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第3話

「死因が判明しましたよ、沢尻さん」


 現場に待機していた沢尻に向かって、小柄な男はそう告げた。


「腹部からの出血多量によるショック死だそうです」


「……そうか」


 沢尻の頭にはすでに犯人像が思い浮かんでいた。血塗りの包丁、調理されたうどんの入った土鍋、土曜日、金庫とレジから盗まれた現金、老舗。ここから導かれる真実はただ1つしかない。だが、一体誰が犯人なのか?


「包丁からガイシャ以外の指紋は出たのか?」


「1人だけ出ましたけど……」


「一致する者なし、か」


「……はい」


 このとき沢尻は長丁場を覚悟したが、いつかホシを挙げられる時が来るであろうことを予感していた。

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