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死刑囚・古澤由一

 古澤(フルサワ) 由一(ユイチ)といえば、昭和末期から平成初期にかけて日本中を震撼させた連続殺人鬼である。


 長い髪に痩せこけた顔、落ち窪んだ眼窩の中で異様に光る瞳の手配写真が記憶に残っている読者も多いだろう。


 古澤は東京大学を卒業した所謂エリートでありながら凶行に及んだ人物として知られている。彼は確認されているだけでも13人の少女を殺害し、バラバラに切り刻んだとされているが、逮捕後の供述では、


「永遠の命を得るために必要な手順だった。少女たちは死んではおらず、私の中で生きている」


 と述べ、殺害を否定している。


 この供述を受け、警視庁は古澤の精神鑑定を実施した。刑罰を逃れるための偽狂であろうというのが警察側の見立てであったが、果たして鑑定の結果は「正常」であった。


 しかし、鑑定を担当した精神科医の田淵康夫氏によれば古澤の様子は演技ではあり得ないという。彼は滔々と永遠の命について語り、その内容は完全に矛盾なく論理的だったそうだ。


 医師である田淵氏がどれだけ専門的な質問をしても、古澤の回答は完璧であった。古澤は田淵氏すら知らない論文の内容を誦んじて見せることもあり、田淵氏は後からその論文について調べることも多かったという。


 田淵氏は古澤との対話中に何度も彼の理論を信じてしまいそうになったといい、それを否定するのにかなりの精神力を要したと述べている。


 結局、古澤は13件の殺人及び死体損壊の罪で死刑の判決が下された。彼は控訴を申し出たがそれは棄却され、平成23年には死刑が執行されたと記録されている。


 果たして、彼が語った永遠の命に関する理論は正しかったのだろうか。


 (追記)

 件の精神科医、田淵康夫氏は古澤の精神鑑定の5年後に、自身の妻と娘を殺害した廉で逮捕されている。


 逮捕時には動機として、「永遠の命が必要だった」と彼は語っている。


 犯行が行われたのは、彼の妻がステージ4の膵臓がんで余命全国を受けた翌日であるが、田淵は逮捕翌日に留置所内で自死したため、事件の詳細が不明なまま捜査は終了している。


 古澤、田淵の両名が死亡したことによって古澤の理論の詳細を知る者はいなくなってしまった。

 この物語はフィクションです。

 この話で得た知識を事実かのように吹聴した場合、あなたは恥をかく可能性があります。


 もっと悪い場合はフィクションでなくなります。ご注意を。

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