1.え、仕様なんですか!?
ここから、第2章です。
追記:爆睡してしまったので、昼更新少し遅れるかもです_(:3 」∠)_
さらに追記:書けたので、いつもの時間に予約投稿しますね。
「あれ、運営さんからメッセージが着てる」
翌日のこと。
帰宅した私がクロオンにログインすると、メッセージがきてます、というアイコンが表示された。どうやら先日送った、バグ報告に関する返答らしい。
メッセージを開封すると、懇切丁寧な文面でこのように記載されていた。
「えっと……『マキナ様のアカウントを調査いたしましたところ、不審な点は発見されませんでした。したがって運営チームとしては、今後マキナ様のアカウントに処分を下すことはありません』――って、それってつまり……?」
読み上げて、私は目を丸くした。
これってつまり、そういうことなのだと思う。すなわち――。
「このバグは仕様、ですか……?」
スターリーの町中で、立ち尽くす私はそう呟いた。
わけが分からない。とりあえず、このことは自分だけの秘密にしておこう。
心の底から、そう思った。
◆
「そういえばマキナちゃん、レベルっていくつなの?」
「ふぇ、レベルですか?」
「そそ」
ひとまずレインさんと合流して、世間話をしているとそんな話題が。
私は自分のステータスを確認してから、しかし少し考えてこう伝えた。
「えっと、レベルは5、です……」
さすがに28だ、とは言えない。
自分には分不相応な数字だし、あまり自慢できるものではないと思った。
運営さんから仕様だと言われてもまだ、半信半疑なのだから。ここは先日に引き続き、申し訳ないと思いながらも嘘をついた。
身の丈に合わない期待を背負うのは、少し苦手だから。
「5、か。たしかに、一週間ならそれくらいか」
「ちなみに、お二人はどれくらいなんですか?」
「アタシたち? とりあえず、アタシは――」
ステータス画面を開き、確認してからレインさんは言った。
「58、ってところだね」
「ごじゅ……!?」
ダブルスコア……!
圧倒的なレベル差に、私は思わず吹き出しそうになった。
そうでなくても、やっぱりイベント三位を獲る人は違うのかもしれない。本当にこのゲームが大好きで、発売当初から真摯に打ち込んでいる、ということだった。
感心していると、レインさんは思い出すように続ける。
「それで、ダリスは最近70になったとか言ってたかな?」
「わー……」
もう、言葉が出なかった。
私は棒読みでそう反応してから、自分の小ささを実感する。
「まぁ、パーティーだから。大切なのはチームワークだよ!」
「は、はいっ!」
そんな私の心情を察してか、大先輩は頭を撫でながらそう笑うのだった。
そうだ。今回のイベントはチーム戦!
だとすれば、私にだってできることはあるかもしれなかった。
「ごめん、遅くなった。二人とも」
「遅いわよダリス、早速始めましょう?」
そうこうしていると、最後の一人が到着。
レインさんは冷たくダリスさんを叱責すると、足早に去って行ってしまった。
「あらら、ずいぶん気が張ってるんだな」
レインさんの反応に、ダリスさんは苦笑い。
私はきょとんとしながらも、とりあえず二人のあとについていくのだった。
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