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雨宮高校の不思議な話。  作者: 敷儀式四季
第二部:<咲乃と久遠>
8/37

第一話:脇役主役。

さて

咲乃と久遠編、ようやくスタートです!


この話が一番作りにくかった気がしますね…。

 私は、極めて普通の女です。

 テストを受ければ平均点、走れば平均、投げても平均の、キング・オブ・普通なんです。

 物語で言えば脇役的な存在です。

 委員長みたいな人とは違う。

 そんな私が極めて普通に恋をしました。

 恋をした彼の名前は久遠くおん零次はじめ君です。

 私は普通に恋を心に募らせていきました。




 ただし、彼は圧倒的に普通では無かった。

 彼は社会的に主役となるべきような人間だったのです。





「あ、あの、久遠君!!」

「何?」

 私は彼を追いとめた。


「その……、良かったら、文……」

「文?」


 いけない。

 深呼吸深呼吸。


「文化祭、一緒に回ってくれませんか!!」



 今日は10月12日(金)

 文化祭まで後八日という時だった。



 私、咲乃さきのりんはこの日一世一代の大勝負をしました。

 久遠零次君を文化祭に誘ったのです。



「そうだな、別に良いけど?」


 その答えはなんとOK。

 人生最大の賭けに勝ちましたよ!!



 それから一週間。

 気になって楽しみで全然眠れない夜が続きました。




そして文化祭当日。


「久遠くーん!!」

 彼は携帯をいじりながら正門前で待っていた。


「ん、来たか。」


 この後、彼と普通に文化祭を回りました。


 どんなことしたのか?


 普通ですよ?


 お化け屋敷に行ったり、模擬店でラーメンを食べたり。

 そういえば軽音部のライブも見ましたね。

 すっごく綺麗な人がいたんですよ!!


 あれ、誰だっけ?


 木賊君も誰だって聞いてきたんだけど…。



 正門前、時間は夕方だった。

「ふむ、今日は随分と楽しかった」

「そうなの!? ありがとう久遠君!!」

「そうだ、家まで送ろうか?最近通り魔がいるらしいし」

「いいの!?」


 これは驚きの展開。

  帰るところまで一緒だよ!!



 ここで、私は久遠君の凄さを思い知ることになる。



「爺や。全部終わった。車はどこにある?」

 爺や?

 お爺さんなのかな……。

 それに車ってどういう……。


 その答えはすぐにやってきた。


 ブゥンと黒くて長い車が正門前にやってきた。

 これってリムジンって奴じゃないのかな?

 すぐにリムジンのドアが開かれて、おじいさんが出てきた。

 すごく親切そうな人だった。

 するとその人は後部座席らしきところのドアを開け、こちらを向いた。



「ぼっちゃん、お帰りでございますか。して、そこの彼女は?」



 ぼっちゃん?

 誰のことだろう。



「爺や、僕のことは零次と呼んでくれと言っただろ。彼女は俺が家まで送ろうと思う。お願いできる?」

「無論でございます。零次様」



 いやうすうす分かってたんだよ?

 模擬店で万札とか出してたもん。

 でもここまでだったの?


「ほら、乗るぞ」

「え、ちょ、ちょっと!!」

 結局彼に連れられるように、リムジンに乗せられた。


 そしてリムジンで帰宅。

 私の家族もあんぐりと口をあけて驚いていた。


「ちょ、アンタ何よあれ!!」

「おねぇちゃん……、ぱないの」

「家族会議よ!!」

 結局久遠君にさよならも言えず別れてしまった。


 実感したことがある。

 久遠君はお金持ちで主役。

 私はただの庶民で脇役。


 彼には、もっとつりあいになりそうな人がいるんじゃないのかな……。

さて、今回は人外的な人は出てこないので、少し薄いかもしれませんねー。


では今回も一週間短期連載でどうぞー。

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