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【完結】遠征から戻った夫が女を連れて帰ってきたけど、私はお腹に子供がいたので離縁状を置いて実家に帰らせていただきました  作者: 一ノ宮ことね


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『嫁に拒否られ、将軍が寝込んだ話』

──愛が重い男と、ついにガチ拒否した嫁の攻防、そして反省のち、最終的に愛が深まる(たぶん)



【序章】

「お願い、今夜はダメなの!」


 


 「……え?」


 


 ベッドの片側で脱ぎかけていたノアの手が止まった。

 ルシアは、毛布の中で両手を出し、真剣な表情でそれを制止していた。


 


 「今日はほんとに、ダメ……! 体がもたない……! 一回も!」


 


 ノア・ヴァリス、元将軍。現在は“全力で妻を甘やかす専業夫”。

 彼の夜の愛情表現は、回数・密度ともに“軍隊式”。


 新婚から月日が経っても、その情熱は衰えるどころか“安定して続いている”のが問題だった。


 


 「……俺、何かした?」


 「してるよ! 連日、求めすぎなのよ!!!」


 「でもルシア、昨日は“うれしい”って――」


 「それはそれこれはこれッ!! うれしいけど、物理的に、無理なのッ!!」


 


 ついに限界だった。


 


 ルシア、ついにガチ拒否――宣言す。


【第一幕】

ノア・ヴァリス、精神的負傷により寝込む


 


 翌朝、ルシアが目を覚ますと、ノアがいなかった。


 書斎にもいない。中庭にもいない。いつもの紅茶の香りすら、しない。


 


 「……え、どこいったの」


 


 と、思ったら――


 


 寝室の隣の小部屋のベッドに、布団かぶって寝てた。


 


 「……ノア?」


 「…………ん……」


 「え、なんでそんな湿気った声なの。風邪? てか何でそっちで寝てるの?」


 「……いや、なんか……自分の存在、ちょっと反省しようと思って……」


 


 その声、ちょっと震えていた。


 ※ちなみに熱は37.4度、ギリ微熱。

 ただし心のダメージは40.5度。


 


 「……私が言いすぎた?」


 「ううん。正しい。俺が……俺が重かった。

 抱きしめすぎてた。愛が重たかった。お前を尊びすぎていた……」


 


 ルシア、激しく動揺。


 


 (まさかの“精神的寝込み”パターン!?)


【第二幕】

子どもたち、騒ぐ


 


 その日、四人の子どもたちがパパの寝込みに大騒ぎ。


 


 「パパが朝ごはん来ない!? 革命?」


 「ママとケンカ!? 将軍失脚!? クーデター!?」


 「ノルンが“ぱぱ、ぐえんしてる”って……具合悪いの?」


 「お父さま、あの……ごめんなさいってママが言ってたよ……?」


 


 ルシアはその場で土下座しかけた。

 でもちがう、別に怒ったわけじゃない。ただ、体が、本当に限界だっただけで。


 


 その日の夕飯、ノアは食卓に来なかった。


 


 ルシア:ごはん食べないなんて、どれだけ落ち込んでるの……?

 ミレイア:ママ、男ってそういうとこあるよ?(10歳の名言)

 リアム:“拒絶された愛はまず自己否定に変わる”って、昔読んだ(理屈屋)

 ノルン(2歳):ぱぱ へんなかおしてた(真実)


【第三幕】

仲直り


 


 その夜。


 ルシアは、そっとノアの部屋に入った。

 隣の部屋で夫婦別寝室なんて、こんなのこの家で初めてだ。


 


 「……ノア」


 「……ごめん、迷惑だったな、最近」


 「ちがう。そうじゃないの。ほんとに、疲れてただけ。

 嬉しかったし、愛されてるの、すごく分かってるの。……だから、言えなくて」


 「ルシア……」


 「でも、言わないと分からないでしょ? あなた、優しいけど不器用だから」


 「うっ……」


 


 布団が、そっと動く。


 ノアの目はうるうるしていた。思わず笑ってしまうほどに。


 


 「ほんとに、ごめん」


 「俺の方こそ……ルシアの“好き”のペース、ちゃんと聞かないと、夫失格だな」


 「夫合格。むしろ合格しすぎて困る。……だから、お願い。明日は朝まで寝かせて?」


 「……約束する」


 「ほんと?」


 「ただし、明後日以降は“交渉可能”ということで……」


 「交渉って言い方やめて! 誓いを軽くするな!!」


【最終幕】

将軍、復活


 


 翌朝。


 ノア、元気に起床。テンション復活。

 朝ごはんに自作のハート型パンケーキを作成。


 


 「ルシアー! 今日は健全に家族サービスだぞー!」


 「……なにそのハートの焼き目……」


 「愛を、焼いた」


 「でも、昨晩はちゃんと寝かせてくれたのは褒めてあげる」


 「……ごほうびキスください?」


 「すぐそういうこと言う!」


 


 ミレイア(長女10歳)

 「……やっぱり、うちのパパ、嫁が好きすぎる」



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