表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ応募作品(1000文字以内短編)

ひよこクエスト〜文化祭でたまごを投げ合ったらうっかり魔王を引き当てました〜

作者: 江古左だり

『第5回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』参加作品です。

 グシャリ。敵陣にたまごが当たった。


 光が放たれ『ヒュドラ』が出てきた。巨大な胴体に九つの首。吐きかける毒が敵をぎ倒す。


「やった! いいのに当たったぞ!」







 俺たちの高校では文化祭の出し物で『たまご合戦』を行う。


 2つのチームに分かれてたまごを投げ合う。

 たまごは全て同じ形状をしている。物に当たると割れて中から怪物モンスターが出てくる。何が出るかはわからないので通称『たまごガチャ』と呼ばれている。


『生まれたて』なのでそれ程の威力はない。高校生でも何とか防ぐことができる。


 敵陣は瞬時に回復魔法唱えた。うまく攻撃をかわされた。







 敵にたまごを投げられる。中からドラゴンが現れて炎に焼かれる。水の壁でなんとかしのいだ。酸素を遮断して消火する。


 たまごは交互に投げ合い3分経っても投げられないと相手のターンになる。


 ユニコーンの角に突かれ、スフィンクスの足に踏まれ、夢魔サキュバスMPマジックポイントを吸い取られた。


 狼男が敵陣に噛みつき、ケンタウロスが敵を引きずり投げ、ネフィリムが棍棒こんぼうで敵を殴り倒す。


 両者、互角。手持ちのたまごはそれぞれあと3個。


「いいの出ろよ……」


 俺は渾身の力で敵陣にたまごを投げた。たまごが割れて光が放たれる。






 ピヨピヨピヨ!


 ホワホワした産毛の黄色くってちっちゃい鳥が現れた。


 ヒヨコじゃん!


 敵に向かって「ピヨピヨピヨ! ピヨピヨピヨ!」とさえずる。


 負けた〜!


 攻撃力0だ。次のターンでドワーフの一撃でも喰らえば、俺らのHP(ヒットポイント)は『0』になる。


 ところが。


 敵が一斉に崩れ落ちた。地面に腹這いになってヒクヒクしだした。



「あのヒヨコ。敵陣のHP(ヒットポイント)を全て吸い取りました! 防御(シールド)も剥がれた。相手はまる裸です!」 


 仲間のメガネが叫んだ。

 3分たっても敵は立ち上がれず、俺らのターンになる。


 投げたたまごは智天使(ケルビム)で、敵を一発でくだしたのだった。






「すげぇ!」「あれ何!?」


 メガネが魔法辞典をめくる。


「あった! あのヒヨコは『魔王』の幼体ですね。出る確率は一兆分の一!」



「「「…………は?」」」



「え? じゃああのヒヨコ大きくなったら……」

「魔王になります!」

「生まれたばっかであのパワーなのに大きくなったら……」

「世界を滅ぼしますね!」




 うっわーーー!!!




 ヒヨコ! どこ行った! 早く捕まえてなんとかしないと!


 勝ちどきを挙げている間にヒヨコは行方不明になっていた。


 敵も味方もない。その場で『ひよこクエスト』が結成された。なんとしてでもアレを魔王にしてはならない。


 俺たちの冒険が始まった。


お読みいただきありがとうございました!


気に入っていただけましたら、評価ボタン(★★★★★)ポチッと押していただけると嬉しいです!


☆☆日間1位☆☆週間6位☆☆月間34位☆☆四半期80☆☆感謝☆☆

☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

ヤッター!!応援ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「ひよこクエスト」というタイトルは可愛らしいですが、とんでもない事態になりましたね(笑) 何とか捕まえて、善なる魔王に育ててあげて欲しいものです。
[良い点] 出る確率は一兆分の一。 よく出しましたね。 これもすごいことです。 ちなみに。 わたし、子供のころ、ヒヨコ飼っていました。
[良い点] ピヨピヨピヨだけであれだけの威力って事は、魔王になってコケコッコーと鳴くようになるとヤバいって事ですか? (笑) 自業自得だと思うけど頑張ってクエスト達成してください。 (笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ