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11.冒険者になります③



ユナがギルドに戻るのを見送ってから俺達は入り口で話していた。


「さて、どうしよっか」


「「え?」」

おおー。流石兄妹、反応が全く同じだ。


「おい、優夜。まさかノープランなのか?」


「んーまあね。だってさ、俺が強いって言ってもS級モンスターがうじゃうじゃいんだよ?正直言ってきつい」


「いや、そんな言い切られても困るんだが……」


「うーん」

ホーラとティーネは宿に置いてきたし、実際ここは最初は弱くても後が強くなるかもしれないし。


「ねえねえ、レベル上げをするってゆうのはどうかな?」


「駄目だ、レベル上げは時間がかかる。試験時間には限りがあるんだぞ」


「でもでも、何もしないよりは全然ましだよー」

俺の力でなんとか出来ないか……ボスはSS級指定だと思う。ボスに対抗するには……あっそういえば神聖魔法っていうのがあったな。あれってたしか……。


〜昨日宿〜


「なぁホーラ、この神聖魔法についてなんか分かったか?」


「優夜さんの期待に応えられるかは分からないですけど少しなら分かりましたよ」


「そうか。じゃあ教えてくれ」


「はい。神聖魔法はそもそもこの世界には存在しない魔法なんです。では何故それを優夜さんが持っているのかはまだ判明していません。次に神聖魔法の威力について神聖魔法は基本どんな相手にも通用します。そして神聖魔法の威力は勇者適性が多ければ多いほど強くなります。だから優夜さんが使うとものすごい威力になると思いますよ」


〜現在〜


「なぁグレン、ミル聞いてくれ。賭けだがダンジョンを攻略できる可能性はあるぞ」


「なんだ?」


「俺の神聖魔法を使うんだ。神聖魔法は――」

俺はグレンとミルに昨日聞いた話を言った。


「優夜に勇者適性が……いや今は良いか。分かった、優夜を信じよう」


「ミルも賛成だよ」


「うん。二人ともありがとう」


「じゃあ行くぞ」


〜ボス部屋前〜


「案外楽に行けたな」


「だね」


「おい、ミル、優夜、油断は禁物だぞ。次はボス戦だ気を引き締めろ」


「よし。じゃあ開けるぞ」

俺が重々しい鉄の扉を押すと扉が開き暗い部屋が現れた。


「行くぞ」

俺達が部屋の中に入ると部屋の蝋燭に炎がつき部屋が明るくなる。そして奥の玉座に座っているボスの姿が見える。4本足で見た目は亀に似てるな。


「あれがボスか」

おいおいミノタウロスですらデカかったのにこいつはミノタウロスの2、3倍はあるぞ。くそ、こんな時にホーラがいれば弱点が分かって、ティーネがいれば心強いのに。いや駄目だ。そんなこと考えたらミル達に失礼だ。ミルもグレンも十分心強い。


「……い…夜……おい優夜、おい優夜!」

グレンの言葉ではっと我に帰る。


「ごめん。少し考え事をしてた」


「ちゃんとしろ。ここはもうボス部屋の中なんだぞ」


「分かってる。あいつが動かないならこっちから行くぞ」

俺が動き出そうとしたその時だった。


「グオオオオオアアアアア!!」


「「「!」」」


「全員攻撃に気を付けろ!」

俺がみんなに指示を出した瞬間ボスが俺達に突進してくる。


「散開!」

その言葉と同時にみんなは散らばる。

あのボス、結構な速さだな。


「次来るぞ!」


「きゃあああ!」


「ミル!大丈夫か!?」


「大丈夫だよ!」

くそ、このまま避けてても時間の無駄だ。何かチャンスがあれば……。

そう考えてた時だった。

ずどーーん!!


「ぐああああ!」

くそ、足をやられたか。


「優夜くん大丈夫!?」


「大丈夫だ!だけど足をやられた。少し時間が欲しい」


「分かった。グレン兄さん行くよ」


「おう」

ありがとう二人共。今のうちに回復しないと。

俺は腰に付けてあるホルダーからポーションの瓶を取り出すとそのまま飲み干す。口の中に苦い味が広がる。その瞬間俺の足から痛みが消えていく。


「よし」


「みんな!もう大丈夫だ!」


「「分かった」」

そしてミルとグレンが近づいてくる。


「おい優夜どうする。攻撃しようにも攻撃する隙が無いぞ」


「いや隙ならある。けど二人共10秒でいいからあいつの動きを抑えて欲しい」


「分かった10秒だな。ミル行くぞ」


「うん」


俺はグレン達が抑えてるうちにあいつのどこか柔らかそうな場所に魔法をぶち込む。

よしここだ。


「優夜!抑えたぞ!」


「ありがとう!そのまま持ち堪えてられ!」


「神よ、我の魔力を糧にその力を今ここに解き放て」

『セイクリッドアロー!』

俺は呪文を唱えるとボスの横腹目掛けて今打てる最大の魔法を放つ。

ボスに当たるとしゅどーん!と大きな音と共にボスが倒れる。


「おっしゃあ!」


「すごーい優夜くん。一撃でボスを倒すなんて」


「二人共ありがとな。二人のお陰でボスを倒せた」


「優夜。宝箱を開けるぞ」


「おう、そうだな」


「ほら、優夜開けろよ」


「うん」

ボスを倒すと出てきた宝箱を開けるとそこには王冠が入っていた。


「「「え?」」」


「なんで王冠?」


「そんな事を聞かれても知るか」


「まあとりあえず優夜、貰っとけよ」


「いいのか?」


「ああ、それにこれはもともと優夜の試験なんだからな」


「じゃあありがたく貰っとく」


「よしじゃあギルドに戻るか」


「ああ、そうだな」

なんかめちゃくちゃ疲れた気がする。神聖魔法を使ったからか?まっいいか。これで明日から正式に冒険者だな。

【投稿予定】

12/23 12.優夜ようこそ冒険者ギルドへ!

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