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6話




 処刑を待つ罪人とはこんな気持ちなのだろうか。


 手足は縛られておらず、自由だが、周りには山賊のような男たちが武器を手に持ち僕たちを囲んで歩いている。


「おいどういうことだ。何故みすみす捕まるようなことをした」

 

 モーツァルトは今にも襲い掛かりそうな形相でこちらをにらんでいる。


「ふむ。なるほどな。彼は正しい判断だ」


「どういうことだ。ダーウィン」


「簡単なことだ。闘うことも逃げることもできないのなら交渉をすればいいだけの話だ」


「だがその場で殺される可能性もあったんだぞ」


「その心配はないだろう。奴らの行動を見てみろ」


「なんだと?」


「今もそうだがちゃんと隊列を組み、辺りを警戒した陣形で進んでいるうえに、私たちを捕える時も役割を決め綿密に包囲網を作っていた。このことからこいつらのリーダーは相当頭の切れる奴だろう」


「こいつはそれをわかった上で降伏したっていうのか?」


「だろうな。こちらにも相当頭の切れる奴がいるということだ」


 納得は言ってなさそうだが、しぶしぶこちらを睨むのをやめた。


「確かに嘘はついていないようだな」


 その言葉を聞いてダーウィンは驚いた顔をした。


「驚いたな。君はうそを見抜けるのか?」


「おい。喋ってないでついて来い」


 前を歩いているトラのような仮面をつけている男に怒られた。

 

 山賊のような奴らに連れられたところは暗い洞窟のような場所の入り口であった。

森の奥に突然いかにもな洞窟が現れた。


「この中だ。来い」


 トラの仮面をつけた男を先頭に洞窟の中を進む。


 ――この洞窟はアリの巣のように張り巡らされているのか。洞窟は人工的に作られたような跡があり、照明も壁に取り付けられていた。


「ここに俺らの頭がいる」


 トラの仮面をつけた男に洞窟の奥に一つだけ扉のある部屋に案内される。


「お頭。森に入った侵入者を捕えてまいりました」


「わかった。下がっていいよ」


「へい」


 ここまで案内した山賊たちは部屋を出ていった。


 ――何だ、この部屋は?


 部屋の一面には大量の薬品の入ったフラスコや複雑な機器。書類が乱雑に置かれていた。その奥からフード付きの改造された白衣を着てフードを深くかぶったいかにもあやしそうな人が現れた。


「私の名前はフィリップス・アウレオールス・テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム。錬金術を研究している。初めまして英雄達」





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