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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第5章】オークド村の異変
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【05-15】ダンジョンを攻略します(その7)

キングコングトロール。


ゴリラ系の魔物の最上位で、あるキングコングって魔物がトロール化した魔物。強靭な肉体を持つゴリラ系の魔物がトロール化してしまったため、再生能力が高く筋肉の鎧を貫通しない斬撃や打撃はすぐに回復する。

本能のみで生きる脳筋で、理性は欠片も残っていない。あっちのほうも本能の赴くまま、種族関係なく襲ってくる。

外見的特徴は、体長50mほどの巨体で、分厚い筋肉を纏い、(8つに別れている)お腹や胸以外は、真っ白な剛毛に覆われ、長い尻尾を持っている。肌の色は白みがかった灰色で、基本的には武器も持ってない。

真っ赤に光る眼、鋭い乱食い歯、全身筋肉モリモリで、そして腕が長い。

ついでに凶悪なアレも、股間の間で惜しげもなく曝し、何故か元気100倍の状態である。


サル系(ゴリラは、サル系統の派生型)の魔物に共通する柔軟性とすばしっこさに加え、トロール系の再生能力が合わさっている。

そのため、トロールの特性の、地肌がとてつもなく硬いため、並みの武器では歯が立たない。火で焼かれたトロールは再生能力を著しく制限され、さらに硬い地肌も炭化した影響で脆くなるため戦いやすいが、全身を覆う体毛は、弱点である火勢を弱める働きがある。

また、火で全身を隈なく焼かれても、その強大な再生力故10分も経たないうちに、焼かれた皮膚が再生しする。脆くなるといっても元が元だけに、普通の鉄の武器では歯が立たず、なんらかの魔法を付与した武器か、上位の素材で作られた武器しか硬い皮膚を貫く事は困難である。


~~~~~~~~~~~~


「ある意味、脳筋系の最強魔物であるこいつを、・・・・・どうやってこいつを倒そうかな?」

「ほんとにね。どうやって倒そう?」


そんな事を言いながらも、物理攻撃を延々と繰り返す|ナオミチ・ぺニア・コトリ《脳筋3人組》とミオ。全身を覆う体毛はミオによって刈り取られているが、1分も経たないうちに生えてきて何事もなかったかのようにそこに存在している。パニアによる重量武器の攻撃の嵐にも、何事もなかったかのyプに反撃を繰り出し、その柔軟で素早い動きに脳筋たちを翻弄し始めている。


「ほんとうに・・・・・どうやってこいつを倒そうかな?」

「ほんとにね。どうやって倒そう?」


わたしとコトリは、目の前にいるキングコングトロールを見ながら頭を抱える。


討伐する方法はないのかな?

まあ、やるだけやってみましょうか。


・・・・・・・と思っていた時間が、確かに私にもあった気がする。


「【超電磁砲(レールガン)】」


出し惜しみはなしにしておこう。そう思い私は、このダンジョンの宝箱のあったミスリルのインゴット・・・・ではなく、バスを回収した際に取り出した金属片の1つであるアルミニウムを加工した球体を魔術で再現した超電磁砲(レールガン)で打ち出す。アルミとミスリルが同じだったことを思い出しながら・・・・・。連続で5発ほど。

超電磁砲(レールガン)で打ち出されたアルミ球は、狙ったとおりにキングコングトロールの眉間・喉仏・鳩尾・臍の緒・股間の命中。そのままキングコングトロールを貫通して後ろの壁にめり込んだ。

さすがに、驚異的な再生力でダメかな?と思う私。こんな攻撃で倒せるのなら苦労はないなっと思いながらも、キングコングトロールの動向をしばらく観察する。


1分経過・・・・・。


キングコングトロールに動きはなし。再生している様子もなく、アルミ球が貫通していった傷口からは、どくどくと血液やら体液やら脳髄やらが勢いよく流れている。


5分経過・・・・・。


キングコングトロールには動きはなし。再生している様子もなく、アルミ球が貫通していった傷口からは流れていたいろいろなモノは、その勢いを弱めているが未だに流れ出ている。


10分経過・・・・・・。


アルミ球が貫通していった傷口からは流れていたいろいろなモノは、すでに流れ出ていないばかりか、再生する兆しすらなく、キングコングトロールは動かぬ彫像と化している。

ここまで来ると、何かおかしいなあ~~~~~とは感じ始めているが、【万能透過鑑定(ステータス閲覧)】の情報を信じて、もう10分間だけ待つ事にする。


さらに10分経過・・・・・・。


ピクリとも動かないキングコングトロールさん。さすがにおかしいと思い、風の衝撃波をキングコングトロールの顔に当てたところ、全く抵抗なしにそのまま後ろに倒れ、激しい衝撃音と共に埃を巻き上げて地面に倒れた。


「・・・・・死んでいるよね、これ?」


戦闘という戦闘をしないまま、呆気なくキングコングトロールを討伐してしまった私だった。

その後、キングコングトロールの死体を【アイテムボックス】の中に放り込んで先にある扉を潜る。部屋の中にあった宝箱の中には、8つの小さな箱があった。その箱を、中身の見ぬまま回収し、次の階層へと降りていく私たち。


17階層。


再び登場のモンスターハウス。今回は種類が豊富なゴーレム軍団が約500匹。巨体であるゴーレムが暴れるだけあって、モンスターハウス自体とても広くなっている。

今回は、前衛の|ナオミチ・ぺニア・コトリ《脳筋3人組》のみでの殲滅作業である。前回のボス戦(キングコングトロール)で暴れたりなかった3人である。3人とも、硬い相手に対する攻撃方法もすでに持っているしね。

なので、このモンスターハウス(ゴーレム軍団)の殲滅を任せ、私たち後衛組とミオとヨシナリは、粉々に破壊されたゴーレムから核と魔石をせっせと回収。鉱石系や宝石系のゴーレムの残骸に関しては、【アイテムボックス】の肥やしにするべく回収していく。


2時間後、少し時間がかかったが、モンスターハウス(ゴーレム軍団)の殲滅作業を終え、思い切り扉を蹴り飛ばすぺニア。そのため両開きの扉は、そのまま蝶番を破壊されて部屋の奥へと吹っ飛んでいく。見た感じ金属素材でできた重厚で(たぶんとっても)重量のある扉だけど、軽々と蹴り飛ばしてしまったぺニアである。

最近行動が、どんどん脳筋じみてきているぺニアであるが、・・・・・気にしたら負けなんだろうか?

まあ、いいや。

部屋の中で待ち構えていたのは、ミスリルゴーレムとオリハルコンゴーレム・・・・・と従えた直径10m近くあるスライムだった。先ほどぺニアが蹴り飛ばした扉が当たったのか、扉を飲み込んで現在消化・吸収(お食事中)の最中である。

消化・吸収(お食事中)の最中であるスライム君の鑑定結果は、『メガトンスライム』と言い、スライム系の魔物の最上位に位置している。


「ここに来てスライムかあ~~~~。それも最上位と来ているよね。手前にいるゴーレムはどうとでもなるとして、奥のメガトンスライム君が、この階層のボスでいいのかな?」


コトリの、諦めにも似た感想が聞こえてくる。

もっと低層に出てくるのなら、雑魚認定してもいいスライムだが、そろそろ終わりが見えてくるあたりの階層ボスを張っているとなると、討伐難易度はうなぎのぼりに跳ね上がってしまう。


「スライムは前衛陣(脳筋)じゃ無理だから、後衛陣(魔術師)でなんとかするよ。その代わり、ゴーレムの処理はよろしく!」


という事で、2面作戦が開始された。私とハルナ、マキは前衛がゴーレムと対峙している間をすり抜け、奥に控えているメガトンスライムの前まで歩き50mくらいのところで対峙しする。

まずは、あのメガトンスライムの特性を知らないといけない。


「とりあえず凍らせてみるえ。【氷結の剛矢(アイスアロー)】」


まずは凍らせてみる。

氷の矢を放ち、表面にある水みたいな物質を凍らせる。当たった場所を中心に、直径30㎝程の範囲がカチコチに凍るが、内部に取り込まれてしまい失敗する。


「あのくらいの小ささだと、全体が凍らないんだね。もっと広範囲に凍らせないといけないのかな?」

「たぶんね。あと、表面が凍ったとしても、内部が凍らないと無駄だと思うよ。」


先ほどの実験?を鑑みて、いろいろと考察を重ねていく私たち3人。たしかにハルナの言うとおり、中心にある核まで一気に凍らせないと、完全に凍結はしないと考える。

検証しならがメガトンスライムと遊んでいると、背後からはけたたましい轟音が鳴り響き、激しく床が揺れ動いている。

いろいろとやっている最中に、ぺニアによる【衝撃波増殖(ギガントショック)大打撃(インパクト)】による衝撃がこちら側まで押し寄せてきて、巨大なクレバスが地面に穿たれる。


「あぶないなあ~~~。」


クレバスが穿たれる瞬間に、私たちは横に飛びのいて難を逃れるが、メガトンスライムはもろにクレバスにはまって、面白い形にひしゃげてしまった。


「クレバスの中に填まって身動き取れないみたいだけど、あの衝撃すら表面が波打つだけでダメージらしきものはないとは・・・・。」


【衝撃波増殖(ギガントショック)大打撃(インパクト)】による衝撃が直接襲い掛かったにもかかわらず、メガトンスライムは表面部分が大きく波打っただけで、これと言ったダメージがないとはいかがなものか。この感じだと、どんなに強力な物理攻撃を受けても、ノーダメージで何事もなく襲い掛かってくるだろう。

まあ、クレバスに填まって、身動きが取れないみたいなのでよしとしておくか。

なお、メガトンスライムは、何やら体から液体を出して攻撃してきているが、水属性の結界を張っているので、酸性攻撃だろうがアルカリ性攻撃だろうが、即座に中和して私たちにダメージが来ないようにしている。


その後も、いろいろと魔法を打ち込んでいくが、核の周囲にある液体ですべてが相殺されてしまう。

スライム系の魔物は、核を何とか出来ればそうとでも処理できる生き物だが、その核まで攻撃が届かないのでは何もできないのと同義だ。

メガトンスライムも攻撃も、私が張っている酸性・アルカリ性関係なく中和する結界によって防いでいるので、スライム系お得意の溶解攻撃も聞いていないが。そして、体当たり攻撃すらも、先ほど自分で填まっていったクレバスによって封じられている。

そうして双方が何もできないまま、時間だけが無情にも過ぎ去っていく。


と、そうこうしているうちに、後ろで流れていたBGMが鳴りやんだ。

どうも、ゴーレム2体の討伐は終了したらしい。


「とうばつかんりょう~~~~~~!」


コトリが『やりきったぜ!』というドヤ顔で、ピースしながらこちら側へと歩いてくる。

他の面々も(脳筋どもも)皆同じ顔つきであり、『いい汗、掻いたぜ!』と言った感じで、流れてもいない汗をぬぐっている。どうも、上の階層での運動不足は解消したみたいだ。


「で、ヒカリちゃんたちの方は、まだまだなんだね?」

「ええ、正攻法でやっているんだけど、なかなかあの防御を突破できないんだよね。」


そう言いながら、マキとハルナが攻撃しているところを見る私たち。

なお私は、結界を張る事に全神経を張り巡らせているため、メガトンスライムへの攻撃には参加してない。ながら作業だと、メガトンスライムの攻撃が、結界をすり抜けてしまうからだ。

それを知っているマキとハルナは、私はあっている安全圏から、一生懸命攻撃をしている。なお、脳筋ども(前衛たち)は、どうせ攻撃を行っても無駄だと解っているので、一切攻撃には参加していない。このメガトンスライムに物理攻撃が一切効かないのは、周囲に展開されている状況証拠が物語っているからだ。


「まあ、正攻法でどうにかできなかったので、ここは裏から行きますか。」


私は結論づけると、目の前で攻撃に専念している2人に声をかける。


「ハルナ、マキ、結界が消えるから、アレの攻撃に注意ね。」

「何するの?ヒカリちゃん?」

「正攻法じゃなく、裏側から攻めてみようと思って。ちょうど脳筋どもも、ここにいるしね。」

「裏・・・・・という事は、あのメガトンスライムの核をどうにかしようって話?」


この話し合いの間も、絶え間なく攻撃が繰り返されている。

目の前のメガトンスラムは、他のスライム同様に中心付近に核のような球体部分が存在している。大きさ的には、バスケットボールくらいの黒い物体である。先ほどからの攻撃は、【衝撃波増殖(ギガントショック)大打撃(インパクト)】による物理的衝撃も、魔術による魔法的なモノも、すべて正面にある半透明の液体状の物体に弾かれる、又は吸収されてしまい中心の核まで届いていないのだ。

正攻法であるこういった攻撃では、すでに討伐困難だと結論付けた私は、裏側から攻撃を加えてメガトンスライムを討伐する事にした。今までそれをしなかったのは、核を取り出した後、あれがどんな状態になるのか解っていなかったためだ。後ろ手ゴーレムと戯れていた脳筋ども(コトリたち)の事もあり、踏ん切りができなかったのもある。

私が張っているこの結界は、3人の周囲にのみ巡らせるだけで精いっぱいだった。また、今までこれの攻撃も、攻撃を仕掛けていた私たちにのみ攻撃していたのもあるからだ。

それが、私の張っている結界範囲に、全員が入ってきたことで状況が変わったのだ。


「それじゃあ、マキとハルナは、全力であいつの攻撃を防ぐ結界を張ってね。マキが酸性で、ハルナがアルカリ性を担当!」

『りょうか~~~い!』


2人の返事を聞いた後に、最終的に核を斬る人選をする。


「私が引き寄せた核は・・・・、「あたしがやる!」そう?じゃあ、コトリがお願いね。」


誰にやってもらおうかと思い悩んだ瞬間、コトリからやりたいという申告が来たので、コトリにやってもらう事にする。


「それじゃあ、5つ数えたら作戦結構ね。

5・・・・、4・・・・・、3・・・、2・・・・、1・・・・。

【物体引き寄せ(アポーツ)】」

「酸性耐性結界!」

「アルカリ性耐性結界!」


私とハルナ、マキの声が同時に重なり、一瞬結界が消失した後に、再び2種類の結界が張りなおされる。そして私の手には、メガトンスライムの核が現れる。なお、核を直接素手で触る事は(いろいろな意味で危険なので)していない。

そしてその核を真上へと、結界の範囲外へと放り投げる。


「コトリ!」

「はいよ!」


真上へと放り投げられた核を、正確に真っ二つに斬るコトリ。


こうして、17階層の探索が終了したのであった。

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