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笹竜胆之影武者〜影の勇弟(ゆうてい) "源義門"〜(真 転生源氏英雄伝)  作者: 綴 K氏郎
序章 大蔵合戦、それは保元へのいばら道
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新米女房 智のつれづれ日記ーーー1

この話は以前からの書き溜めなので少しだけ量かけました。


別に外伝じゃないです。

別視点の初シリーズ的な?


なんか悪役令嬢系にありそうな話を平安時代の世界観でみたかった・・・。

「はぁ〜い!今日は集まっていただき誠にありがとう存じます。」


私は・・・、ついになったんだ・・・!


「新しいお方は・・・、三人ですね?」


たかが、都の町娘だった私だけど・・・。


「まずは、名前を聞きましょうか。」




「沙羅です・・・。」




「常盤です。」




ここから、私の新しい日常が始まるんだ。



「智です!不束者ですがよろしくお願いしますッ!」



憧れの屋敷勤めになったんだ!









「あれとこれとそれとあれも・・・・・・・よろしくね。智ちゃん。」


「は、は〜い・・・。」


私がこのお屋敷、源氏様のもとに勤めて三ヶ月がたった。常々思っていることがあるとするなら、


(忙し過ぎないッ!?)


「う〜ん・・・、確かに忙しいと思ってたし、やり甲斐は感じてるけど、まさかこれ程重労働だったとは・・・。」


洗濯や給仕などの一般的な家事などに加えて、源氏様は武士とはいえ帝の血をひく格式高い貴族に準ずる家柄だ。入り用だったり、贈り物などが多く届くので重いものも結構持ったりする。


(ああ・・・、腰痛ぁ。)


私も元々は商家の町娘とはいえそれなりに働いてはいたものの、予想以上の重労働だ。


「唐櫃、唐櫃、唐櫃・・・。もう唐櫃はこりごり・・・。」


最近は黒漆の唐櫃がトレンドなのかな。


(実家にいた時はこんな仕事の後には畳に大の字で倒れて寝てたなぁ〜。母上にはかなり油を絞られたけど・・・。)


ガタンッ・・・!


「きゃッ・・・。」


ボーッとしていると不意に肩がぶつかった。


「あ、沙羅さん、ごめんなさい。私の不注意で・・・。」


「・・・。」


この人は同期で沙羅さんというのだが、


「しっかり、働きなさい。すごく邪魔だわ。」


ピクっと思わず私の眉が上がる。


「あ、あはは〜、気をつけますぅ〜。」


(この人、すっごい苦手だぁ・・・ッ!)


とまぁ、こんな感じで私に対して当たりが強い。


(もう、ほんっとになんなの!?あ〜イライラする!)


こういう時はいつもこっそりバレないように長い単衣のから足が見えないくらいに地団駄を踏むのが日常になった。そんな私の癖を見抜いたのが、


「まぁまぁ、そんな怒ってはいいおなごが台無しよ?」


「と、常盤さああぁぁぁぁん!!!」


この人は同じく同期の常盤さんで私よりも若干年上のような感じがする包容力のあるしっかり者だ。


「ふふ、あなたといるとまるで妹が出来たみたいでほっとけないわ。」


「私、下に弟しかいなかったから、常盤さんみたいな姉が欲しかったです!」


そう言って頭を撫でてくれる常盤さんは私にとってこの世のどの神仏よりも尊いのは間違いない。


「沙羅さんにも後で話しておくから、今日のお勤めも頑張りましょう?」


「はい!」


やっぱり、常盤さんはすごい。あの若さなのにまるで何年もどこかで勤めていたような熟練された何かを感じる。


そして常盤さんはこの屋敷の主である源義朝様の専属として一緒にいることが多いので屋敷勤めの中では出払っていることも多い。


(ん〜、でもなんか義朝様と会われる時の常盤さんの顔・・・。なんかなぁ〜?)


よく義朝様は給仕に常盤さんを指名する。あまり宿舎でも見かけたりしないので不思議な人だ。


「でも、私と比べたらこんなに早く主人様に頼ってもらえるなんてすごいよなぁ〜。」


ガラガラガラ・・・


そして私にはもう一つの安息があった。


「どうしたんだい?そんなくらい顔をして。」


振り向くとまるで背景が花いっぱいで埋まりそうな優雅な雰囲気を醸す。


「と、朝長様!?お帰りなさいませ!」


この屋敷の主である義朝様の次男であせられる朝長様だ。


(はわぁ〜、今日も麗しい姿だなぁ。朝長様は!)


「はぁ、眼福、眼福・・・。」


「ん?どうかしたかい?」


「ん"ん"ん"ッ!?なんでもありません!」


朝長様は武士の子息とは思えないような色白で細身の公達と言った感じで貴族の貴公子と言われても遜色ない美男子だ。


(なんなら、源氏の方々がみんな良いお顔でいらっしゃるのよね。)


朝長様は特に町の若い娘の間では人気が高い。


(まあ、そういう私も密かに憧れるくらいは罪にはならないよね?)


「そうだ、君名前は?」


「え?あッ!智って言います!」


「智・・・ね。覚えておくよ。」


「そ、そんな滅相もない!」


わざわざ、同じぐらいの身長なのに覗き込むように上体だけ傾けてくる。


(だ、ダメだ。そんな上目遣いで微笑まれたら・・・!)


「大丈夫かい?固まってしまっているが・・・。」


まさに魅惑の微笑みだ。恐るべし!


「鬼武者に紙を持ってきて欲しいって頼まれてるんだ。何なら、熱田に滞在している朱若に文を書きたいそうでね。」


「そ、それでしたら私が持って行きますよ。」


「そうかい!ありがとう、助かるよ!」


「ッ!?」


いきなり両手を掴んで笑いかける朝長様。


(赤面必至ッ・・・!)


ここに勤めて色々始まったばかりだけど、暫くはここで楽しく働けそうだ。


(私・・・耐えられるかなぁ〜、朝長様ってもしかして天然?)


暫く悶々が消えなかった。

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