祝宴、鎮西八郎
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「まさか、源氏の若様がこんな村に来てくれるとはねえ〜。」
「ゆっくりしてけろ。あんたは命の恩人だぁ。」
「ほらほらもっと食うだ!」
「うちの、うちの、子供達がぁ〜、武士になるなんてッ!」
「あ〜あ、うちのおっ母泣き出しちゃった、、、。」
「あはは、いや〜、、、、」
(ダメだ!ここから抜け出せる気配がないッ!)
見事暗躍して受領を恐怖に突き落としたわけであるが、その御礼と言って風魔党達を中心に村でささやかな祝宴が行われているわけだがこの村人達の圧はどこか想定外で生来の喋り下手が露呈しそうなのであった。
「あの〜、あまり甘えさせて貰うと悪いのでお暇してもよろし、、、」
「なんだい?そんな遠慮しないでどんどん食べなされ。武士様は体が丈夫じゃないとやっていけないだろう?」
(全然聞いてくれない、、、もう食えない、、、。ヤダ、コノヒトゴミヤダ!!!)
「ほらほら、まだ米ありますよ!」
「いや〜、もう入らな、、、おぐッ!?」
無理矢理米を詰め込まれる。
(もう無理だ。こんなに押しが強いなら最初から、、、受領、に、、勝てた、、、だろ、、、)
ドサッ、、、!
朱若はしばらく村のおば様達を見るとトラウマに襲われることとなった。
鎮西(今の九州)。大宰府近郊。
「どっこいせ!もう、鎮西は制圧しとんと(したのか)?」
「はっ!」
郎党の返事に六尺(約二メートル)ぐらいの大男はつまらなさそうな溜息をつく。
「親父殿に勘当されて鎮西にきて暇潰しに攻め取ろうと思ったが、無駄骨じゃっどん(だった)。あまりに骨が無い。つまらんのう。」
酒の酌を伸ばす左手は筋肉で狭しと膨れ上がり右手よりも幾分も長い。
「八郎様!京の六条判官様から書状が届きましてございます。」
渡された書状を大男は見つめて裂けるような笑みを浮かべる。
「ほう、親父殿は俺を京に呼び戻すとな?」
「どうするので?」
「西国に俺を倒せる奴はおらん。東国にはこの鎮西八郎を楽しませる漢はおるかのう!」
酒を含み鎮西八郎はおもむろに矢をつがえ十七人の弓師が弦を張って作ったまさに十七人張りの愛弓を軽々と射っきる。
ズババババババァァァンッ!!!!
「ほう、山神様が今日の晩飯か。猪汁が楽しみだのう!」
倒れ込むその横ばい三尺(約一メートル)以上もあるイノシシを貫く矢は眉間を貫通し後ろの木に深々と刺さっていた。貫かれたイノシシは顔の皮膚は大きく抉れ骨を粉々に砕かれていた。
源鎮西八郎為朝。
平安京で起こりうる大乱を前に天下最高の唯一無二の剛弓を持つこの男がとうとう動き出そうとしていた。




