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4話

お久しぶりの更新です。いくつかの作品同時更新して、作者成長期に入ろうかな~と思っています。

早朝おれは小さな小屋のベットで目を覚ました。


おれは眠ってしまったのか・・・。絵は、絵はどうなったのだ!?


唯一この世界で通用するおれの力が自前の画力である。


お嬢さまに認めてもらわねば! 急いで部屋を出てアトリエへと向かう。廊下を出て向かい側の部屋がアトリエだ。


部屋に入ると窓が大きくあいており、朝の爽やかな風が彼女の髪を揺らしていた。その上にはモブキャップが乗っている。


彼女はどうやら風にたそがれているようだ。


おれは後ろからそっと近づいた。


のんびりしている時間を彼女に満喫してほしかったのが建前。


トゥイーニーさんは気配に気づきハッと警戒して振り返った。


なかなかナイスなリアクションを頂けましたので、おれは親指を天に突き立てにっこりと微笑んだ。


「はああ~。」


クソでかため息をされてしまった。


いや。なんでやねーん!


スッと彼女が指さしたところをつられて見ると、おれが昨日完成させた絵がなくなっている。


「絵はもうすでに売りに出されている。」


彼女は少し残念そうな目をむけてきた。


「気に入ってくれはったんやね。おれ嬉しいわ。」

「いえ。特には・・・。随分訛りがあるのが気になる。犬。お前はどこ産だ!?」


「想像通りかと・・・。ところでこの後はいかがしましょう。」

「自室で待機との事だ。」


彼女は再び窓の外に視線を戻した。どうやらおれと話す気はないらしい。


おれは油絵に挑戦しようと顔料を混ぜ始め、準備を始める。


そうだ。彼女と2人きりで待機ならとおれは良いことを思いついた。


「絵のモデルになってくれませんか。」

「何だそんなことか。かまわない。」


そう言って彼女はスルスルとメイド服を脱ぎはじめた。


「い、いえ。着たままでも良いんやけど!? ねえ、ちょっとお姉さん?」


ついつい素の自分に戻ってしまう。


「ふむ。本番がお望みか? 汚らわしいヤツだな。まあ良い。ついて来い犬。」


ふう。服着てくれて良かった。


「さあ。犬も早く脱げ。」


既にボタンをはずし始めており、薄っすらとブラウスが見えた。多分黒・・・。いや。部屋が暗いからか!?


おれは鈍感系ではない。


「いや。しませんよ!? トゥイーニーさんはおれの事好きだったんですか? ちなみにおれは好きっす! もう大好きっす!」


振られたばかりの男は恋愛に沼る。


「いや。だが。チェスやカジノ以外だとこれくらいしか娯楽はないだろう? 私の事が好きなら問題ないだろう。おかしなヤツだな。」


不思議そうな顔をして彼女は平然と言ってのける。


そうか。おれの元いた世界にはエンタメが星の数ほどあった。お金をかければそれだけ面白さを手に入れることができた。


だが、実際に中世の世界観だと、劇場や本、ボードゲームやカードゲームを除けば確かにそうなのかもしれない。


ならこのまま流されるべきでは!? よーし! おれも男だ!


さっそくベットにダーイブ!


「ふん。つれないヤツめ。」


噓やん!? そりゃあ5秒ほど考えてしまったよ!? それじゃダメだったらしい。


「そ、そんなー! お慈悲を・・・!」


「ダメだ。即答するべきだったな。」


デスヨネー! 涙涙


おれは黙々とテーブルの上のりんごのデッサンに戻った。


「りんごなんか描いて楽しいのか。」

「いえ。ただ色合いの変化特に明るい色のグラデーションのつけ具合の腕を鈍らせないためには以外と大事なんですよ。特におれみたいな凡人にとってはね。」


「ふむ。そんなものか。」


ヤバい。さっきの事を意識してしまって彼女のこと描けない。さっきかこちらを見てクスクス笑っているのばれていますからね! トゥイーニーさんよお!


おれで遊ばないで欲しいんだぜ。まったく。


「おい。すねるな。悪かった。まあ気が向いたらまた誘ってやる。」


「よっし元気出たー! おれ降臨☆」


ヤバい奴だ。みたいな顔をされた。なんでやねん。


「じゃあ、さっそく脱いで下さい!」

「わ、分かった。」


中世のおれの世界では古典・ルメセンス時代では神々の絵がたくさん描かれていた。それは特に裸体や大胆な構図が多く、画家はそれはすてきなモデルさんの造形を拝ませてもらっていたわけだ。


(これはフィクションです。)


というわけでおれもおれもってノリで描くことにした。絶対にアルテミス神を最高の傑作に仕上げて、一財産築きたいっす!


(全世界の画家の皆さまに佐藤の代わりにお詫び申し上げます)


なるほど、へー。ほうほう。ふむう。


おれは賢者タイムではなく、神王シンキングタイムへと到達する。


うおおおおお! んなんて美しさ! これははかどるわー! インスピレーションが溢れてくる。


でも相変わらず手を書くのが苦手である。


「トゥイーニーさん、もうちょい左手を上げて。」

「こうか!?」


「そうそう! いい感じっす!」

「ググッ。キツイではないか。」


「あ、ごめんやっぱりシーツを軽めに羽織って欲しい。」


シーツを渡す際に手先が柔肌に触れてしまったのだ。ワザとじゃないです。すみませんでした。スベスベでした。最高でした。すみません!(テンパっております)


「なんだと!」


「ち、違うんだ。これはその・・・。違うんだ!」


「これでどうだ!」


「お、いいね!」


ノリノリで描いているとすっかり時間が過ぎてしまう。


お嬢さまの使いが来たので、彼女に羽織るものを手渡し、おれは出迎えた。


そっと扉をしめ、外で話を聞いた。


その場でお礼を言い、使者は帰って行った。


「トゥイーニーさん・・・。」

「どうだった?」


「実は1千5百万ゼニーでオークションで売れたそうです。」 元の世界の通貨で150万円ほどである。


「ふむ。だろうな。」


「いや。一晩で描いたものですよ!?」

「荒削りではあったが、あの絵には魂が宿っていた。」


「・・・。」

「私はあの絵が好きだったぞ。犬。出来れば手元に残しておきたかったくらいだ。」


犬扱いしやがって。でも口の悪いお姉さんすき!


「この国では、奴隷でも平民の身分をお金で買う事ができますか?」

「ああ。できる。お前ならなれるさ。」


「じゃ、じゃあもしもです。おれが平民になったら・・・。トゥイーニーさんおれと結婚してくれませんか!」


「なんだ。そんな事か。ふむ。考えてやらんでもない。だが長くは待てないぞ。」


「ええ。分かってます。だけど覚悟して下さいっす! おれは本気っすからね!」


「ああ。お前も物好きだな。私はただでさえモテるからな。他の貴族の妾にされないように祈っておいてやる。」


この世は権力者界・・・。選民以外の人には人権が無いに等しい。


そんな世界でおれは。彼女と幸せになると世界に誓った。やがておれたちは荒波に飲まれて行くことになるのだが当時のおれたちには知るよしもなかった。




































読んでくれてありがとう♪

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