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第4話
3年後──。沢尻は仕事を終えた足で新規オープン間もないうどん屋に立ち寄っていた。
「いらっしゃいませ」
店長らしき男が愛想よく出迎える。沢尻は空いている席に座ると、卓上のメニューに目をやった。
「おっ!」
好物の味噌煮込みうどんがあったので、それを頼むことにした。
「何にしましょう?」
「味噌煮込みうどん1つ」
「かしこまりました」
沢尻は美味しそうな匂いに心躍らせながら、うどんが茹で上がるのを待った。
「お待たせしました」
湯気が立ち、テーブルの上に置かれてもまだグツグツと煮えているうどん。沢尻はあふれ出す唾を飲み込みながら、箸を割る。水を少しだけ口にして、いざ味噌煮込みの世界へ飛び込まん。
「……美味い!」
思わず声に出してしまうほどの美味しさであった。沢尻は夢中になってうどんを啜り続けた。
そして絶品の味を汁まで平らげた沢尻は会計を済ませる。
「ご馳走さん、また来るよ」
「ありがとうございました」