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雨宮高校の不思議な話。  作者: 敷儀式四季
第三部:<天草と葛城>
22/37

最終話:大団円、幸福。

では、これが最終話ですっ!!

「……、あま……、くさ……?」

 何か考えていた葛城がその状況に気づく。


「え……? 私のために……?」

 天草がきられた。


 私のために。


 きられたきられたきられたきらrぇたしぬしぬしぬしぬしぃぬしnuしぬshiぬしぬ



「な、何で追いつけてしかもあんな神への冒涜者のために斬られるのよ!? 私は普通の人間に手を出すつもりは無かったのよ!?」

 女の子も凄く動揺している。














「ねぇ。貴女は今、魔女にして化物に喧嘩を売ったわよ」










 ゾクリ。

 この場から逃げ出したくなるような。

 言葉だけで心を掌握できるような、


 感情を煮詰めた声。


「ひ、ひぃ……」

 流石の女の子も悲鳴を上げ、その場に尻餅をつく。


「貴女を肉片も残らないように、妬き尽す」

 空に巨大な光の球が出現する。


「おい、なんかテレポートとかの魔法は無いのか!?」

 その女の子の前に急に横から飛び出した男が話しかける。


「え……、あ。うん!」

 目の前の魔術の大きさに気がつき、すぐに陣を張る。


「させない」

 葛城は指で女の子を指すと、巨大光球から光のビームが飛んだ。


 ドォォォンとギャグのような威力でそのビームは女の子のところへと向かった。


 そこには大きなクレーターが出来ている。


「……逃げられたか」

 葛城は忌々しげに呟いた。


「さがして、かならず殺す」


 さて。


「天草!!」

 倒れている天草へ向かう。


「大丈夫か!?」

「ねぇ、救急車呼んだ方が……」

 そこにとある二人が出てくる。


 委員長と現川という男だった。


「どうしてここに……。いや今はいいわ。天草……、死んじゃやだ!!」

 葛城はもうどんな人間が現れようとどうでもいい。


「あぁ……、本気で、無心で守りたいと思っちまった……」

 天草はまだ息があった。

 だが、とても絶え絶えだった。


「救急車呼んでくる!!」

 委員長は男を連れて向こうに走り去った。


「わ、私も好きだから!! あなたのそのかっこよさに、私を守ってくれたことに、一目ぼれに近いんだけど……、とにかく、好きなの!! 天草、死なないで!」

 だがその葛城の祈りに反して、血溜まりが同心円状に広がっている。


「くそ……。守っといて言う言葉じゃねえが、死にたくないな……」

 葛城の言葉を聞いて、悲しそうな顔をする。


「そういやちゃんと告白してなかったが……。殺したいほど、いや、殺したくないほど愛してた。まったく……、両思いになったってのによ……」

 顔は青くなって冷たくなっている。


「最期に一回くらい、キスしちゃくれないか?」

 天草は弱弱しく微笑んだ。


「……!? そうだ! あぁ……、でも……」

 何か葛城が閃いたようだったが、もう気にしない。


「じゃあ、するわね。最期に聞くけど、もっと生きたい?」

「いつでもどうぞ。最期の答えはもっと生きたいだ。生を、お前と謳歌したかった」

 そして葛城は天草に顔を近づけ―――――――――――――、



「ん……」

 天草の口の中に少し鉄の味が広がった気がした。


 数秒ほどそうしていた後、頭を上げた。


「これで死ぬのか……。まあ、いい人生だったかな?」

 その顔は晴れやかだった。

「そうかしら? まあ、ゆっくりおやすみなさいな」

 葛城はいままで取り乱していたとは思えないほどすごく落ち着いた様子で答えた。

 そして天草の手を握った。


「やっぱり、お前は強気でいたほうが……、似合……う……」

 天草の手から力が抜ける。







「……」

 ここは、どこだ?


「………草」

 誰かが、呼んでる?


「……天草」

 聞き覚えのある声だな。


「……、ふわ」

天草(・ ・)は、ある白いベッドの上で目が覚めた。


「おはよう、天草」

 窓からは朝の光が差し込んでいた。


「……、天国か? 志野がいるぜ?」

「まだまだ伊織がそこにいくのは先になりそうよ。」

 葛城はベッドの横の椅子から答えた。


 天草は背中をさする。

「……、なんで生きてんだ?」

 かっこよく命を散らしたはずなんだが。


 誰かが連コインでもしてくれたのか?


「最期に私とキスしたでしょ」


 あぁ。

 いい思い出だ。


「私が眷属を作るときの方法、覚えてるかしら。」

「眷属を作るときの方法……?」


 そういえば……、


“私の場合は私の血を飲ますの。”


「そういやあのキスのときに鉄の味がしたような……」

「それ私の血ね。それで伊織は、」

 そこで言葉を区切った。


「晴れて私と同じ、永遠を生きる不老不死よ。これで永遠に寄り添えるわね」

 彼女はいい笑顔でそう言った。

「……、ははっ。マジかよ……。そりゃ……、」



「嬉しい限りだ」

 彼もいい笑顔でそう答えた。


 ~天草と葛城~ <END>

さて、何で委員長と現川という男がここにいたのかとか、赤黒ローブの小さなシスターに駆け寄った男は誰なのかとか、天草と一緒に来たという男は誰なのかとか、そういう謎は他の章、<榊原と望月>編と<現川と黒瀬>編で明らかとなります。

というか明らかにする予定です。


天草が殺人鬼になった理由、出せませんでした。

ちゃんとあったんですよ?


どっかで出すかもしれません。


7話でまとめるとなるといいたいこととかなかなか出せないこととかありましてね。


なんで七話かって?

なんかポリシーですよ。


説明不足なところは感想かメッセージを送っていただければ答えますー。

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