【06-01】アサルトダンジョン攻略村
ダンジョンを攻略した翌日、オークドの町(私の転移魔術で)戻る予定だった私達『ご主人様とメイドさん』の8人は、アサルト(ダンジョン攻略)村の村長さんから、どうせ戻るならば村からオークドの町までと、分岐路から国境砦であるメニューザイ砦までの除雪をしていってほしいと依頼を受ける。
ちなみにこのメニューザイ砦は、アサルト村からさらに北上して、雪がなければ10日ほどで行く事ができる場所にある砦の町だ。道中には3つの開拓村があり、その開拓村とメニューザイ砦へと生活物資を運ぶ依頼もついでに受けている。先の魔物大暴走が原因で、十分な生活物資を運び込む事ができていないからだ。
ちなみに、道中にある3つの村にも名前はあるが、今は詳細を割愛する事にする。
そして、『アサルト(ダンジョン攻略)村』とは、ここのダンジョンを攻略するための村の名前で、最下層にいるダンジョンボス(裏ボスではない)を討伐した者が、村とダンジョンの名前を決める権利があるとの事。
つまり、私たちの事だね。
なので、ダンジョン名をアサルトダンジョンとし、そのダンジョンを攻略する村の名をアサルト村としたのだ。なお、名前の由来は『アサルトライフル』から採用したので、適当に決めたわけではない。また、これと言った意味を持たせているわけでもない。
街道の除雪依頼は、私がオークドの町で行った実験が何故かこの村まで届いていたからだ。
その実験の検証結果、あの除雪方法は大きな効力を発揮し、危険な除雪作業から解放される事で、滞っていたいろいろな仕事に人手を割けるメリットがあるため、(検証結果を見た)私はオークドの町に連れてきたムハマルド辺境伯領の文官さんたちのお眼鏡に叶ったらしい。
そして、文官さんたちの誓願により、ムハマルド辺境伯領の領主様であるガイハド=バル=ムハマルド様(初めて名前を知った)が予算を出し、除雪装置を構築した私に指名依頼として来たというわけである。
なお、すべての街道に設置するわけではなく、(ムハマルド辺境伯領においての)主要街道に設置していく事になっている。初年度は、ちょうど設置者である私が、オークドの町周辺にいる事から、メニューザイ砦をスタートし、オークドの町を経由してサクラピアスまでを整備するとの事。
これ以外の街道については、サクラピアスにおいて、除雪装置のレシピを登録し、他の人たちにやらせるという予定になっている。
つまり、この指名依頼の本音は、(建て前はともかく)転移魔術でサクラピアスに戻ってくるのなら、おカネを出すので街道に除雪装置を設置してきてほしいという事である。流通の確保が、雪国であるムハマルド辺境伯領においての、最優先事項である事の証左でもある。
(転移個所を増やしていくため)この世界を隅々まで制覇する事を目標にしているので、この依頼は渡りに船であるしね。
なので受けました。
ちなみに、必要経費はすべてムハマルド辺境伯領の予算から出ており、どれだけかかったかはあとで詳細を報告する事になっている。
というか、あの除雪装置を構築するのには、ダンジョンから出たゴーレムのコアと核、あとはストーンゴーレムにするための石材があれば事済むので、実はすでに掃いて捨てるほど材料を持っていたりする。石材なんかは、街道の地面を石化してしまえば事足りるしね。
そのため実際は、ゴーレムのコアと核を買い取った際の金額で、必要経費(残りの経費は、私に支払う人件費くらいしかない)が算出される事になっており、買取金額がいくらなのかは私は知らない。
という事で、指名依頼を受けた私は、早速除雪しながら除雪装置の設置作業を始める事にした。
今回の指名依頼は、私にのみ依頼されている内容であり、『ご主人様とメイドさん』パーティメンバーに対しての依頼ではない。そのため(メニューザイ砦に)行きたくない人は、『オークド村で待っていてもいいよ』とは言っておいたが、何と7人全員が街道の除雪作業に参加である。理由としては・・・・・。
「ヒカリちゃん1人で、そんな面白い所に行くなんでずるい!」・・・・Byコトリ
「(ヒカリちゃんの名代である私は)サクラピアスでない限り、常にヒカリちゃんのそばを離れません!」・・・・Byぺニア
「オークド村・・・今は町ですか。あそこにいたら、私は聖女様ですから!」・・・・Byハルナ
「除雪要員もいるでしょ?」・・・・Byミオ
「ご主人様としては、メイドの行動は常に監視しておくべきだと思うね!」・・・・Byナオミチ
「雪が解けたら、釣りをしたいからな。その事前調査の一端で除雪要員として働く事にする。」・・・・Byヨシナリ
「ヨシナリの隣が私の居場所ですから!」・・・・Byマキ
そうそう。
アサルトダンジョンの詳細なんだけど、次の様になっている。
階層の数は、全部で17階層。前半は低レベルの冒険者でもなんとか入る事ができる階層になっているが、後半・・・・11階層から先は、ギルドの規則により高レベルの冒険者しか入る事を許されていない。また、15階層から先へは、ベテランでも入るのを躊躇するほどである。
なお、17階層にある『英知の図書館』という名前の巨大な図書館は、この世界のすべての事柄を知る事ができる『創生記世界記録版』の情報が書籍として納められている。
これを知った歴史学者たちは、挙ってこの階層を目指すみたいだが、ちょっと考えても見てほしい。
お前たちがこのダンジョンを、攻略する事はないという事を。
もちろん、冒険者を雇えば攻略可能かもしれないが、非戦闘要員を抱えて攻略できるほど、このダンジョンは甘くはないのだ。
そんなこのアサルトダンジョンにおける、各階層ごとの詳細を見てみよう。
1階層・・・・出てくる魔物は、ゴブリンで、採集・採掘できるモノはレンガ造りの壁の素材各種となる。
2階層・・・・出てくる魔物は、ゴブリンとリザードマンで、採集・採掘できるモノはレンガ造りの壁の素材各種となる。
3階層・・・・出てくる魔物は、ゴブリンとリザードマンの亜種・変異種・上位種で、採集・採掘できるモノはレンガ造りの壁の素材各種となる。道中の行き止まりの部屋十数カ所にに宝箱(中身はアイテムバック)も発見する。
4階層・・・・出てくる魔物は、ゴブリンとリザードマンの亜種・変異種・上位種で、採集・採掘できるモノはレンガ造りの壁の素材各種となる。道中の行き止まりの部屋十数カ所にに宝箱(中身はアイテムバック)も発見する。
5階層・・・・1本道の両サイドに罠部屋で、モンスターハウス(構成は第1~第4階層までいた魔物すべてで1部屋につき約100~200匹ほど)となっている。その先には宝箱があり、中にはスキルオーブが入っている。
一番奥の一際豪華な扉を入ると、階層ボスであるゴブリンキングが出迎えてくれる。ゴブリンキングを倒すと、宝箱と転移カードを登録するオーブ、そして下へと続く階段がある。このスキルーブは、手に掴んだ瞬間『これが欲しい!』と思っていたスキルが出現し、そのまま手に取った者に吸収される。
6階層・・・・出てくる魔物は、ゴブリンナイトが率いるゴブリンの上位種軍団で、採集・採掘できるモノは、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
7階層・・・・出てくる魔物は、ロックロウスという、鉱石系のダンゴムシで、採集・採掘できるモノは、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
8階層・・・・出てくる魔物は、これまでの階層に出てきた魔物とその亜種・変異種・上位種で、採集・採掘できるモノは、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
9階層・・・・出てくる魔物は、これまでの階層に出てきた魔物とその亜種・変異種・上位種で、採集・採掘できるモノは、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
10階層・・・・1本道の両サイドに罠部屋で、モンスターハウス(構成はこれまで出てきた魔物すべてで1部屋につき約100~200匹ほど)となっている。その先には宝箱があり、中にはスキルオーブが入っている。
一番奥の一際豪華な扉を入ると、階層ボスであるアイアンゴーレムが出迎えてくれる。アイアンゴーレムを倒すと、宝箱と転移カードを登録するオーブ、そして下へと続く階段がある。宝箱の中身は、第6層から第10層まで採掘できた各種鉱石や宝石の原石が、各種1トンずつと、お持ち帰り用に、たっぷりと入るアイテムバックが人数分。
11階層・・・・出てくる魔物は、ロックゴーレムとオークの集団で下へと続く進路上にモンスターハウス(今まで出てきた魔物や、新たな新顔の魔物たち)がある。剥き出しの岩肌を掘ると、各種鉱石と宝石の原石を採掘できる。
12階層・・・・出てくる魔物は、巨大化したムカデとゴキブリとアリの魔物で、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
13階層・・・・出てくる魔物は、カブトムシやクワガタと言った、昆虫が巨大化した昆虫天国で、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
14階層・・・・出てくる魔物は、、昆虫系の魔物と同時に、蜘蛛系の魔物(ゴキブリもいる)で、剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
15階層・・・・1本道の両サイドに罠部屋で、モンスターハウスには無数のアリの魔物がいる。その先には宝箱があり、中には金銀財宝が入っている。
一番奥の一際豪華な扉を入ると、階層ボスである、女王アリさんと無数の卵、無数の兵隊アリが出迎えてくれる。アリの軍団を倒すと、宝箱と転移カードを登録するオーブ、そして下へと続く階段がある。宝箱の中身は、何かの古文書の山。剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
16階層・・・・長い螺旋階段を降りた先にある巨大な扉を護るように立つ2体のオーガキングと、(毎度おなじみ)オーガの雑魚軍団が500匹ほど広い空間に犇めきあっている。扉を潜ると、階層ボスのキングコングトロールが待ち構えている。先にある扉を潜ると、宝箱と転移カードを登録するオーブ、そして下へと続く階段がある。宝箱の中身は、8つの小さな箱がある。中身は、各自が現在着用している服がそのまま戦闘服(魔法付与がされていない金属系の鎧以上の防御性能がある)になったモノ。剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
17階層・・・・最終階層でダンジョンボスのメガトンスライム・オリハルコンゴーレム・ミスリルゴーレムがいる。剥き出しの岩肌を掘ると出てくる各種鉱石と宝石の原石。
ダンジョンボスを倒すと、その先には岩窟神殿風の建造物が3つ建ち並んでいる。
向かって左側の建物は、『英知の図書館』という名前の巨大な図書館。入り口には、転移カードに転移登録できるようになっている。
この図書館には、この世界のすべての事柄を知る事ができる『創生記世界記録版』の情報が書籍として納められている。ただし、ここにある書籍に書かれている文字が読む事ができないと解読できない。
向かって右側の建物は、ダンジョン内にあった宝箱に入っていたモノすべてと、そしてそれ以外の金銀財宝が納まっている宝物庫。その収蔵量は、軽く1国の国家予算の数十倍から数百倍の価値があり、すべて売りさばけば現状の商品価値などあっという間に崩壊する。
ただし、この宝物庫から持ち出すには2つの制約がある。
1つ目は『一度外に出ると二度と中に入れない』という制約で、2つ目は、『この部屋に入る時点で所有している能力・アイテム・魔術等で持ち出しできる限界量の範囲内なら、この部屋の中にある者を持ち出し可能とする。ただし、ダンジョンの外の出るまでに、持ち出したモノがその体から離れた場合、持ち出したすべてのモノは再びこの部屋の中に戻されるものとする』という制約である。
正面の建物は、ダンジョンの外へと転移する魔法陣と、ダンジョンコアのある部屋がある。なお、ダンジョンコアのある部屋には、ダンジョンコアを咥える形で鎮座しているドラゴンの石像がある。この石像は、部屋の中に入った瞬間に、レッドドラゴンとなって動き出す。この時、口に咥えていたダンジョンコアは、レッドドラゴンの体内に飲み込まれる。
なお、部屋から出れば、元の位置に戻って元のダンジョンコアを咥えたドラゴンの石像になる。つまり、部屋の中に入らない限り安全である。
このレッドドラゴンがいるので、ダンジョンコアの封印はあえて行っていない。
仮に、この17階層まで足を踏み入れた冒険者パーティがいたとしても・・・・だ。
ダンジョンボスのメガトンスライム・オリハルコンゴーレム・ミスリルゴーレムを討伐した後の(ズタボロになっているだろう)冒険者が、そんな状態で阿波座命をなげうってまで討伐しようとは考えないはずである。私なら考えない。
そのため、敢えてダンジョンコアを封印しておかなくても大丈夫なのである。




