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雨宮高校の不思議な話。  作者: 敷儀式四季
第四部;<榊原と望月>
25/37

第三話:飛び降りる少女、巻き込まれる俺。

昨日は文法的におかしなところを直していました。

 次の日、すなわち10月23日(火)。


 いつもどおり登校して1年4組に入り、ある程度友達と話して席に座る。


 そして授業を受けていた。

 昨日会った女の子のことをとりとめも無く考えたり、帰ったら何しようかとかも考えていた。


 三時間目の前の休み時間に、突然事件が起こった。


 次の授業は数学か、面倒だなぁ。

 そう思いながらバッグをあさっていると、隣の席に男がやってきた。


 どうやら話の感じからして女子の方が少し怒っているようだ。

 確かこの人は葛城さん……、だった気がする。


 すっごく綺麗な人だけど、トゲがありそうって言うか、普通なら会話しに行くような感じじゃない女子だった。


 よく話かけに行く勇気あったなこいつと思いながらやっぱり数学の教科書を取り出そうとバッグを見ようとしたとき、教室に幼い女の子の声が響いた。


「見ぃつけた♪」

 見ると、教室の扉の先に赤黒ローブの女の子、巫女ちゃんが立っていた。


 本当に俺に会いに来るとは。


 でも、巫女ちゃんの学校はどうなっているんだろう。


 隣の席の葛城さんは何故か慌てだした。

 何かあったのだろうか。


「ってあれ? 真祖さんまで? これは大手柄かも。まことのおかげかな」

 巫女ちゃんは俺に走って近づいた。


 真祖?

 一体何のことを言ってるんだろう。


さん、倒させてもらいますっ! って、あれ? さっきまでここに居たのに……」

 巫女ちゃんは俺の隣の席を見る。


 どうやら俺に一瞬気をとられたときにどこかに行ってしまったらしい。


「……? 見間違いだったのかなぁ?」

 巫女ちゃんはそのまま教室から一度出て行った。


 一体彼女は何をしにここに来たんだろう。


「って、見間違いな訳ない!!」

 数秒後、巫女ちゃんが戻ってきた。


 その間に、さっきまで隣にいた男までいなくなってしまっている。

 二人ともほんの短時間でどこに消えたんだろうか。


「きっと真祖さんは……」

 巫女ちゃんは急いで俺の隣の席にまで来ると、窓の外を覗き込んだ。


「やっぱり!!」

 何かを発見したようだ。


 とりあえず、話しかけてみようか。


「よっ。一日ぶりだな」

「ん……、まこと?」

「お前また随分と早い登場だったな。忘れる暇すら無かったぞ?」

「そう、まこと!! あなたに恩返ししようと思ってたんだけど、ちょっと後回しにしていいかな?」

「ん? 何かあったのか?」

「うーん……、これって言っていいのかなー」

 急に巫女ちゃんは悩みだした。


「何かあるのか?」

 気になって聞いてみる。


「とにかく、私は追っかけなきゃならないから!!」

 望月はそんな榊原の質問を無視して言い残すと窓から三歩ほど下がった。


「……?」

 まだこの状況では望月が何をするか分からなかった。



 すると、望月は思い切り走って窓の外に飛び出した。

 


「――!? 危ねぇ!!」

 行動の意味はよく分からなかったが、とにかく飛び出すなんて危険なので腕を掴んでこっちに戻そうとした。


 やはり咄嗟に動いたこともあり、少し足場が心もとなかった。

 また思いのほか腕を強く握っており、望月の飛んだ勢いもかなり強かった。


 結果。


「あ、あらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 巫女ちゃんに引っ張られ俺まで一緒に落ちてしまった。


 飛び出したはずの窓がどんどん遠ざかっていく。


 地面が上から降ってくるみたいだな。


 窓からはキャアァァァ!! という悲鳴も聞こえてきた。


「ちょ、馬鹿じゃないの!?」

 巫女ちゃんも思わず叫ぶ。


「一般人とか今気にしてる場合じゃないわよね……。かったるい神とかも一応隣人愛とか無償の愛とかほざいてるし」

 一瞬口調がぶれたような気がするが、榊原には聞こえなかった。


浮遊ホバリング

 落ち着いた声で望月は言うと、二人は身体が軽くなったようになり落ちるのが止まった。


「……!?」

 榊原は少しの間ポカンとしており、そのすぐ後で自分の身に起きた異変に気がついた。


「なっ!?」

 自分の身体が浮いている。

 それに幽体離脱でもしたように身体が軽い。


 窓から覗き込んでいたクラスのみんなも息を呑んでいた。


緩慢な下降(スローフォール)

 ふわふわと浮いていたが、望月の言葉でゆっくりと地面に降りる。


 一分ほど掛けて、地面に降り立った。


「な、ななななななななななななな!!」

 榊原は自分の身に起きた怪奇現象とも取れる事態に、単音しか言えなくなっていた。


「どうせ見られちゃったし、後で記憶消すから言っちゃうけどさ」

 

 望月はテヘッとした感じで、今時無いような名乗り文句を挙げた。


「私、魔法使いなんだ」

という訳で今回は魔法使いっ!!



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