〜妖怪殺してました〜
二話目です!なんか、楽しくて勢いで書いてしまいました!
波場のポジションを美少女とかにしたらもっとテンションアゲアゲで書けるのでしょうか?でも、波場は男です。しかも東京に一年くらい住んでるのにコテコテの大阪弁を喋りまくるような奴です。
モデルは服部○次やで○藤。
主人公の人生を変えるのは親友のでもむしろありだと思うのです。だって美少女にあって人生変わるのって…アリか、アリだよね!
「やばいやばいやばいやばいやばい!波場!逃げないと!」
俺が余りにも必死で訴えているのに対して波場は何が起きているのか理解していないようで、何ふざけてんだ?って生暖かい表情でこっちに微笑み返してくる。とにかくこの馬鹿の手を引いて安全なところに逃げなければ。
「なんやねん急に!男に手を握られて駆け出しちゃったりするわけないやろ!」
「周り見ろよ!やばいから!」
人間まじでやばい時には「やばい」って言葉しか出てこないみたいです。
波場は手を握られて駆け出しちゃいながら辺りを見渡して、どういう状況かはっきりとわかったようだ。
「やばいな!」
「やばいでしょ!」
こんな語彙力でも国立大学を目指す。
いや、生きて帰らないと目指せない。
全力で駆けて行く二人の後ろでは化け物たちに襲われた人々の悲鳴が交差している。
波場はしっかりと手を振りほどいて
「これなんかのイベント⁉︎」
どんな時でも笑いを忘れない男、それが波場だった。
とりあえず俺たちの通う山合塾原宿校に逃れてきた。ここなら化け物が襲ってきても逃げやすいし何となくこの騒動から一番縁遠い建物な気がした。
入り口には机でバリケードを張り一先ず安全地帯を確保できた。
「分かったで、バケモンになった奴ら全員仮装してた奴らなんや。セクシーなねぇちゃんの面影があるバケモンを追い越したからな…」
「だとしたら駅前は化け物だらけだよな」
「俺、無事、家に帰ったら夜食のラーメン食べてチャート式するんだ」
「死亡フラグだぞそれ」
「最近ではあえて建てておいてへし折るというのが流行りなんや」
「ラノベばっか読んでないで国語しろよ!」
「この波場林太郎 国語の偏差値は70越えでございます。」
「うげぇ、性格悪っ!」
こんな緊急事態でもふざけたことを言い合っている。
その後波場は少し考えるポーズをしていた。
「こんな時に聞くことじゃないかも知れへんけど、なんでそんなに成績悪いん?」
「はぁ?喧嘩売ってんの?」
とお決まりのように返すと波場は真剣な表情をしていた。
「だって、お前めっちゃ真剣に勉強してるやん。そんな奴が高校卒業してるのに数学のサインコサインタンジェントも知らへんって…高校時代何してたん?」
「何してたって、普通に…」
その時、エントランスで大きな物音がした。
バリケードをしていたし壊されるような音でもなかった。
という事は初めから中にいたんだ!!!
恐る恐るエントランスへ向かうと二つの真紅の光が俺たちを捉えた
なんか、あの小太りの生き物見覚えがあるぞ?
「そういえば、塾長、ヴァンパイアの仮装してたな」
見くびっていたんだ。ゾンビの群れを駆け抜けたとき、きっと波場のことだから
「案外遅いやん」なんて考えていたんだろう。だってあんなにトロトロ歩くんだもんな。捕まるはずなんてないんだって。俺も実際そう思う。相手がただのゾンビだったら。
塾長は目にも留まらぬ速さで駆け出して波場の喉元目掛けて一直線に鋭利な爪を伸ばした。
ヴァンパイアって妖怪の部類に入るのかな?
「塾長…ごめんっ!」
真っ白な刀で滑らな軌道を描きながら一年ほど前のことを思い出していた。燃え盛る街、いたるところに同胞の遺体が転がっている、そんな記憶。
塾長の右腕は吹き飛んだ。
「高校時代何やっていたかって? 妖怪殺しだよ」
つづく
読んでくれてありがとうございます