第10話 血涙の魔法使い様?
あれから1ヶ月俺は、モテるために下級魔族を倒しまくっていた。魔族にダメージを与えるには、魔族の倍レベルがなきゃ、ダメージが通らない。最初のうちはスキルを上手く使い倒した。
まず、回復効果のある〈歩く67〉を使い、〈索敵〉〈あくび無効Max〉の合わせ技で、相手の動きを先読みする。そして懐に潜り込み下級魔族の鼻と口を手で押さえ〈手の潤い〉スキルを使い、無理矢理肺を水で満たす。それと同時に〈眠る97〉をかけて深い眠りにつかせる。こうする事により、あとは陸地で溺死をする事になる。
俺はこうしてレベルを上げ続けた。レベル40になってからは、〈歩く67〉と先読みするスキルの合わせ技と〈短剣使い〉を使い、最小限の動きで倒し続けた。
動きは、懐に潜り込むまでが同じだ。潜り込んでからは、短剣で眼球を突き刺して脳まで到達させると勝手に死ぬ。こうして、俺は倒し続けたわけだ。
そんな俺に、ある時機会が訪れた。下級魔族に襲われそうになっていた可愛い子を助けたのだ。そして俺はこう言った。
「大丈夫かい、お嬢さん。」
そうしたら、助けた可愛い子が俺の顔を見てこう言った。
「ひぃっ、たっ、助けっ、うわぁーっ。」
そう言って、逃げて行った。そう…俺は、戦っている最中に目や鼻、耳から血を流しながら戦ってるヤバイ奴だ。俺は戦い方を変えないとモテないと知った。
そんな今の俺のステータスはこれだ…。
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職業:勇者
レベル:41
HP:45
MP:0
力:43
守:43
速:42
スキル
〈眠る97〉
〈歩く67〉
〈手の潤い91〉
〈あくび無効Max〉
〈アイテムボックス3〉
〈食物鑑定〉
〈索敵〉
〈短剣使い〉
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その事件以降、俺はモテる事を諦めた。そう…俺は奴隷ハーレムを作ろうとしていた事を思い出したのだ。むしろそっちメインだろっ。と思ったので、奴隷を購入する為に冒険者ギルドで金になりそうな依頼を見に来たらこれだ。
入って直ぐに、怒りと悲しみをの炎を瞳に宿した冒険者数人が前に来てこう言ったのだ。
「貴方は、血涙の魔法使い様ですか?」
えっなにそれ……。となっていると、続けてその冒険者は話し出した。
「家族を殺された怒りと悲しみで、血涙を流しながら魔族を滅ぼす為に各地を旅をしていると噂の。」
「ああ、俺も妻が殺された。俺も魔族を滅ぼしたい。」
「目的が同じなら、パーティーを組まないか?」
えっ……。どーゆーこと?なに血涙の魔法使いって、再生の魔法使いじゃなかったっけ……。てか何だし、家族が殺されたって…。そもそも恋人もいねぇーよ。俺がギルドに来た理由は、モテないから奴隷を買うためだ。決して魔族への復讐の為ではない。でもなんて返せばいいんだ……。こいつらは、家族が殺されてるわけだろ。なんて言えば……。そうだっ。
「俺一人の方が動きやすい。…それに、上級魔族の一人に目をつけられている。だから一緒にいると、お前らが死ぬ確率が高い。死んでしまったら復讐を果たせないだろ。」
と言って俺は華麗に去っていった。そう……ギルドの依頼を受けずにだ。
こうして俺は、路銀も心もとないまま、奴隷ハーレムが遠ざかったのだった…。




