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4.マキナの知らないこと。

ざまぁ入るかもしれない(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

ほんの少しだけ……。








「明日は学校から帰ったら、すぐにログインしなきゃ!」



 基本的な連携を確認して、私たちは解散。

 明日、実践的な練習をすることにしたので、今日はひとまずログアウトした。ヘッドギアを外してベッドに寝転がると、どこか充実した気持ちが沸き上がる。

 リアルに友達がいないわけではないけど、ゲームを通じて初めての仲間ができた。そのことが思った以上に嬉しい。



「ミキが復帰したら、誘ってあげないと!」



 考えただけで、思わずニヤニヤしてしまった。

 だけど、すぐに思い出す。そういえば、今日会ったマコトさんって……。



「前回は、ダリスさんたちとパーティー組んでたって言ってたけど。どうして今は、あんなに仲が悪くなったんだろう……?」



 事情は分からないけど。

 その一点についてだけは、悲しい気持ちになってしまった。







「はぁ、まさかアイツと会うなんてな」



 ダリスはログアウトして、そうため息をつく。

 薄暗い部屋の中。日付が変わる頃、大学生の彼は一人で悶々としていた。するとそこに、スマホの着信音が鳴り響く。

 表示された名前を見ると、そこに書かれていたのは――。



「もしもし、どうしたんだ? ――雫」

「いや、少しモヤモヤしてね」

「それでログアウトしてから、わざわざ個通かよ」

「いいじゃないの、別に」



 レインの本名――本条雫の文字。

 ダリスが出ると、彼女は明らかに不満そうな声色でそう言った。



「互いに大学生だって知ってるからって、少しは気を遣えよな」

「はいはい。どうせ、また誰かに代返してもらうくせにねー」

「うぐ……」



 互いに軽口を叩き合って、ひとまずいつもの空気に。

 しかし、この話題になるとやはり少々暗くなってしまうのだった。



「あの子、巻き込んじゃったね」

「………………」



 沈黙が生まれる。

 それぞれの息遣いだけの時間が続き、しかしようやく口を開いたのはダリスだった。彼は真剣な口調でこう答える。



「こうなったら、俺たちが必死に守ってあげないとな」

「そうだね。気を付けないと、どんな目に遭うか分からないから」

「……そうだな」



 そこまで話して、また静かになる二人。

 それを次に破ったのは雫だった。



「アンタ、まだ怒ってるんだよね」



 彼女はそう確認する。

 その言葉に、ダリスは息を呑んでから答えた。



「分からない。アイツは、ルール『は』破っていないからな」

「…………そっか」



 すると、電話先で雫が緊張しながらも頷いた気がする。

 これで頃合いだろうか。そう思って、ダリスはこう切り出した。



「遅いから切るぞ。……おやすみ」



 返事も訊かずに、彼は通話を切断する。

 そして、大きく伸びをするのだった。



「…………ルール、か」




 ボンヤリと、そう呟く。

 そこには、なにか複雑な感情があるように思われた。



 


面白かった

続きが気になる

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「聖痕の魔剣使い」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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