ななちゃんのいちご柄の傘
『あめ…ふるかなぁ』
ななちゃんは空を見上げています。
『なな、お天気良いわね。お洗濯日和』
ママはななちゃんの様子を微笑ましく眺めながら洗濯物を干しています。
『まぁま』
ななちゃんは、洗濯物を干しているママに声をかけました。
『なあに?』
洗濯物を干す手を止めて、ななちゃんの目線に合わせて向き合いました。
『まぁま、あめふる?』
お日様キラキラいい天気の空を見上げてママに問いかけました。
『なな、今日はお日様キラキラの日よ』
ママはななちゃんに説明します。ななちゃんは、ほっぺをぷぅっと膨らませてお空を眺めている。
その様子を見ていた、お姉ちゃんのかなちゃんがパパに声をかけました。
『パパ、雨降らしてあげたいね』
かなちゃんは、ななちゃんの望みを叶えてあげたくなりました。
ななちゃんはパパに買ってもらったななちゃん専用のいちご柄の傘を使ってみたくてお空を見上げて雨が降るのを心待ちにしています。
ふたりの娘の希望を叶えるためにパパはふたりが喜ぶことを考えました。
『なな、お庭で傘を広げてごらん』
パパはななちゃんに声をかけました。
『はぁ~い』
ななちゃんは嬉しそうにお庭の真ん中でパパに買ってもらったななちゃん専用のいちご柄の広げて傘をクルクル回して雨の降るのを待っています。
パパはホースの水をシャワーに切り替えて雨を降らしてあげました。
『わぁーい、あめふってきたぁ』
傘をクルクル回してみたりぴょんぴょん跳び跳ねて喜んでいます。
『なな、良かったね』
かなちゃんがななちゃんに声をかけました。嬉しそうにしているななちゃんの笑顔はみんなの心にあたたかいものが溢れました。
ななちゃんのいちご柄の傘は、お庭に干してもらいキラキラしたお日様に照らされ優しさでできた雨粒が乾いていく。