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追放された魔無しの俺にだけ、世界最強の魔法がひざまずく  作者: seisei


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第19話 男子は即死確定──聖女の魅力が大爆発して脳を焼き切る件

「どう?」


 聖女マリアは心配そうに小さな声で尋ねた。


 アッシュが作った聖女服を試着しているのだ。


 しかし試着を手伝っていたソフィアが停止してしまいノーコメント、ノーリアクションだ。


「嘘でしょ……」


 ソフィアは暫くしてからそれだけを吐息をはくように言った。



☆★☆



 聖女が部屋に入ってきた瞬間、時間が止まった。


 聖女がゆっくりと一歩を進めると純白の布が緩やかに揺れる。


 更に一歩。


 聖女の動きに従って純白の布がたゆたう。それだけで、聖女から鮮やかで清浄な煌めきが溢れ出ているかのようだ。


 教室に聖なる何かが満ち溢れ、見る者をたちまち魅了した。


「女神様」


 誰かが呟いた。


「目が潰れる」


 大袈裟な一言に笑う者はなく同意の言葉が続く。


 中には聖印をきって床に跪く者さえいる。


「アッシュ君。このデザインは君が考えたの?」


 エディが尋ねた。


「そうだよ。聖女服って機能を無視してダブダブだっただろ。あれじゃ動きにくいし、重たくなり過ぎるんだ。

 生地を軽くして聖女の体型に合わせて動き易くし、それじゃあ身体のラインが出過ぎるから大きな襟をショールのように垂らして前で合わせているんだよ。

 そうするとあまり体型が露出しないからとても聖女らしくなるでしょ」


 珍しいアッシュの説明にしかし誰も納得しなかった。


「まあ、君の意図は分かったよ。ご高説もご尤もだね。

 だけど……」


 エディはそこまでしか言わない。


 男性達の視線を見ればアッシュの説明のどの部分が、エディを納得させていないかすぐに理解できるだろう。


「ギネス様。どうでしょう?」


 聖女は幼馴染に意見を聞いた。


「聖女様らしい。とても素晴らしい。綺麗だ……」


 ギネスは聖女の魅惑の姿にショックを受けていたようで、思考がショートしているようだ。


 その言葉に、聖女の顔に花が咲いたような美しい笑みがこぼれた。


「身体の線が見え過ぎてはいませんか?」


 心配そうに胸の辺りを押さえたり、腰に手をやって身体を左右に振るように自分の体型を覗き込む聖女。


 その仕草に男性達は完全にノックダウン。


 床で悶絶する馬鹿もいる。


「凄い」


「アッシュめ。よくやってくれた」


 男の子は、大絶賛。


「まぁ、なんて素敵なの。わたくしもあんな服が着てみたいですわ」


 女の子はファッションリーダーに憧れの視線を向ける。


 聖女がギネスに背後を見せる。


「ギネス様、後はどうでしょう?」


「ああ、凄く似合っているよ」


 ギネスはそれだけ言った。


 元の聖女服とは全く違うデザインとなっている。


 アッシュの説明したショールのような襟が後では布が垂れたようになっていて、聖女の身体を覆っていた。


 その布は聖女の身体のラインをなぞり、上品で優美なラインを作り、彼女の際立つプロポーションをより上品に見せることに成功していた。


「アッシュ。素晴らしいの一言だ。お前は天才だ。

 これほど完璧に聖女のあり方を示す方法があるとはな。

 聖女の本質をそのまま美へと昇華させたな」


 バインド魔導王子がつぶやいた。


「アッシュ。お前は本当に凄い奴だ。聖女をここまで綺麗に見せることができるとは……

 しかもあの大きなショールのような布がいい仕事をしているな。

 良かったらわたくしの鎧もデザインしてくれないか?」


 姫騎士アテナが目を輝かせてアッシュに聞く。


「え? 姫様の鎧って凄い魔道具なんでしょ?」


 アッシュが困った顔で言う。


「ああ、そう聞いているが、デザインだけならできるだろ?」


「いや、それは邪道だろ。鎧を作るならデザインも大事だけど機能が最重要だからね。

 普通の服とは違うからね」


「いや、それを言うなら聖女服も特殊だろう?」


「え? あれもデザインだけした訳じゃないよ」


 アッシュの言葉に飛び付いたのは聖女マリアだ。


「ええ。アッシュ様の言う通りですわ。

 この服、羽根のように軽くて着ていないように動き易いんです。特に胸の部分が苦しくなくて……

 凄く心地がいいんです」


 聖女が嬉しそうにそう言うと軽くステップしながら身体を一回転させた。


 聖女の身体を上品に覆っていたショールのような襟が広がって舞う。


 ショールの下がチラリと見える。


 その素晴らし過ぎる聖女のプロポーションが僅かに見える。


「はぐっ!」

「おお」


 聖女の魅惑のプロポーションにやられる男子たちが、どんどん増えていく。中には床で悶絶する者までいる。彼らの絶叫が聞こえてきそうだ。


「アッシュ君。あのスカートのスリットから聖女の脚が見えないのは何かした訳?」


 魔眼のソフィアが尋ねた。


「ああ、さすがに聖女服の素肌が見えるのは良くないだろ。だから、あのスリットにはひだのあるスカートになってるんだよ。

 脚を広げても余裕があるはずだよ」


「はい。とても動きやすいです」


 聖女は嬉しそうに言いながら脚を前に出す。


 スリットから脚はこぼれず、綺麗な縦ラインのスカートが現れる。


「なるほど」


 ソフィアが納得する。


「アッシュ様。神」


 水晶の化身のレディが呟く。


「何言ってるの。レディはずっと作るのを手伝ってくれてたじゃない」


「いいえ、あれは言われた作業をしていただけ。なま聖女が服に入った時の結果までは予測できなかった」


 レディの辛辣な表現にアッシュが苦笑する。


「アッシュ。聖女服の機能は動き易いだけではないんだろ?」


 姫騎士アテナが尋ねた。


「ああ、それはそうだよ。あ、そうだ、桜の下に行けば分かるよ」


「「「サクラ?」」」


 異口同音にクラスメイト達が聞く。


「そう、桜」

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