表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/28

変速型と筋肉その2

巨漢は進んでいた、目的を果たすために。

目的は星下幻徒を捕獲する事だ。

前回の失敗を取り返す為に出向く事になった、最初から自分が行けば良かったと少し後悔している。

あんな考えなしに任せるのではなかったと、この間三人で話し合ったはがりだ。

「おい、止まれ。見ない顔だな、どこの部隊だ?」

考え事をしながら、歩いているとまた兵士に止められた。

「ん?」

視点を少し下に下げ、兵士の方に顔を向ける。

「丁度、良かった。私は人を探していてね」

「ちょっと待て。俺は部隊名を聞いたんだぞ?人の話を聞いて…」

何かを察ったかのような表情を作り始めた。

「おい貴様、侵入者だな。大人しく、投降し…」

巨漢が手で円を描く。そして兵士かせ宙に舞い、地面に叩き付けられ小規模のクレーターが出来た。

そしてその衝撃で爆音が鳴り響き、周りの兵士達が集まって来る。

「おい!あいつじゃないのか!侵入者って言うのは!」

一人の兵士が巨漢相手に指を指す。

「ん?」

その声の方向に顔を向けるが大して興味がないのが本音だが、どうも向こうの人間が私に興味があるらしい。

「おい!あんた、ここがどこが解ってんのか!」

随分と威勢だけ良い声が聞こえるが大抵の人間は直ぐに目の前から消えるのだ。

「ここは大日本帝国軍非科学部門でエリートが集まる場所だ、無事で逃げられると思うな!」

やはり思った通り言葉が出て来て目障りになって来た、今度は腕を少し強めに後ろに回す。

すると、先ほどまで目の前にいた兵士は一直線に宙に飛びそのまま落下する。

「お、おい!誰か、隊長達を呼んで来い!俺達だけじゃ、どうにもならない!」

兵士が一人また一人、蜘蛛の子を散らすように散らばって行く。

その光景を哀れで見ていたがその中で一人だけ恐れずに進んで来る兵士がいたのだ。

「てめぇか?俺の昼寝を邪魔したのは?」

鋭い眼光に恐れを知らぬ風貌に胸が高鳴る。

「昼寝?この状況で昼寝をしていたのか!度胸があるお人だとお見受けする!」

あまりの嬉しさに思わず、口が何時も以上に回る。

「あぁ!だからなんだよ?それよりあんた誰だよ軍の人間じゃいなよな?」

当然だと言って良い質問が飛ばされる。

「これは失礼した、私は剛斬力ごうざんりきと言う者だ。訳あって、ここに来たのだ。多少、荒くなってしまったのは謝罪する」

頭を下げ、自分した事を謝罪する。これは大人として、当然の事だ。

「ふ~ん、俺は天ノ雷火だ。で、何であんたはここに来たんだ?」

頭を上げて、質問に答える。

「人を探しているのだが…、星下幻徒と言う少年を知らないか?」

答えると相手の表情が急に険しくなり、身構えた。

「まさかあんた、あの魔術師の仲間か!?」

疑問を投げつけられ、少し困るが答えるのが紳士の務め。

「あの魔術師?火縄の事か、それがどうかしたか?」

質問に答えるとさらに険しくなり、その瞳には殺意が宿っていた。

「そうか、やっぱりな。幻徒をどうするつもりだ?」

どうやら、この兵士は目標の居場所を知っているらしい。だったら、尋ねるだけである。

「星下幻徒の居場所を知っているのか?知っているなら、教えてほしい」

尋ねて見るが、向こうの表情はあまりよろしくないようだ。

「あんた、俺の話聞いてたか?幻徒をどうするつもりだ!」

どうやら、向こうも質問をしている。答えるのが紳士だと言う者だろう。

「上からの命令で、確保または連行する」

質問に答えると、さらに表情が険しくなり鬼の形相になる。

「は?確保って、どういう事だよ?ふざけんてのか?」

真面目に答えたつもりだったが怒らせてしまったようだ。

「私は至って真面目だ。何か問題でもあるのか?」

相手は痺れを切らして、口を開く。

「問題だらけだろう!何が確保だ!痛い目に合う前に帰るんだな!」

「それは出来ない相談だな…」

口に出したど同時に声が聞こえた。

「雷火さん!無事ですか!?」

「馬鹿野郎!来るんじゃねぇ!」

目標が自分から来てくれた、これほど神に感謝した事はなかった。

自然に表情がゆるむ。


緊急事態発生十分経過。

「ん?」

緊急事態発生警報から幻徒と明は道場の中で待機しているが落ち着かない。

「どうした、星下?さっきから様子がおかしいぞ?」

先ほどから以前感じた事がある感覚が頭に走る。

しかもかなり強いのだ、これは手ごわい相手だと予測をする。

この感覚がどう言う物なのか、自分でも良く理解していないが敵が近くに存在するとこの感覚が走る。

この感覚はレーダーの役割をしているのではないかと勝手に思っている。

「明さん!」

「ど、どうした!?急に近寄るな!びっくりするだろう」

「あの、僕。外に行きたいんですけど、駄目ですかね?」

「命令を聞いてなかったのか!ここで待機していろと…」

案の定の言葉から、明の口から零れる。

「感じるんですよね、とんでもなく大きなものが近くいるんです」

「それはどう言う事だ?説明出来るか?」

「え?明さん、何も感じないですか?また、大きくなった。これは雷火さんの…」

「星下、まさか!?他人の魔力を感知出来るのか!」

さっきから明さんは何を言ってるんだ。感知ってどういう事だ。

疑問が頭を回るがそんな事を考えている場合ではない。

誰がは知らないが雷火さんと誰かが戦っている事がはっきりと実感出来る。

「明さん。僕、行きますね!」

明の言葉など無視して道場を後にする。

「ちょっと待て!私も行く!」


二人は非科学部門の敷地内を走っていた。

視界と耳に入って来る情報は荒れ果てた物で受け入れがたい。

「はっ、はっ…。星下、侵入者の居場所は解っているんだろうな!」

後方から聞こえる明の声に反応して返事する。

「は、はい!だいたいの位置は解ります。その前に装備を取りに行かないと!」

二人は第五部隊の宿舎へと足を向け到着するが、そこの周りも目を当てられないほどに酷い有様だった。

「これは酷い…。台風でも来たような後だな」

足元には、負傷した兵士が一人倒れていた。

「うぅ…」

その兵士に肩を貸して、声をかける。

「大丈夫ですか!?一体、何があったんですか!?」

「お、大男には…。気を付けろ…」

その言葉だけ言い残し、気を失ってしまった。

「大男?それが侵入者の事か?」

「おい!星下、向こうに何かいるぞ!」

この感覚は間違いなく、雷火の物だ。それと大きな感覚は間違いなく、侵入者だ。

「明さん…。この人を安全な場所へ、それと隊長に連絡をして下さい」

「お前はどうするつもりだ?まさか、侵入者と戦うつもりか!?」

宿舎に入る。その後ろ姿は明の瞳にどう映ったかは知らないが、これはもう決めた事だ。

「駄目だ!星下、危険だぞ!解ってるのか!これは上官としての命令だ!」

この叫びは幻徒に向けたと同時に自分自身に言い聞かせる言葉になっている。

明は赤い魔術師襲撃事件で自分の装備が遠距離で破壊されて以降、自信が無くなってしまった。

自分は魔力もほとんど持っていない凡人で強敵に挑む勇敢も今は無い。

だから、人一倍訓練をして来たつもりだ。でも今は無理なのだ。

今回は前回の魔術師が子供だと思えてしまうくらいの相手だ。

周りの状況を見れば、明には直ぐに判断出来る。

いくら、強きでいても明は凡人だ。

「大丈夫ですよ、何とかなりますよ。だって、明さんも雷火さんも付いてるんですから」

振り向き、明の方へ笑顔を向ける。

なぜか、胸が温かくなるのが実感出来た。

「わ、解ったこの兵士は安全な所へ運ぶ。ただ、無理はするな。直ぐに隊長達を呼んで来る」

幻徒が宿舎に足を踏み入れて、窓の外を見ると非科学部門の兵士が巨漢の男を中心に倒れていた。

その景色を瞳に映した時、奥歯を自然に噛んでいた。

あの大男の目的は解らないが一つの感情が生まれた。

あの『男』が許せない。これは理屈ではない、あれだけの人間が倒れて平気な神経でいられるほど腐っていない。

そんな事を考えていたら、無意識に大男の下へ走っていた。


幻徒の視界には大男と雷火の二人だけが映っていた。

この二人しか、そこにはいなかったと言った方が正しい。

「君が星下幻徒は!」

幻徒が雷火の傍に近寄ると大男は歓喜の声を上げる。

「そうだ、僕が星下幻徒だ!それで、あなたは僕に何の用だ?」

「おい!馬鹿正直に名乗ってんじゃねぇよ!」

直ぐ隣から、否定の声が聞こえるがもう名乗ってしまって後には引けない。

「私も名乗らなければならいな、私は剛斬力。訳あって、所属組織は言えない事を許して欲しい」

剛斬力と名乗った大男は身長二メートルはある大柄な体格で筋骨隆隆である。

そして、両腕の太さが赤子並みでその両手には宝石を散りばめたかのように緑色の輝きを放っていた。

「組織って…。組織でこんな事をしてるのか!あなた達は!」

剛斬が口にした言葉に怒りの感情が出てしまう。

これだけの光景を目の当たりにして、平然としている人間はいないだろう。

「こんな事?それはどう言う意味だ?あぁ…。周りに倒れている連中の事か?私の邪魔したのが悪いのだ」

自然に語る口調が我慢が出来ずに拳を強く握る。

「あなたは人を傷つけて何も感じ無いのか?」

「君は面白い事を言うのだね。これは私にとっては当たり前の事だよ、任務を妨害をしたのだよ?そんな事より、私と一緒に来て欲しい。あのお方が待っている」

表情一つ変えずに語るその姿に殺意すら覚える。

この男は許せない、それだけが頭の中をいっぱいにした。

無言で鞘から刀を抜く。そして、剛斬に向けて構えた。

「答えはそれか…。ならば、力ずくで連れて帰る」

剛斬も構え、そして右腕を力を入れて突き出す。

すると、見えない何かが幻徒達の直ぐ横を通り抜けた。

「何だ!?」

幻徒と雷火の二人は何も見えなかったのだ。

「どうした?向かって来ないのか?」

巨漢が重たい身体をゆっくりと全身させて来る。

その圧迫感は凄まじく、今にも息が止まりそうだ。

「言われなくても、向かって行くから安心しな!」

空間から、一本の槍が出て来た。その槍は金色に輝いていて、目に映す者を魅了する。

「面白い物を持っているな!さぁ、その力を見せてくれ!」

「そんなに見たいんなら、見せてやるよ!」

天空に浮かんでいる雲が割れ、雷が落ちる。

その光景はまるで、神の怒りそのものだ。

こんなものを浴びれば、普通の人間は骨も残らないだろう。

あくまで、普通の人間の話だ。

「これは素晴らしい!ゼウスの雷と匹敵する者に出会えるとは!」

敵は自分の周りに風で土を巻き上げて、笑っていた。

「めちゃくちゃな野郎だろうな。あの筋肉野郎!おい、幻徒」

「は、はい!」

呆然としていると、雷火の声が聞こえて反射的に反応する。

「あの筋肉野郎の気を俺から逸らせる事が出来るか?」

「え?やってみます。ですが、出来るかどうか…」

雷火の目が鋭くなる。どうやら、弱気な発言で機嫌を損ねてしまったらしい。

「ほんの少しで良い、時間を稼いでくれ。魔力を溜める時間がいる」

軽く会話をしている内にまた近づいて来る、恐怖を引きずって。

「解りました、出来るだけ時間を稼ぎます」

凜とした声は安心感を与える、これは第五部隊入隊前では考えられない事だ。

「今度は星下君本人が相手をしてくれるのか!これは楽しみだ!」

刃を向けられ、喜んでいるのはどう考えても狂人の類だ。

だがそんな事はどうでも良いのだ、今はこの敵が許せなかった。

あの男は自分の口で言ったのだ、自分の捕獲が目的だと。

だったら、最初から自分を狙ってくれば良いのに無関係の人間を傷つけた。

それが今、自分を動かす理由だ。

『魔力生成を開始します』

力一杯に刀を握り、敵に直進する。

「肉体強化か面白い!しかも、神速そのものとは!さすが、隊長達が目を付けた少年!」

刀を相手の頭に目掛けて、振り下ろすがまるで漫画の世界のように指二本で受け止められる。

「くっ…!」

この瞬間、幻徒が振り下ろした衝撃で敵が立っている地面が少しへこんだ。

「悪くない…。だが、まだまだ…」

そして、腹部に強烈な衝撃が走るのが痛覚を通して理解出来た。

「ぐう…」

視界に映る風景が高速で流れて行くが身体を空中で回転して、体勢を立て直す。

地面に着地した時、身体に痛みが走る。

「はっははは!その身のこなしは素晴らしい!」

剛斬が高笑いをしながら、突進して来る。

それに応戦するかのように突進する。

人の視力では追えない速度で二人は刃と拳をぶつけ合う。

ぶつけ合う中で相手は一滴の汗も流していない。

この時、感じたのは自分は人間に良く似た化け物を相手にしていると。

不味い体に負荷をかけ過ぎた、体中から警告音が聞こえる。

軋む、体が痛いと悲痛を歌う。軋む、視界が霞む。

軋む、息が上がる。軋む、軋む、体が軋む。

これが自分の限界だ。

「幻徒!そこをどけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

雷火の声が聞こえた瞬間、背後に猛烈な速さで近づいて来るのが気配で察知する。

「何!」

雷火が近づくと同時に数メートル後ろに下がる。

「至近距離なら避ける事も出来ないだろ!」

雷を纏った雷火が敵の懐に入り、全身から黄金に輝く光を放つ。

「くっ…。小癪なまねを…」

二人とも光に飲まれ姿が見えなくなる。


「はっ…、はっ…。奴は?」

視界が元に戻り、周りを見渡すが剛斬の姿が見えない。

先ほどの電撃で骨も消えたのか、いや近くに潜んでいる。

「雷火さん!上です!」

気づくと後ろに敵がいた。

「さすがに今のは危なかった…」

先ほど雰囲気が明らかに違う、背後でも感じ取れる。

「くっ!」

振り向こうとした、ほんの一瞬だった。

目の前にいた。振り向くまで、距離があったはずだ。

高速で斬り合いをしていたが移動は出来ないと勝手に思い込んでいた。

高速で移動が出来ないのではなく、しなかっただけ。

「私の足が遅いと思っていたのか?人を見た目で判断してはいけない」

この時、絶望の二文字が二人を襲う。

「お前が侵入者か?」

二人は何時も目にしている人物が立っていた。

どこから湧いて出て来たか知らないが、何時ものよう覇気の無い顔でそこにいた。

「隊長!」

「風斗さん!」

二人の中の絶望が希望へと変換され、喜びと安心の声に変わる。

「お前ら、ぼろぼろだな~。こいつにやられたのか?」

何時ものやる気が無い声で剛斬に指を指した。

「貴様!他人を指を指すとは無礼な奴だな!」

この言葉で一気に場の空気が変わる。

「無礼?お前が言う事か?人の家を土足で荒らして?」

覇気が無くだらしない表情が凛々しく、何時も半分閉じている目が鋭くなっている。

まるで全身に刃物を突きつけられている錯覚さえ起こしてしまう。

目に映っているのは別人だと思うくらいに。

「あ、あなたが星下幻徒の隊長ですか…。なるほど、確かにかなりの実力者だとお見受けするが相手が悪かった!」

剛斬は身体と右腕を力一杯使って、水平に振る。

するとその動きで衝撃波が生まれ、風斗に向かって放たせれる。

「避けてください!」

幻徒の声が届く前に風斗に風の衝撃波がぶつかり、土煙で姿が見えなくなる。

「相手が私では仕方がない。相手が悪かったのだ…」

「は?もしかして、俺が死んだと思った?」

土煙が晴れ、その中で右腕を突き出し手を開き立っていた。

「な、な、何だと!あれをまともに喰らって、立っているのか!」

「え?もしかして…、あれくらいで俺が死ぬと思った?あんなの準備運動にもならねぇよ」

剛斬は脅えた表情で両腕を突き出し、再び衝撃波を生み出し風斗に向かって放つ。

剛斬が生み出す衝撃波はソニックブームが起きる速度と同じである。

だが風斗は衝撃波が放たれた瞬間、左足を使って避ける。

「何!?」

さらに右足を使って、剛斬力の懐に入る。

「お前の魔力。全部、返す」

この瞬間風斗の右腕を突き出し、巻いてる包帯が全て解けて色白の腕が現れる。

そして、身長二メートルある巨体が一直線に吹き飛ぶ。

「がはっ!」

その光景を幻徒と雷火は唖然として、眺めてる事しか出来なかった。


壁にもたれかかって起き上がる事が出来ない身体で顔を上げ、一つ思い出した。

あの身体と合わない右腕と整っていない髪型。

あれは十年前、姿を消した『魔女狩りの悪魔』。

その通り名の由来は魔術師相手の場合、傷一つ負わずにその姿が身体に返り血を浴びている事。

「ま、まさか…。お前は、魔女狩りの悪魔!?何故、こんな所にいるのだ!?十年に死んだはずだ!?」

先ほどまで顔色を変えなかった男が子供のように脅えている。

「その名前、久しぶりに聞いたな。そんな事はどうでも良い、人の土足てせ荒らしたけじめはつけてもらう。それにお前には聞きたい事が山ほどある」

風斗が一歩づつ、近づいて行くと。

「風斗さん!危ない!」

いきなり、幻徒が叫び出す。

「何だ!?」

突然、風斗が立っている地面が生き物のように動き出し土煙を吐き出す。

それと同時に間一髪でかわす。


視界が晴れる、その後の光景はついさっきと全く違っていた。

「誰だ、お前は?」

風斗は思わず声を出してしまった。それもそうだ、さっきまで巨体が倒れていたのだから。

何が起こったのか知らないが、風斗と差ほど変わらない男が自分の倍ある大男を片手で担いでいる。

「久しぶりだな、八雲…」

この氷のような声と表情はどこかで見たことがある。

「土本!?何で、お前がその男を!?」

風斗も混乱しているようだ。

「いずれ、会おう。その時は必ず、その少年を頂く」

「お、おい!待てよ!」

風斗が声を出すがそれも空しく煙のように消えてしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ