みたい事があるんだ」


「何かな?」


「俺は前衛の方が得意なんだ。だから俺が龍を足止めするから隙を見て魔法を打ってくれ」


「そんな!龍には硬い鱗があって物理攻撃じゃダメージを与えられないんだよ」


「分かってる。でも、試してみたい事があるんだ」


「何か策があるのかな?」


「ああ」

 まあ、策って言っても聖剣がどのくらい効くのか試すだけだけど。


「分かった。だけど危険になったら下がってね」


「ありがとう」

 俺がアレスと話し終えたところでレオナさんが来た。


「お、もう分かれたか。こっからはチームごとに動くからな。このチームの指揮は私が取るぞ」

 周りを見ると他のチームはもう討伐に向かっていた。


「まあ、今日は野営だけだから後で合流するけどな。んじゃ行くか」

 レオナさんが門を出てそこに俺達が続く。

 龍討伐か。いい強さの相手だ。今の俺だと十魔族を倒せても四天王には到底及ばない。この旅でレベルを250まで上げてやる。

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2/2 26.龍三体討伐②

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