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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【わきみち】12人ではじまる異世界生活(その1)
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(5)各種手続きなどで3日間潰れました

翌日、朝食の後に再び冒険者ギルドへと向かう。

ちなみに今日は、この世界の暦で『NMDC23667年9月30日』らしい。


なお、ここテラフォーリア(この世界の名称)は、1年400日、1ヶ月が40日、(めったに使わないが)1週間7日で、数年間の観測結果により閏年はなし。1日の長さは24時間で、1時間60分、1分60秒。1日の始まりは、地球と同様に「正子(午前0時)」となっている。各曜日も一応名称自体は存在しているが、使用しないので覚えていないし、覚える気もない。

なお、ここまで正確な時間軸を使用して、日常生活を送っているのは、暦を管理している公的機関の天文観測所にいる者たちのみ。それ以外の者たちは、たとえ王族でも1時間ごとに鳴らされる時報で生活を送っている。もちろん、1時間ごとの時報が聞けるのは、ある程度の人口が住んでいる町(おおむね1万人以上)のみであり、それ以外は、日の出・正午・日没が基本的な時間の単位となる。


この暦が始まったNMDC元年1月1日は、今の文明において、(歴史の資料で確認できる中で)一番古い国家の建国日とされている。余談だが、この暦の開始年を定めるために使用された国家は、現在もその国家名・国家の規模を変えて脈々と存続している。

ちなみに、コロラド王国(ヒカリたちのいる国)では、北部や西部の山岳地帯を除き、基本的には冬という季節はなく、雨季(1~3月・9~10月)と乾季(4月~8月)に別れており年間を通して常夏の季節が続く。なお、北部や西部の山岳地帯では、雨期の期間における10月と、1月・2月の3ヶ月間に雪が降り、場所によっては積雪が30mを超える場所もある。


閑話休題。


今日はここでスキップ申請を行うため、半日から1日は冒険者ギルドに缶詰めとなる。スキップ申請の方法は、それぞれ得意としている戦闘方法での対人試合だ。試合方法は、Cランクの上位との対人戦で、30分耐えたらCランク、20分でDランク、10分でEランク相当と認めそのランクに昇格する。別に、倒してしまっても問題はないが、その場合は無条件でCランクとなる。


「まずは、体を温めておこうか。」


そう提案した僕に続き、全員で1時間くらい、準備運動がてらの乱取り稽古をやった。十分体も温まったところで、声をかけられてスキップ申請の開始である。

結果は、全員がCランク昇格を果たす事ができた。

唯一懸念されていたサナエさんだけど、武器での戦闘はきっぱりと諦めて徒手空拳での戦闘方法を選択。見事Cランクを勝ち取る事ができた。

『今津流格闘総合武術』の使い手でもあるキョウカさんの指導の下に、その腕をこの世界に来た当初から磨いてきた結果だ。


翌日は、この町にあるプライムテニシア神殿へと向かう。

ここでは、バティスティア聖国における神職身分である信徒(コロラド王国では平民に当たる)の身分を得るために『洗礼の神事』という儀式を受ける。この世界では誰でも(実際は9割前後)持ってる第2の身分を得るのだ。この聖国身分を持っていると、いろいろと便宜がいいので、取得するように言われているのだ。

ここでは無事、11人が信徒の身分を得たが、セイカさん1人だけが違った身分を得る結果になった。

セイカさんが得たのは、『月光神(闇の神)ツクヨミの聖女』というモノでバティスティア聖国における神職身分では、最高位に当たる『聖女』という聖位である。

ちなみに月光神(闇の神)『ツクヨミ』とは、闇夜を照らす混沌の神で、夜空を照らす6つの『月(衛星)』を司る、呪詛と契約を守護する神様である。破壊神『ダークメシア』と時間神『タイムリア』の体の一部を融合させて誕生した神とされている。


そして、驚く事なかれ。実は今年度は、多くの聖女様が誕生した当たり年らしい。


6大神(この世界の創成期からいる6柱で、次元神『ディメンシア』・創造神『クインメシア』・破壊神『ダークメシア』・空間神『スぺーリシア』・時間神『タイムリア』・重力神『グランヴィア』の事》の白巫女様である聖女ヒカリ様と、同じく6大神の黒巫女様である聖女コトリ様。

太陽神(光の神)『アマテラス』の聖女様である聖女ぺニア様。

月光神(闇の神)『ツクヨミ』の聖女様である聖女セイカ様。

生命母神(水の神)『ウンディーネ』と、氷神『へカテリーナ』の2柱の聖女様である聖女テレサ様。

治癒神『メディサリーヌ』の聖女様である聖女マナミ様。

最後に、魔術神『イシスアマト』の聖女様である聖女マコト様。

そして、『〇〇神の聖女』ではないけれど、『オークドの町の聖女様』と呼ばれている聖女ハルナの、計8人の聖女が誕生しているのだ。それも、すべての聖女が、コロラド王国王都ロンドリア(バティスティア聖国がある都市で、地球におけるヴァチカン市国みたいなモノ)ではなく、すべて辺境の地での誕生である。


そして・・・・・・。


ヒカリにコトリ、マナミにマコト、そしてハルナと、何処かで聞いたような名前が並んでいるが、・・・・気のせいであってもらいたいものだ。

いや・・・・・・。

気のせいではなく、これはあの子たちの事を指し示しているね。

ぜったい。


なお、セイカさん自体も、他の聖女様同様に神殿で暮らす出家聖女ではなく、市井で暮らす在家聖女となった。在家聖女は特段、四六時中修道服を着用していなくてもいいらしいが、セイカさんは聖女様仕様の白色と空色を基本色の修道服を常時着用する事に決めたようだ。

どうも、神職関係者が着用している服装が落ち着くらしい。


この日の午後は、各ギルドに登録するためにギルド周りを開始する僕たち12人。文字の読み書きや言葉が理解できないため、全員で必要のないギルドも回る。ちなみに、商業ギルドが一番トップの親玉ギルドになっていて、その下に商人ギルドと職人ギルドがある。

まずは、大本となっている商業ギルドへ行き、複合移動商会『滝の上の12人』を立ち上げる。ちなみに、冒険者としてのパーティ名も『滝の上の12人』となっている。名前の由来は単純で、この世界に落ちてきた時、あの滝の上にいた12人で結成したという意味である。

さて、この複合商会『滝の上の12人』には、専属の5人の職人さんがいる。


金属加工職のノブオ。ちなみに彼は、鍛冶師ギルドに加入。金属加工は、すべて鍛冶師の領分らしい。


木工加工職のシンヤ。ちなみに彼は、木工ギルドと木こりギルドの2つにに加入。木を切り倒すのと、木を加工する事を同時に行いたい場合は、こうやって2つのギルドに加入しないといけないんだとか。


革関連の加工職であるナオトと、布関連の加工職であるクミコ。この2人は、縫製ギルドに加入した。つまり、布と革の加工は、似て非なるモノという事らしい。


製薬関連の加工を担う僕は、錬金ギルドに加入した。お薬を作るのはすべて錬金ギルドの担当らしい。

そして、僕らの胃袋の支配者として君臨する、セイカとサナエの2人は食べ物屋台を開くため、調理師ギルドに加入した。


そして、職人5人が作った商品を、専属で売りさばくトキコさんは商人ギルドに、移動商会である複合移動商会『滝の上の12人』の馬車の御者を務める事になるヨシハルは、辻馬車ギルドに加入し、しばらくの間は雇われ御者として腕を磨くそうだ。

なお、馬車については今のところ存在していないが、木工職人であるシンヤと金属加工のノブオが中心となって、食べ物屋台とともに製作予定である。


3日目の朝、早々と宿屋暮らしからおさらばし、『沙羅双樹』のBランクパーティ5人(ちなみに僕たち12人の身元引受人でもある)が借りた一軒家へとお引越しをする。

この一軒家は、僕たちやトーマンさんのような長期逗留する冒険者用に用意されている建物なので、必要最低限の生活用品はすべて揃っている。そのため、揃えないといけないモノは、消耗品関連と個人で使用する生活雑貨各種、あとは着替えなどの衣服くらいなものか。ちなみに布団は一式揃っているが、退去時に新品と交換する事になっている。

ちなみに、トーマンさんが借りた一軒家は、町の中心地にほど近く、日用品や食料品が売っている市場にも5分程度で到着できる場所にある。

一軒家の間取りは、1階にLDKと水回りが集まっており、ちょっとした商売も可能な店舗スペースも有している。2階と3階には、6畳くらいの広さの個室がそれぞれ10部屋ずつある割かし大きめの建物である。まあ、暮らす人間が17人ならばこのくらいの大きさの建物は必要であろう。


午前中は、借りた家の換気や掃除を行い、その過程で足りないものをピックアップしていく。ついでに、全員が使用する個室の決定もだ。もちろん各自で決めた個室の掃除は、それぞれが担当する事になっている。

ある程度の掃除も終了した段階で、いったん1階にあるリビングに集合する。


「これから買いだしを行うわけだが、誰がどの品物を買いに行くかを決めたいと思う。」


トーマンさんが、こう切り出す。これからの生活において、必要なものをピックアップした後に、その品々を効率よく購入するために、何を誰が買いに行くかを決めるみたいだ。一応未だ言葉が理解できない者のために、理解できる者が通訳を務めていたりする。ちなみに通訳をしているのは、僕とセイカさんとトキコさんの3人である。僕とトキコさんは、初めから片言程度に理解できていたが、この3日間で日常会話くらいならば問題なく会話できるまでに何かが成長している。


「日用雑貨は、俺たち5人が分担して購入してくる。お前たちは、着た切り雀だよな?だから、これから服屋に行って、数着着替えの服を購入して来い。」

「私は、この修道服で四六時中過ごしますので、替えの服はいりませんよ。着替えの修道服も、すべて神殿側が用意してくれていますので。唯一ないのは下着くらいですので、それを購入したら、食材を漁りに行きたいと思っています。今晩から食事の担当は私とサナエちゃんになりますので。」


服を漁りに行けという指示を受けた後、下着以外はこれと言って替えの服を用意する予定がないセイカさんが、食材あさりの担当を申しでる。


「そうか、それじゃあお願いするわ。そうそう、市民証を貰う際にもらったアイテムバックは、おカネ以外は空にしてからいけな。それにどれだけ入るかは知らんが、なるべく容量を多くしておいた方がいいぞ。」


という事で、結構重たい4冊の本を、それぞれの個室においてから、僕たちは服屋さんへと繰り出していく。トーマンさんのススメで、下着以外の服はすべて古着で調達する予定である。この世界はまだ、既製品という概念自体があまり浸透していなく、大きな町はともかくここみたいな辺境の田舎町では、新品の服は結構なお値段がするみたいなのだ。


という事で、新品の服屋さんで、まず下着を10着くらい購入する。所謂、パンツと靴下、女性はブラジャーもかな。それと、アンダーウエアーだ。ここまでは新品で揃えようという話になっている。一応お風呂自体はあるが、冒険者としては替えがたくさんあった方がいいとの判断である。

結果、下着類だけで5万テラほど使用してしまった僕たちだった。


次は、日常的に着用する上着類である。一応、普段着用と冒険者活動用を数着ずつ購入する。

基本的にこの世界における、街中や普段着となる服装は、男性は前開きのワイシャツのような服にベストを併せ、革でできたズボンを履くといういで立ち。

女性は基本的に、伸縮性のない生地でできたワンピースだ。

ワンピースは、デザインはどうあれ脱着を容易にするため、背中側にファスナーまたは、編み上げ式のリボンもしくはボタンがついている。そして、既製品のほぼすべてが、背中側が開くタイプとなっており、前開きタイプは探した中では皆無に等しかった。上下が分かれた服は、ブラウスと革のスカートもしくは革のズボンを併せる。基本的にスカートの丈は、動きやすい膝丈前後が主流で、全体の7割近くを占めている。膝丈より上のミニスカートタイプはないが、踝まで丈のあるマキシタイプはちらほらと置いてあった。

服の値段は、デザインと形状、あとは生地の素材や付与されている魔法などによって変化するらしい。上下を別々に購入したほうが、ファッション的には幅が広がる。しかし、今の俺たちの金銭事情では、(特に女性人については)ワンピース一択である。

ワンピース1つ取ってみても、縫製が単純なものほど値段が安く、複雑になるほど値段が上がっていく。もちろん、使用される素材がいいものほど、値段が高いのは当然である。

冒険者活動用の服装については、それぞれのpでぃしょんによって異なっているので、各自動きやすい服を選んでいる。


下着については男女とも、地球にあったモノとほぼ同じ(違っているのは使用されている生地のみ)だったには安心した。中世みたいにドロワーズや褌ではなかったのが、よかったような、少し残念だったような・・・・・。

この世界に、ファスナーが既に存在しているのは驚いたが、きっとショーツとブラ同様に先達の異世界人さんたちが頑張ったんだろう。

なお靴の形状は男女とも、長さはともかく靴底もしっかりとした踵の低い編み込みのブーツが基本の形状らしく、旅人や冒険者などは、基本的にこのブーツを愛用するみたいだ。脱いだり履いたりする面倒さはあれど、とにかく少々激しい運動でも脱げずに、足首全体を保護できるこのタイプが旅装束の基本である。

この靴に使用されている革は通気性もよく、長時間履いていても足が蒸れにくい。また防水性もよく速乾性であるため、多少の水溜りでも平気で足を突っ込む事ができる。

逆に街中で履くタイプは、踵くらいの長さの革製もしくは布製の靴か、踵のついたサンダル状の靴となる。

男性の靴も、基本的な形状は似たり寄ったりだ。


こうして、当座の生活関連グッズを揃えた僕たちは、トーマンさんたちと共にここプライムテニシアで、異世界の冬越しをする事になったのだった。そして、時間はたっぷりとあるので、この世界の事をいろいろと学んでいくつもりだ。

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