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蒼月の姫  作者: 一夜
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極寒の地

ひさしぶりの投稿です!


 極寒の地、アラスカ。

吹雪が荒れ狂い、周囲を見渡しても白、白、白と視界さえままならない白面世界。

そんな世界に不釣り合いな黒の甲冑を身にした騎士の姿が見えた。

 彼女(・・)は自身に弾け飛ぶ吹雪など気にもとめずに、ただ南へ向かっていた。


 が、そこで辺りの空気が変わり、彼女は表情を

変えずに歩みを止める。

 数十メートル先には黒い影が吹雪から垣間見え、より詳細に確認すればそれは、骸骨の面をはめ、四肢は這いつくばるように地に付けられている。それだけでソレは人外――異形の存在だと分かるだろう。

 その姿を見るや彼女は、面倒事になったかのように憂鬱そうに雪以外何も分からない空を見上げた。


 「……遠路遥々ご苦労な事だが、この通り私は急いでいる。生憎貴様と戯れる暇など無いのでな、帰るがいい」

 「フッ、そう言うな。(われ)とて世界をくまねく調べてようやくお前が拠点とするこの地を割り出したのだ。そしてここで合間見えた今、金輪際探し出すことなど出来ぬだろうからな」

 「…その誠意を評して次の刻に貴様と再開してやろう。だから現在(いま)は去れ」


 甲冑を鳴らせながら無視して歩みを始めたその時、男は這いつくばっていた右手を宙に振り上げた。

 

 「……ほぉ」


 歩みを止めた彼女は素直な感嘆を洩らした。  先程まで猛り狂っていた吹雪が、男の腕の一振りによって、初めから何も無かったかのように収まり始め、星空が見え始めたからだ。


 「残念だがそれは出来ん。お前の事が気に食わんのだ、四位よ!」


 先程から雰囲気は一変、骸骨の仮面越しからでも憤怒の表情を浮かべているのではないかと錯覚しそうな程に男の周囲からは殺気が放たれ始め、同時に世界が塗り替えられていく。


 「何故っ!何故お前程の吸血鬼が姫、姫とちやほやされているだけの軟弱な吸血鬼の一派に付く!?」


 辺りは暗黒の渦に蝕まれ始め、飲まれた針葉樹林は渦に押し潰され、折れ倒れていく。


 (……心象結界か。人間の魔術師とやらには禁呪中の大禁呪と、扱えるものがいるか分からない程だが……目の前のように上位の吸血鬼は当然のように具現化出来る。驚くような事でもあるまい。そんな事より聞き捨てならんな) 


 「貴様の言う通り、確かに姫様は私より弱い。だがそれだけだ。あの方には貴様程度では到底及ばぬほどの威光があり、私にとっての光だ

 「つまらん。つまらんぞ四位!何と言おうとあの女は人間を裁定し、見守るべき存在であるとほざく戯け者だ。そんな──」

 「時間の無駄だな……」


 聞き飽きたと、黒の騎士は今度こそ歩き出す。

 が、途端に全身に押しつぶされるような重圧が襲いかかった。


 「ここは我の世界『呪圧の黒怨』の中だ。下手に動けば呪いの重圧に飲まれるぞ」

 「お喋りな事は結構だが私は言ったぞ。────貴様と戯れる暇なぞ無いとな」


 瞬間、男の背中から黒い刀身の剣が突き出た。

 男は何が起こったのか分からず呆然と胸から背中に突き刺さった剣を眺めていたが、口から血を吐き出した瞬間理解した。


 「言っておくが姫様はお前よりは強い。ああ、それと私の事は吸血鬼ではなく吸血種と呼べ。それに私には四位ではなくリエル・ディーテ・ジュエルレイグという名前がある。覚えておくんだな、第十七位」

 

 死んだらそれも無理だがな──そう言って吸血祖第四位リエル・ディーテ・ジュエルレイグは歩みを再開した。

 行く先は日本、自らの主アイルレイム・フューノシアの住む古城。彼女の恋人である少年がどれだけ成長したかをも密かに楽しみにしていた。


 

頭が働かなくて短いです。

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