3.イベント開幕!!
そして、翌日。
三連休のうち二日間にわたって行われるイベントがスタートした。私たちはスターリーを離れ、二つ目の街であるセカンズへと向かう。
到着すると、改めてクロオンの人気に驚くことになった。
「う、うわぁ……! すごい人の数!!」
「あはは、まるで田舎から出てきた学生みたいな反応だね!」
中世ヨーロッパ風の街並みが広がっている。
スターリーなどとは、比べ物にならないほどの人が歩いていた。ダリスさんの話によると、ここはいま一番プレイヤーが集まっている場所らしい。
イベント以外にも、ここでレベル上げを行う人が多いとか。
そんなわけで、このセカンズには様々なタイプの人が集まっていた。
観戦目的の人や、さらに高レベルの場所からイベント参加にきた人。
共通しているのは、とにかくお祭りを楽しもう、という気持ちかもしれなかった。そんな中で私たちは、ひとまずギルドへ。
「すみません。イベントに参加したいんですけど」
「はいはい、いらっしゃい。イベントへの参加だね?」
ダリスさんが受付のお爺さんに声をかけた。
あ、スターリーの人と同じ顔だ。もしかして、兄弟なのかな。
「名前の記入は完了だね。それじゃ最後に――」
ひとまず名前を書くと、お爺さんはこう言った。
「パーティーの名前を教えてくれるかい?」――と。
◆
『さぁ、全国のクロオンプレイヤーのみんな! ついに第三回のイベント――パーティー対抗トーナメントが始まるよ!!』
一人の妖精が、高らかにそう宣言した。
すると観衆はみな歓声を上げ、指笛を鳴り響かせる。
まるで音の波が迫りくるような感覚。歴の浅いプレイヤーたちは、みな目を丸くしながら身を小さく縮めていた。
その中で、ついにオープニングゲームが行われる。
『このイベントの一試合目! その大役を務めるのは、この二チームだ!!』
妖精は、街の広場に用意された特設ステージへ移動。
そして入場口を指し示した。そこから、見るからに強そうな装備に身を包んだプレイヤーが三名、入場してくる。
男性三人のそのパーティーは、みなそれぞれ緊張した面持ちをしていた。
『まず、赤コーナーから入場するのは【サンダーウィング】! リーダーのRYOTAを筆頭に、全員がレベル40以上の実力派だ!!』
そう紹介されると、歓声はさらに大きくなる。
そして、妖精はタイミングを見計らって反対側の入場口を示した。
『対して、青コーナーから入場するのは――』
一拍置いてから、そのパーティー名を叫ぶ。
『【華のエクス・マキナ】! 超新星マキナをリーダーとした、新進気鋭のパーティーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
会場からの視線を一心に受ける、一人の女の子。
その少女は、半分涙目になりながらこう声を上げるのだった。
「どうして、私がリーダーなんですかぁ!?」――と。
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