24.旅の第一歩
翌日。俺とティーネと白は門に来ていた。フェザードさんにはあえて合わないようにした。気持ちが揺るがない為にね。
と思ってたんだけど、
「なんでいるんですか。フェザードさん」
フェザードさんだけじゃない。グレンにミル、ユナまでいる。俺の決意は何だったんだ。
「優夜くん、久しぶり。ティーネちゃんと白も久しぶり」
「お久しぶりです、ミルさん」
『久しぶりだな。ミル』
ミルとティーネと白が仲良く話している。えぇ、君らいつのまに仲良くなったの。あとミル。ティーネはミルの何倍も年上だぞ。まあ、ティーネが気にして無いからいいけど。
「優夜。来たか」
「質問に答えてくださいよ」
「答えるまでも無いだろう。見送りをする為だ」
「ですよね」
「なんだ。嫌だったか?」
「いえいえ、むしろ嬉しいですけど」
「そうか。良かった」
俺はみんなと一通り話した後出発する事にした。ちなみに白は俺の頭の上が定位置になった。
「では、行ってきます」
「行ってこい、優夜。生きて戻ってこいよ」
「はい」
俺達はフェザードさん達を背にして歩き出す。
こうやって見送られるのも悪く無いな。
ガッハが豆粒ほど小さく見える距離まで歩いた俺達は少し休憩する事にした。
「一番近くの街まではあとどのくらいあるんだ?」
「あと半分くらいですね」
ティーネは地図を見ながら答える。
「じゃあ今日中には着くのか」
そこで俺はステータスを確認してない事に気付いた。
「そういや、ステータスの確認しないとな」
精霊の里を襲撃した十魔族とアークデーモンを討伐したんだ。結構上がってるに違いない。
『ステータスオープン』
名前 神崎優夜
年齢 17
レベル 215
スキル 身体能力強化(レベル3) 縮地(一蹴りで100メートルまで移動する) 魔剣生成(魔剣を生成する) テイミング(自分よりレベルの低いモンスターをテイムする) 覚醒者(攻撃力を30秒だけ3倍にする) 神の願い(常時発動。魔の生き物に対して威力が2倍になる。逆に魔の生き物からの攻撃は半減する) 鑑定(強)(全ての物のステータスを確認できる) 二刀流(二本の剣を使う場合攻撃力が1.5倍になる)
魔法 火属性魔法(上位) 風属性魔法(上位) 水属性魔法(上位) 回復魔法(最上位) 神聖魔法(神位) 精霊魔法(神位)
体力 11750/11750
攻撃力 11750
防御力 11750
俊敏 11750(+5875)
幸運 ∞
魔力15750/15750
あれ?成長補正が無くなってレベルが上がらなくなったのにレベル200からはさらに上がらなくなったぞ。もっと強い敵と戦えって事か?
二刀流って凄いな。剣を二本持つだけでも強いのにさらに1.5倍になるのか。
休憩を終えた俺達はまた歩き始め日が一番高く昇る頃には次の街メゾンに着いた。
《魔導都市メゾン》
魔導都市メゾンは五代英雄の一人【魔導】メゾンが街の名前になった街だ。そしてこの街にはシュラル王国の中でも有数の魔導師が多くいるらしく人魔戦争では第二の砦として使われてた場所だ。
俺はこの街に3日間ほど滞在してから旅を再開する予定だ。
「じゃあひとまず冒険者ギルドに行ってみるか」
俺は門を通ると冒険者ギルドまで歩いていき中に入る。
メゾンのギルドはガッハのギルドと何も変わらなかった。ただ、ギルドにいる冒険者の中で女性の割合が9割を占めていた。
「なんでこんなに女性が多いんだ?」
俺の質問にティーネが答える。
「それは魔法の適性を多く持つのが女性だからですよ」
「へぇ、じゃあ女性の方が魔導師になりやすいのか」
「はい。そうです」
俺は受付嬢のいるカウンターまで歩く。
「あの、すみません」
「はい。どうしましたか?」
「ギルド長に会わせてもらえますか?」
俺は受付嬢にフェザードさんから貰った紹介状を渡す。
受付嬢は紹介状を受け取り確認すると、
「では、この道の一番奥にギルド長室があります。今はギルド長が出かけているので少し待てば戻ってくると思いますよ」
「ありがとうございます」
俺は受付嬢に礼をすると指示の通りに進み部屋の中に入る。
部屋の中は綺麗だった。俺は目の前にあるソファーに座りギルド長が来るのを待つ。
5分くらい待つと人が部屋の中に入ってきた。
中に入ってきた人は耳が長く豊満な胸を持ち顔が整った美人な女性だった。つまりこのギルドのギルド長はエルフの女性だって事だ。
「君が優夜か」
「はい。そうです」
俺が答えるとギルド長は何かを持ってきて俺の目の前のソファーに座る。
「突然で悪いが早速魔力と魔法適性を調べさせて貰えるか?」
ギルド長はそう言うと水晶玉をテーブルに置く。
あ、これ俺が冒険者登録する時に壊した奴だ。
「これに手をかざせば良いんですよね?」
「ああ、そうだ」
あれ?でも俺の魔力を測った奴は魔法適性までは分からなかったぞ。これが特別なのか?
俺はそう思いながら手をかざす。すると、水晶は前より穏やかに光り割れる事は無かった。水晶の光が収まると今度は水晶の中に赤、青、緑、の3種類の花が浮かび上がった。
「なるほどな。魔力量はこの街の中でも多めだな。そして6属性のうち3属性の適性があるか。まあ、光と闇の適性を持つ奴なんてそんないないからな。流石はフェザードが言うだけの事はある」
ギルド長はぶつぶつと何かを呟いた後、
「よし、優夜。君に頼みたい事がある」
いきなり依頼をぶっ込んで来た。
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