?月?日 脱出
地名を考えるのって難しいですね。
?月?日
「...おい 今のなんだよ。」
「...魔獣ガルムよ。」
「いや、それはもう分かっているから!!...この会話もう三回目だよ!?...さっきの頭おかしい威力のパンチのこと...ガルムって何ぞ?」
「タナカ大魔王が未知の技術で生み出した生物よ。群れで行動するんだけどさっきのようにごく稀に少数で発見されることがあるの。単体ではそれほど強くないんだけど、固有能力がね如何せん厄介なの。」
「...へー...」なるほど。分からん。
...タナカ大魔王ってなんだよ。ネーミングセンスがないやつだなぁ...
「あとさっきのパンチ...キューティーラブラブアタックは街に帰ってから話すわね。ほら、どうやら出口みたいよ。」
木々の幹の間から木漏れ日がこちらに差し込んでくる。
あれ以降何事もなく森から無事脱出した俺たち一向。
目の前には美しい田園風景が広がっていた。
黄金色に輝く作物は風にそよぎ、波打っている。
「...綺麗だな。」
勝手に口から言葉が漏れていた。どこか荒んだ心が洗い流されるような風景。
「...そうね。」
この美しさを表すには言葉はいらない。いや、言葉に表すことができないほどの美しさ。
静寂が身を包み、一陣の風が体を撫でる。
「!?おい、ここってニメ=フルフィアじゃねぇか!!森を突っ切ってしまってるじゃん!!」
と叫び、自然の美しさを楽しもうぜ!という雰囲気をぶち壊したのはシルフィン。
うん。なんというか...少しは落ち着こうぜ?
「...あら本当。困ったわね...」
「さっさと もと来た道を通って、ヴィグリッドに帰ろう。」
とシルフィン。
「そうね。そうしたいのだけど...この子がいるしねぇ...」
とこちらをチラリと見るスミス。
...あっ...これもしかして俺二人の足手まといになってます?なっていますね。ガルム戦で大体察してました。
シルフィンのこちらを睨む視線が痛いこと痛いこと。
「別にいいだろそんな奴。今朝のような寒さの中でも生きているんだから。野垂れ死することないでしょ。多分。絶対。」
うん。本当に俺の扱いひどいね。
「だめよ~シルフィンちゃん。そんなことを言ったら。そんな顔しないの。かわいい顔が台無しよ?」
「...すっげー嫌そうな顔...。」
シルフィンを見ると「めんっどくさ...」と言いたげな顔でこちらを見ている。
「それにね、シルフィンちゃん。食料も無くなったし、結局あの街に行かないといけないのよ。」
「...なんでさ。森に入る前にあれほど食料買い込んだじゃん。」
「森に入る前に買い込んだ食料を半分くらいシルフィンちゃんが食べちゃったけどね。」
「...早く街に行こうか。」
そう言い残し、シルフィンはスタスタと足早に畑の真ん中にある小道を歩き出す。
白髪の少女を先頭にして進む図体のデカいオネェと露出狂という奇妙なパーティーは街を目指して歩く。
目指すは始まりの街、「ニメ=フルフィア」
ハイどうもこんにちは!!おっさんでございます。
端折りに端折りまくり何とかして森を脱出することに成功しました。
...話すことがなくなった...(今回はそれほどギャグパート多くなかったですし。)
どんな意見・感想でもお待ちしております。
それではまた次話でお会いしましょう。それではまた!!