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 生贄のサクラ、ドラゴン男の嫁となる。  作者: 花冠椛(はなかんむりもみじ)
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第六話 覚悟を決めて


 私はギルドで出会ったミオリさんを連れてリュウの元へと向かった。


 リュウは私が人を見つけるなり嬉しそうな顔をして


 「良かった、人が居たのか」

 そう私に言った。



 「うん、それよりダークリベリオンドラゴンって何?」

 私がリュウに向かって言うとリュウは少しピクッとして


 

 「そいつは誰から聞いたの?」

 リュウは驚いた様子で私に向かって言った。



 「ミオリさんからだよ」

 私はリュウに向かって答える。



 「サクラ!」

 私はリュウに手を引っ張られ、リュウの胸へと体がぶつかる。



 「な、何?!リュウ、どうしたの?」

 私はリュウの顔を見る。



 リュウはミオリさんを警戒しているようだ。


 「サクラ、ダークリベリオンドラゴンは人に化けることが出来るんだ、子供だろうと大人だろうとそしてギルド職員だとしてもな」


 ?!

 するとミオリさんはクスッと笑い



 「アハハ!流石、竜の血が流れていることだけあるわね。

 私に気づくなんてやるじゃない、気づかなかったらその子を食べていたところよ?」

 ミオリさんは不敵な笑みを浮かべたまま言った。



 この人が竜?



 「これも幻影なんだろ?」


 「そうよ、見せてあげるわ!ふん!」

 ミオリさんが力を込めると煙のようなものが私達を包みそして煙が晴れて私達はあ然とした。



 先程見ていたキレイなギルドはどこへ行ったのだろう、ボロボロの状態で酷い有様だった。



 「ひ、ひぃ!」

 私は腰を抜かし後退りする。



 「あらあら、怖くなっちゃったのかしら?怯えなくていいのよ?」


 え?


 するとミオリさんの体がとてつもない魔物の姿へと変貌する。



 「食べてあげるからよ!アハハ!!!!」


 「り、リュウ!に、にげな!あ、いと!」

 私は焦りからか言葉がうまく出せなかった。


 怖い、殺される!死にたくない!嫌だ!


 

 「逃げるわけには行かないよサクラ、ここで逃げたら追われるだけだ。

 ウォーターハンマーで戦うんだ!僕もドラゴンの姿で戦う!うおー!!!」

 リュウが大きな声で叫ぶとリュウは緑の竜へと姿を変えた。



 私はゆっくりと立ち上がり武器を構える。

 足が震える、手も震える、怖い、怖い!死ぬのがこんなにも怖いなんて。


 あの時の生贄の時は怖くなかったのに。

 ・・・・これが生きたいと思うようになったからなのかな?



 

 「行くぞサクラ」

 リュウの声が頭に響く。


 「怖いのリュウ」

 私は震える声でリュウに向かって言う。



 「怖いのは僕も同じだよ、でも今は怖くないんだ」


 え?


 「サクラが居るから僕は怖くない、一緒に共にする仲間が居る!

 そのおかげで僕は怖がらずに戦える、サクラ、僕が居るから大丈夫」

 リュウは優しく答えた。


 まるで父親に優しくしてもらったときのように。



 「うん!私、戦う!リュウと一緒に!」

 もう!怖がらない!私はリュウと共に居る!



 「グオー!!」

 ドラゴンが襲いかかってきた!



 「グオ!」

 リュウは大きな尻尾でドラゴンを攻撃する。

 するとドラゴンは少し怯む。



 「今だ!サクラ!」

 リュウの声が響く。



 うん!私はここで死ねない!いや、死なない!


 「ハイパークラッシュ!」

 私はリュウの背中に走りジャンプして思いっきりドラゴンの頭をぶち叩いた。



 「グオオ〜」

 ドシン!


 ドラゴンは倒れ、ミオリさんの姿へと戻った。

 服はボロボロだけど。



 「はぁはぁ、や、やっ・た」

 バタリ。

 私はあまりの緊張からほぐされ気絶してしまった。


 「サクラ!・・・頑張ったな」

 ドラゴンの姿から人間の姿へと戻るリュウは私を抱きかかえる。

 


 「と、トドメをささないつもり?」

 ミオリさんは起き上がりリュウに向かって言った。 



 「サクラはきっと殺したらダメって言うだからな。

 お前もついて来い」

 リュウはミオリさんに向かって言った。



 「わ、分かった」

 リュウと私、そしてミオリはボロボロの宿屋へと向かうのだった。




 

 

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