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国渡ル少女  作者: 月音
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プロローグ

 それは、すごくすごく神秘的な夢でした。

 自分の姿、形すら見えない、何もないただただ真っ白な空間。

 そんな中、声が聞こえてきます。

 「あなたの力を貸してください。この世界にある10の国。それぞれの国が大きかれ小さかれ、悩みを抱えています。この世界が救われた時、あなたは全てを思い出すでしょう。」


 私が目を覚ますと、目の前にはきれいな海、青い空、白い砂浜が広がっていました。辺りには昔戦争でもあったのでしょうか。たくさんの白骨死体や武器とみてとれるものが散らばっています。

 ここはどこだろう、と考えていると、私は自分のことをほとんど覚えていないことに気がつきます。覚えているのは“カノン“という名前と、銃や短刀を作った戦い方だけ。さらにこの異様な光景や状況にも恐怖や焦慮を感じていないことにも気がつきました。

 そんな中、私はさっきまで見ていた夢のことを思い出します。悩みを抱えている100の国。世界が救われた時、全てを思い出す。

 このままここでずっと考えていてもしょうがない。そう考えた私は、ひとまず近くにある国を訪れるべく、歩き始めるのでした。


「ねえ、君、どこにいくの?」

 歩き始めてすぐに、後ろから声が聞こえてきました。後ろを振り返ってみても声の主は見つかりません。

「下だよ、下!」

声につられて足元を見ると、散らばっている白骨死体の上に、掌よりは少し大きいくらいの小人が笑顔で座っていました。

「君は?」

私は小人に話しかけます。

「ボクの名前はテラス!驚かそうと思ったのに、君はボクを見ても驚かないんだね!」

「こう見えても少しは驚いてるよ。」

そうかそうか、と満足気なテラスは私に問いかけてきます。

「ところで、どこにいくの?えーっと、、、」

「カノン」

「カノンはどこにいくの?」

私はこれまでのいきさつをテラスに話します。

「この世界を旅するってことか。だったら、ボクがついていってあげよう!」

「え、でも、」

「君さ、この世界のこと何かしってるの?見たところ丸腰のようだし。そのままじゃ死ぬよ?」

さっきまで笑顔だったのが嘘かのようにテラスの表情が冷たくなりました。

「それにさ、1人で旅しても寂しいでしょ?ちょうどボクも退屈してたんだ!ね、いいでしょ?」

「それもそうだね。じゃあお願いしようかな。」

「よしきた!ここから1番近い国にこのボクが案内してあげよう!」

テラスは楽しそうに話しながら、空中に浮き、私の肩にちょこんと乗りました。

「君、飛べるの?」

「うん、飛べるよ!あとボクのことはテラスって呼んでよ!ボクもカノンて呼ぶからさ。せっかく一緒に旅するのによそよそしいじゃん。」

「わかったよ、テラス。」

「うん、よろしくね、カノン!」


 それから私はテラスのアドバイスをうけ、散らばっていたものの中からまだ使えそうな拳銃や短刀、カバンなどを拝借し、1つ目の国に向けて歩いていくのでした。

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