〜ハロウィンとかやっぱりクソだわ〜
初めての作品になりますが、読んでいただけたら幸いです。
「ハロウィンってなんだよ!お前らキリスト教信じてるの?騒ぎたいだけなんじゃないの?何のために仮装して、何のために馬鹿騒ぎしながら町を練り歩いてんだよ!あんな奴ら一人残らず○ンでしまえ!」
そんな、まさに人生拗らせてしまった人が言いそうなセリフを今まさに吐いている俺は濡木秀城。
訳があってこの地獄の道を進まなくてはならない。
「まあ落ち着けって、本当は楽しそうに騒いでるやつらがうらやましいんやろ?僕らとはちがって」
そういって俺の深層心理的な何かを見抜いてきがちな彼は波場林太郎、東京の大学に進学したいからってわざわざ大阪から東京にやってきた。俺の通う原宿の予備校で一番仲の良い友人だ。
そう、俺たちは浪人中なんだ、そして今は予備校からの帰り道。
心が寒い。
波場は心優しき男だ、だから俺を諫めた後の精神的なケアも欠かさない。
「まあ、予備校の前でこんなどんちゃん騒ぎするのはいただけへんけど。」
「まあまあ、うるさい、お前も心の中では奴らを憎んでいるのだ正直になり給え!」
ヴァンパイア、ゾンビ、キョンシーと大してクオリティーも高くない仮装集団を避けて歩くことに二人とも一切の無駄もなく、もちろんセクシーなお姉さんをチラ見する事にも余念がない。
「あ、孫悟空だ!あれは結構クオリティー高いな!」
「孫悟空が一番クオリティが高いって。確かに金斗雲まで持っていらっしゃる。」
これが俺の日常、正直浪人生活はだいぶ辛いけれどこの波場という男と出会えたことに関しては良かったなと思ったりもする。ホモじゃないです。
突然、今までに聞いたかとがないような雷鳴が轟いた。ズギューンだったかな。バコーンだったかな。
つい数秒くらい前のことだったけど忘れてしまった。そんなことはどうでもいいことなんだ。
俺は今日という日つまり10月31日っていうのは非日常的な日なんだと思っていたんだ。
馬鹿が馬鹿みたいに騒ぐ日なんて最低最悪の日だって。
でも、そんなのは非日常ではなくましてや最低最悪でもないようだ。
目の前には非日常で最低最悪が広がっている。
「ずっと忘れていた。あの日から解放されたと思っていたのに!」
俺たちはゾンビの群れに囲まれていた。
サヨナラ、俺の明るい未来。
つづく
読んでくれてありがとうございます。これからも1000字程度のを週1くらいで続けていこうと思うので応援していただけたら嬉しいです。