5.休憩時間のこと。
8月22日から19時の一話更新に切り替えます。
よろしくお願いいたします。
「ふわああああああああっ!!」
私は並んだ服を前に、目を輝かせていた。
だってそこにあったのは、現実世界ではとても着れないような可愛らしいものばかり。ゴスロリとか、興味はあったけどリアルだと見ることしかできないもんね。
その他にも、清楚なワンピースとか、いろいろな種類の服があった。
それらを手当たり次第に探って、鼻歌を口遊む私。
「あはは、やっぱりマキナちゃんは女の子だね」
「そうですか? レインさんは、こういうの興味なかったり?」
そうしていると、後ろで眺めていたレインさんがそう言った。
彼女はさっきから壁に背を預けて、こちらを見守っている。何回でも言うが、レインさんは飛び切りの美人さんだ。
だから、こういう衣装を着ればきっと映える。
そう思っていたのだけど……。
「アタシは、あまりね。昔から男家庭で過ごしてきたから」
「えー、もったいない! 綺麗なのに!!」
「はは、ありがとうね」
そう答えられて、私は思わず頬を膨らした。
するとレインさんはにこりと笑って、短くお礼を口にする。そして、
「ところでマキナちゃん、どの服を買うつもり?」
そう訊いてきた。
「えー、どうしようかな。ワンピースも良いけど、ゲームの世界だからこそのゴスロリ系も興味あるんですよね。レインさん! どっちが似合いますか!?」
私が少し興奮して訊き返すと、レインさんは優しく言う。
「マキナちゃん、可愛いからどれも似合うよ?」
そうして歩み寄って、私の頭を撫でた。
どうしてだろう。それが、不思議と手慣れているように思われたのは。もっとも、それを訊くような野暮はしないし、いまの私には無理な話だった。
「むぅ! そういうの、卑怯ですよ! ――それに、可愛くないです!」
思わず、そう答えてしまう。
すると彼女は、
「ううん、そんなことない。マキナちゃんは本当に、女の子らしい女の子だよ」
その整った顔に、慈愛に満ちた笑みを浮かべるのだった。
ついつい見惚れてしまう。だって――。
「レイン、さん……?」
それが、どこか儚げにも感じられたから。
「あ、ごめんね。勝手に頭を撫でちゃって」
「いえ、それは構わないんですけど。えっと……」
しかし、すぐにいつもの調子に戻った。
レインさんは困惑する私の肩をポンと叩いて、こう言ってくる。
「せっかくだし、マキナちゃんに一着プレゼントしようかな!」
「え、ホントですか!?」
思わず食いついてしまう私。
そんなこちらを見て、にっこりと笑う美女。
「うん、それじゃ――」
二人での服選びが始まった。
そうして、緩やかに時間が流れていく。
その最中、レインさんがまたあの表情を浮かべていたことに――。
「もう、忘れないとね……」
この時の私は、気付かなかった。
◆
「ホントにありがとうございます! 大切に着ますね!」
「喜んでもらえて嬉しいよ。そろそろ、ダリスと合流しないとね」
店を出て、私たちは一路武器屋へ。
こちらが服を見ている間、ダリスさんは武器を見に行ったのだ。
「次の試合まで、あと一時間あるけど。遅刻は厳禁だから――ん?」
「どうしたんですか……?」
「静かに……!」
「……え?」
もうすぐで武器屋だ、という時だった。
レインさんが短く私を制止して、物陰に隠れたのは。
それにならって私も続いた。そして、こっそりと奥を覗いてみると――。
「あ、あの人って……」
そこにいたのは、ダリスさん。
そして、もう一人――。
「相変わらずの甘ちゃんだなぁ、ダリス?」
細身の男性――マコトの姿があった。
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