レッドな愛情
赤い赤い花びらが散ってゆく。
私の心の中で。
人との別れは痛みを伴うもの。
覚悟してたはずなのに。
月明かりに照らされて
カフェオレを飲む私。
カフェオレがほろ苦い。
真向かいには彼。
いつもより静かに感じる夜の喫茶店。
喫茶店を出れば終わる関係の私達。
幸せだった。
彼と過ごした時間は。
まっすぐに泣いて、
まっすぐに笑って、
まっすぐに怒る私を受け止めてくれた。
ありがとう。
もうすぐ喫茶店の閉店時間。
店を出る私達。
反対の方向に歩いていく彼を
振り返ることはしなかった。
お互いにそれぞれの道を
歩いていくための
別れなのだから。
私は歩きながら自分が再び
月明かりに照らされていることに
気がついた。
月を見上げて私はそっと呟いた。
「離れていても愛しているわよ」