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始まりの足音

西暦千九百四十五年第二次世界大戦終戦直前の大日本帝国首脳官邸。

「陛下、ご報告があります!」

一人の日本軍人が慌てた様子で部屋に入って来た。

「どうした?」

その口は何も焦りが無い、堂々とした口調だ。

「べ、米国軍が・・・か、核兵器を我が国に使用すると!」

「「何!!」」

そこにいる、軍人達が一斉に声を揃える。

「馬鹿な・・・、米国め血迷ったか!?」

「我々が降伏しないと知っての暴挙か!」

ここにいる軍人が誰もが核兵器の恐ろしさを知っていた。

だが、一人だけ冷静に堂々としている人物が怖気ずいている軍人達に一言だけ口を開く。

「慌てる時ではない!貴殿らは誇りある、大日本帝国軍の軍人が!こんな事では国民達に示しが付かんぞ!」

「「申し訳ありません!天皇陛下!」」

この一言で場の士気は高まった。

「あれを使え」

天皇が口にした

「お言葉ですが、陛下・・・。あれを使用するのですか?国民達、いや、全世界に・・・」

「そんものはどうにでもなるだろう!国民達の記憶は操作すれば良い!」

「は!」


日本上空では核爆弾が搭載されている、米国所属の戦闘機が広島上空に入っていた。

この時の米国所属の空軍兵士は自分の目を疑った、確かに爆弾を投下したはずだ。

そのはずだったのだが、一瞬の内に視界が光で遮られ見えなくなってしまった。

そして、気がつくけば日本空軍の滑走路に着陸していた。

米軍兵士は混乱していた。自分が操作していた、戦闘機が勝手に日本の領土に着陸していたのだ。

それに周りには、日本軍は大勢いたのだ。この時確信した、自分は生きて帰れないと…

「大丈夫だ、危害は加えない」

この時思考が一瞬停止した、自分が考えていた事は正反対の事態が起きている。


この後米軍兵士は無事に祖国に帰還を果たし、会見で口にした。

「我々は誤解していた、日本はとても素晴らしい国だ!」

この会見の数日後、アメリカ合衆国と大日本帝国は和平条約を結んだ。

そう、まるで魔法にでも懸かったかのように。

これは千九百四十五年八月十五日の出来事である。


時は流れて、西暦二千二十年大日本帝国帝都大学付属帝都高等学校。

「この用にして、我が国とアメリカ合衆国が和平条約を…、こら!星下!授業中に居眠りとは何ごとか!」

「いてっ!あ、すいません。良い天気なもので…」

日差しがちょうど良く当たって、うたた寝をしてしまったらしい。

歴史担当の先生が目くじら立てているがそんな事は気にしない。

「まったく、お前は誇り高い日本帝国男子だと言う…」

何時ものお説教が始まると同時に授業が終わる、放送が教室に響き渡る。

「仕方ない…。お前達良く予習しておくように、試験に出るからな」



「なぁ~、幻徒。お前って良く授業中に寝るよな」

「別にわざとじゃないんだよ。日差しが気持ち良くって」

星下幻徒ほしかげんと大日本大学付属高等学校一年一組、年齢十五歳。

容姿は中肉中背、髪型は目にかからない程度の長さである。

特にこれと言った、特徴は無いが誰にも優しい性格の持ち主である。

平凡と言う言葉が似合うのだが、一つだけ幼い頃から気になる事が彼にはあった。

たまに妙な夢を見る事がある。

「なぁ~、虎雄。また、見ちゃったんだよね…」

「え?また例の夢か?」

佐々木虎雄ささきとらお幻徒と幼馴染であり、同じ学校で同じクラスである。

身体は筋肉隆々、髪型は短髪である。性格は男が惚れる男である。

入学して間もないが、学校全ての運動系の部活から勧誘されている。

「昨日は、戦場?たぶん、戦場で戦ってたな」

「う~ん。原因は解らないだろ?」

幻徒は幼い頃から、見る夢が他人とずれていたのだ。

人が十字架に貼り付けられたり、人々を導き戦場に行ったり、教会で祈りを捧げたり。

当時、両親が心配になり医師に診断したところ、以上は無かったと言う。

何時ものようにくだらない話としていると、クラスの女子が話声が聞こえて来た。

「昨日のテレビ見た?」

「見た見た!あれでしょ!切り裂きジャックの復活ってやつでしょ!」

「この辺にも出たって話しだよ~」

「怖いよね~」


「女の子って、オカルトが好きなのかな?」

聞き耳を立てていた、幻徒が反応した。

「そうなんじゃなね~の?それより、今日の帰り第一のゲーセン行かね?新作の格ゲーが出たんだよ!」

この提案に幻徒は嫌な顔をせずに首を縦に振る。


日はすっかり落ちて茜色に染まる頃、帝都大学付属高校は帰りのホームルームの時間である。

「特に話す事は無いんだが。皆、知っていると思うが最近、怪奇事件がこの近辺に起きている。

ニュースやテレビでは切り裂きジャックだとか言ってるが、被害者は男女問わず夜に襲われているらしい

何時我が校の生徒が襲われるか解らんから、一週間の部活禁止と言う判断を学校側した。

だから、学校が終わったら直ぐに家に帰れよ。先生達も繁華街とか見回るからな」

この話を聞いていた、教室の生徒達は一斉にこう思った事だろう。

自分には関係にないと、虎雄と幻徒も大人の耳障りな小言だと耳に入っていなかった。


大日本帝国の人口は第二次世界大戦が終戦を向かえ、高度成長期を迎えると同時に急激に増大していった。

それに伴い大日本帝国政府は自分達が管理し易いよういに帝都の区画を大きく四つに分けた。

若者達や一般人が暮らす、第一区画。小中高学校と大学が密集している第二区画。

企業と研究所が集まる第三区画。国会議事堂など政府機関・警視庁・大日本帝国軍総本部がある第四区画。

ただし、第四区画には一般人が入れない場所が一箇所だけある。


第二区画から、第一までの移動時間は電車で約二十分。

「第一区画、第二番地。第一区画、第二番地。降りるお客様は足元におきよつけください」

電車の車内放送が流れ、乗客は降り始める。その中には学生で溢れ返っていた。

「いや~、五月にもなると電車の中暑いねぇ~」

「しょうがないんじゃない?ちょうど、学校の終わる時間がかぶるだし」

他愛無い会話をしながら幻徒と虎雄は、駅の階段を下りて行った。


第一区画。東京に住む都民が全て、集められている。

主に第一区画は三つに分けられている。都民が暮らしている、第一番地。

繁華街が密集している、第二番地。宿泊施設・高級料理店が連なっている、第三番地。


幻徒と虎雄は目的である、ゲームセンターを目指し第二番地を歩いていた。

繁華街の中は学校帰りの学生が多く込み合っていた。

足を進めていると何となくだが、幻徒は何か違和感を感じていた。

誰かに見られている…

周りには表情に笑みを浮かべて友人と歩いてる学生達しかいないはず。

「どうした。幻徒?」

虎雄の声に我に帰る。

「い、いやなんでもないよ…」

「そうか?じゃ、行こうぜ。目的地は目の前だ」


足を踏み入れたゲームセンターは夕方とあってか、学生で賑わっていた。

しばらく店内を歩き目的のゲーム機があったのだが、その周りには学生達が囲んでいた。

「うわ、凄い人集りだね…」

「そうだな…」

虎雄の目的であったゲーム機は人気の機種らしく、直ぐには出来そうにない。

そもそも、虎雄がプレイしたがっているゲーム機は従来のゲームとは違う。

二千二十年になってからの日本の一般大衆向けのゲーム機は進化しているらしく、

今まではコントローラーが必要だったが、近年はコントローラーが不必要な物が登場した。

プレイヤーは高さ三メートル横二メートルの円状の設置式機械に入り、

その中には全身を映すおよそ一メートル八十センチモニターがあり、

そのモニターにプレイヤーが登場し、ゲーム内でのキャラクターを設定をする。

設定完了後、ゲームプレイ開始である。

「これ、格げー?」

「あぁ、そうだな。確か、そうだったはず…」

自信がなさそうに虎雄は口のだが、その時だった。

人混みの中に歓声が巻き起こる、その中に二人は入っていった。

「すげぇ…」

虎雄は口を開くなり、驚きの声を上げた。

そこには巨大モニターがあり、各プレイヤーが映し出され戦っていた。

「へぇ…」

二人がモニターを視界に入れると…

「KO」

巨大モニターに内蔵されている、スピーカーから声が店内に響く。

どうやら、ゲーム内での勝敗が決したらしい。

「すげぇな!俺も早くやりてぇな!」

「うん!最近のゲームはすごいね!」

二人は自身の瞳を輝かせ、巨大モニターを視界に映す。

「ただいま、一人勝ち抜き中。対戦者募集中」

言葉が音声機能で発せられ、巨大モニターに文字が表示される。

「誰もしないのか?」

周りを見渡すが誰もゲーム機の中に入ろうとはしなかった。

「そうみたいだね…」

二人は首を右往左往する。その時、虎雄の口が開く。

「じゃ、俺がやろう」

口にするとその足をゲーム機に向け、機械の中に入る


「うわぁ、すげぇな。最近のゲームは!」

画面には硬貨を入れて下さいと言う、表示があらわれる。

硬貨入れ、自分自身がモニターに映し出される。

「キャラクターを設定してください」

「そうだな…、とびっきりのイケメンにするか」

人物設定が終了するとゲームが開始された

「うぉ!始まった!これどうすれば良いんだ?これまさか…」

対戦相手が迫ってくる。今日、初めてこのゲームをプレイする虎雄は焦っていた。

「うりゃ!」

右手を力任せに突き出す。

「う…」

「え?」

相手が一瞬怯んだ、それと同時におそらくライフゲージだろう。

画面の隅に相手のライフゲージが減ったのだ。

「まじでこれはすげぇ!」

ゲームの使用が理解したのか、適当に動いて見せる。

それは外から見ると、奇行とる人に見えるだろう。

たがそんな事を気にする、繊細な心は持ち合わせていなかった。

虎雄はコツを掴んだらしく、対戦相手をあっという間に倒してしまった。

その後、何人もの乱入者が現れたが倒してしまった。


「楽しかったな~」

「うん!すごかったね!自分の動きに反応するなんて…」

二人は最新のゲーム機を体験した熱が冷めないようだが、空はすっかり星で染まっていた。

「やべ、こんな時間だ…。悪い、先に帰るは」

「うん、じゃね」

虎雄は急に何か用事を思い出したかのように走って行ってしまった。

その後ろ姿を見送るが背中に冷たい視線を感じた。

「な、何だ…。やっぱり、見られてる。早く帰ろう」

幻徒は足早に駅を目指し歩き出す。


第一区画駅まで何時もなら徒歩二十分ほど到着するのだが、今日はいつもの雰囲気とは違っていた。

駅に向かうまで、通行人に一人が歩いていないのだ。これは明らかにおかしい。

二十分近く歩いているはずなのに、一向に駅に到着しない。

「え…、ここどこだ?」

次第に焦りで額から、汗が頬を伝わりコンクリートの地面に落ちる。

「やっと…、見つけてたぞ。人形」

「!」

余りにも突然の出来事で言葉を失ってしまったのだ。

目の前に現れたのは巨大な影であった。正確な大きさは混乱して把握できない。

「う、うぁぁぁぁぁぁ!」

余りの恐怖で腰が抜けてしまい、その場に尻餅を付いてしまった。

「だ、誰か!」

助けを呼ぶが空しく響く。今、精一杯出る力で全力で逃げた。

「ふぅ…」


「はぁ、はぁ」

何とか路地裏に逃げ込む事が出来たが、直ぐ近くにあの得たいの知れない巨大な影がいると思うと冷や汗が止まらなかった。

「ふぅ…、ふぅ…」

耳元にあいつの息使いと足音が聞こえてくる、まるで自分の死が耳元に迫って来るかのように

「行ったか…」

壁越しから様子を伺うが、あいつの姿は確認が出来なかった。

これで一安心だと、安堵する。

「に、逃げられると。お、思ったか?」

足元から、巨大な影が現れたのだ。これは本当に現実なのかと疑ってしまうくらいに。

本当はまだ自分はゲームをプレイしている最中なのだと、現実逃避をしてみるが無駄だった。

「ふぅ…」

影の口から漏れる冷たい息が顔に吹きかかる。

「うっ」

身体が恐怖で言う事を聞かずに尻餅を付き、自分の命はここで終わるのだと悟った、瞬間だった。

「見つけたぞ!切り裂くジャック!」

女性の声なのだろうか、正しく判断が出来ないがその声が聞こえた瞬間に銃声が鳴り響き。

影は目の前で消えてしまったのだ。

「え…」

未だに起きた、出来事が理解出来ずに尻餅を付いたままだ。

「おい、お前」

「え、あ、はい」

「立て」

冷たく響くその声は幻徒とを正気に戻すには十分だった。

「聞こえなかったのか?立て!」

「は、はい」

そこにはとても綺麗な女性が立っていたのだ。さっきまで、死の淵に立たされていたのを忘れてしまうほどに。

その容姿は、綺麗な黒髪に長髪で顔は美人であるが目は鋭く、怖い。

「私は大日本帝国軍非科学部門第五部隊所属、八雲明だ。星下幻徒君、君を保護する」

「は?」

この人との出会いが僕の本当の人生の始まりだった。



初めまして、ボサボサと言う者です。このサイトに投稿したのは、某小説のあとがきで知ったので、自分も小説を書いて見たいと言う思いつきで書きました。正直小説とは呼べるものとは思っていないのですが高校生の時に脳内に電波が駆け巡って、出来たのがこれです。

妄想の垂れ流しで文章もがたがたかもしれないですが、読んでくれら嬉しいです。


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