【05-11】ダンジョンを攻略します(その4)
再びダンジョンへ村(仮)へと戻って、ダンジョン攻略を開始する私達『ご主人様とメイドさん』御一行。
ちなみに、ガイストさんたちは付いてきていない。この階層からは、私たちだけで攻略を進めていく事になる。そのため、5階層ごとにいったん地上へと戻り、砦の隊長さんに生存報告を行う事になっている。
ちなみに、素手のダンジョン村(仮)に到着したのが夕方くらいだったので、探索再開は翌日の朝からという事になっている。理由は、ダンジョン内においては、階段付近以外は安全地帯がないためだ。身の安全がある程度確保されている場所で、なるべくなら体を休めたいものである。
ガイストさんたちがいなくても、ダンジョン攻略ができる理由は2つ。
1つ目は、私たちの戦力が過剰気味で、余程の魔物がダンジョン内にいなければ、余裕で討伐できるから。
2つ目は、第5階層で私が授かった能力が影響しているから。
そう・・・・。
第5階層のボスを倒した後にあった、あの、宝箱の入っていたスキルオーブだ。今までのスキルオーブと違い、何もスキルが封じられていないところで手に掴んだ瞬間、『これが欲しい!』と思っていたスキルが出現し、そのまま手に取った者に吸収されていったあれだ。
このスキルオーブによって、各自が授かったスキルは次の通り。ちなみにすべて、前回の休息時にどんな効果があるのか確認済みである。またどのスキルも、その人本人のみしか発動しない単一限定スキルであり、この世に1つしかないスキルとなっている。
1人目。
私が授かったモノは、『万能透過鑑定』という任意発動型の能力。
鑑定系最上位に位置するモノで、魔眼の一種である。これにより、今まで視る事ができなかったステータスが、私にのみ観る事ができるようになったのだ。
また、6大神の白巫女によって得られている『創生記世界記録版』へのアクセスと、自動的に共有化されているため、この惑星『テラフォーリア』の影響がある空間内で起こった『すべての出来事』を網羅している。
つまりこの情報の中には、各生命体情報も網羅されているわけで、私の前ではすべて丸裸となる。
2人目。
コトリが授かったモノは、『聖剣・魔剣・神剣召喚』という任意発動型の能力。
ここテラフォーリアに存在するあらゆる聖剣・魔剣・神剣(刀を含む)を、その手に召喚できる能力である。魔術による盗難防止がかかっていようが、何処ぞこの王宮の宝物庫に納められていようが関係なく、コトリの手元に召喚されてしまう。
なお召喚される剣は、召喚される瞬間コトリ自身が一番欲しい能力が付与、もしくはそれに近い付与がされている剣となる。そのため、その時々の状況によって、何が出てくるのかも解らないのだ。
また、一度召喚されると、前の持ち主が誰であろうとも、その剣はコトリが所有者として登録されるみたいだ。そして、前の持ち主からは、その剣を所有していたという記憶や記録は残るが、『知らないうちに手元から紛失して行方不明』となるらしい。
3人目。
ハルナが授かったモノは、『万能医療関連知識図書館』という任意発動型の能力。
ここテラフォーリアに存在している(種族由来のモノも含め)あらゆる病気・怪我・状態異常・伝染病をすべて網羅している知識系能力である。
それらの発生源や、発生原理、進行過程、対処方法などを検索でき、適切な処置を施す事が可能になる。もちろん、未知の病気などにも対応しており、医療関係限定となるが、私やコトリが閲覧できる『創生記世界記録版』への限定アクセス権を手に入れているようなモノだ。
4人目。
マキが授かったモノは、『脳内地図自動作成』という常時発動型の能力。
どうも、ダンジョンマップをしている都合で、ゲームよろしく自動的にマッピングできないかなと考えていたらしい。それが、そのままスキルオーブによって能力として発現した形である。
このスキルのすごい所は、自動でマッピングしていくのはもちろんの事、地図上に注釈事項を書き込んでいく事もできる。そして、マッピングした地図の一部もしくは全部を、紙媒体にそっくりそのまま複製する事ができるのだ。それも、縮尺も思いのままである。
そしてなんと、この世界の暦(ダンジョンの内外を含める)までもこの能力で分かるようになり、マキに至っては時計とカレンダーいらずになってしまった。ちなみにダンジョンの外の暦は、『NMDC23667年9月26日P.M.8:29.40』となっていた(ちなみに今日の暦)が、ダンジョン内の時刻は、『0:33.20』という風に、入り口から入ってどれだけ中にいるのかという時間表記になっている。
これによりマキは、いちいちダンジョン内で地図を描く作業を行わなくてもよくなり、好きな時間にマッピングした地図を紙に複製していくだけで済むようになったのだ。
5人目。
ミオが授かったモノは、『索敵音波』という任意・常時併せ持つハイブリッド型の能力。
私たちのパーティでの索敵担当であるミオは、常日頃から何処にどんな危険が潜んでいるのかを把握しないといけないため、結構なストレスが溜まっている。それを何とかしたいと思っていたら、この能力が発動したみたいだ。
能力自体は、注ぎ込む魔力依存で索敵距離が比例する仕組みであり、常時発動型と任意発動型の2種類の音波が選べるみたいだ。常時発動型の場合は、常に半径100m以内を索敵しており、使用する魔力は一定で、自然回復以内に収まっている。任意発動型では、現在のミオの魔力量で最大半径5㎞の範囲が索敵可能だった。
なおどちらにおいても、直線距離での索敵なので、そこまでの道のりは一切考慮されていないのが難点だろうか。
6人目。
ナオミチが授かったモノは、『一夫多妻強化』という任意・常時併せ持つハイブリッド型の能力。
なぜこんなスキルを授かったのかは、本人にもわからないらしいが、このスキルオーブを手に掴んだ瞬間、『これが欲しい!』と思っていた事がこれだったんだろう。
しかし、名前と裏腹に、この能力の能力はすさまじく、『ハーレムを築いた本人とそのハーレムメンバー』に対し、『ハーレムメンバーの人数に比例して』すべての能力値が強化されていくのだ。つまり、囲った女の子の人数が多ければ多いほど、能力値が比例して強化されていく。
さて、現在ナオミチ君のハーレムに加わりたいと思っているのは、私・コトリ・ハルナ・ミオ・ぺニアの5人。1人増えるごとに2倍3倍と増えていくので、私達全員を囲めば、(ナオミチ君含め)6人全員の能力値が720倍になるのだ。誰から攻略していくのか、今から楽しみでしょうがない私たちである。
ばお、任意・常時併せ持つハイブリッド型の能力なので、一部の能力に関しては常時発動しているが、(ナオミチ君含む)メンバーの能力値を上昇させる能力は任意発動型になる。
7人目。
ヨシナリが授かったモノは、『守護者の鎧』という任意・常時併せ持つハイブリッド型の能力。
この能力は任意発動型の能力で、保持者が(潜在意識下で)仲間だと思っている者全員に対し、その者の身の危険が迫った際に防御する能力である。そのため、誰でも彼でも発動するわけではなく、保持者が(潜在意識下で)仲間だと思っている者全員に対し発動するのだ。そのため、表面上では仲間だと思っていなくても、潜在意識下で仲間認定している者に対し発動させる事ができるため、いろいろと問題をはらんでいる能力でもある。
8人目。
ぺニアが授かったモノは、『衝撃波増殖大打撃』という能力。
重量武器限定の攻撃能力で、何かに接触した瞬間、もしくは接触する直前に武器の重量を増加させる。重量の増加量は、使用者の任意で設定でき、2~100倍の範囲内であらかじめ設定できる。
また、何かに接触した瞬間、その武器が持つ破壊力を衝撃波として顕現させる事ができる。この場合は、ただ単に破壊力を衝撃波とするため、その威力を上限させる事は出来ない。
どちらにおいても、武器を接触させる対象物は何でもよく、非物質体にも接触させる事が可能である。
ガイストさんは『黄泉のかけはし』という任意発動型の能力を、サムさんは『索敵即従属』という任意発動型の能力を授かったが、能力の説明は割愛する。
というか、名称自体は教えてもらったが、パーティ戦闘をする事があまりないので教えてもらえなかった。切り札になりそうな能力は、それを使わないといけない時まで秘匿しておくものだからね。もっとも私が授かった能力『万能透過鑑定』にかかれば、どんな脳力を持ったスキルなのかもバレてしまうんだけど、敵でもない者のステータスは見ないようにしているのだ。
閑話休題。
なお、ダンジョンへと戻る際、サクラピアスから連れてきた奴隷の約半分を連れてくる。どうも、ダンジョン村開設作業をするための労働力みたいだ。
砦を任されている隊長曰く、この開設作業の頑張り次第では、彼らはこの場で解放(どうも全員が一般奴隷らしい)され、ダンジョン村に建てられているお店を任されるようになるらしい。本人たちには、一切この事は伝えられえいないが・・・・・。
ダンジョンに潜り、第11階層へと足を進める私たち。
ちなみに、未だに洞窟型の迷路ダンジョンなため、フォーメーションは先頭に物理楯のぺニアと斥候役のミオ、その後ろにナオミチ君とコトリの剣術ペアが続き、私・ハルナ・マキの魔術師トリオ、最後尾にヨシナリ君である。そしてマキがこれまで通りに、私・ハルナ・コトリ・ナオミチで囲まれたセンターでマッピング作業を行う事になっている。
さて、洞窟型ダンジョンなので、壁を掘りながら奥へとダンジョンを進めていく。そうしているうちに、最初の魔物の群れとエンカウントする。
現れた魔物は、ロックゴーレムが3体だ。そして、その背後からは、オークの醜い集団が・・・・・。
「いきなりロックゴーレムかよ。ここはぺニアちゃん無双階層なのか?まあ、奥にオークの集団がいるから、俺たちの仕事がないという事はないが。」
そんな事を先頭にいるナオミチが言うが、確かに言い得て妙な感じだ。それじゃあ私も、ぺニアに任せてみようかな?
石系は、鉱石系統よりも柔らかいからね。1人でも、なんとかなるだろう。
「ぺニア。鉱石系や宝石系のゴーレムは手伝うけど、石系のゴーレムは単独で無双して。私たちは、その奥にいるオークの集団をやるから。」
「うん!わかった!奥はお願いね。」
「さあて、それじゃあ始めましょうか。」
こうして、11階層での戦闘が始まったのだった。
1回目の戦闘が終わり、ダンジョン探索へとすた旅戻った私たち一行。
採掘と戦闘を繰り返しながら進む事約10時間。ここまで来る道中に、ある程度絞ってはあるが、そろそろ本日の野営場所を探さないといけない時間帯だ。未だに、この階層の5割くらいまでしか探索できていないので、当然マップも埋まっていない場所がある。今回の探索は、最短距離をつきすすむのではなく、各階層を端から端まで虱潰しに探索するため、戦闘回数がというか、戦闘時間が増えれば、それだけ時間も増えていく計算になる。
実際、エンカウントする魔物は、(この階層の特徴なのか)ゴーレム系が非常に多く、さらに上の階層の魔物との混成部隊と来ている。1回あたりエンカウントする数も多く、10~20匹単位で出てくるのだ。
索敵係のミオからは、周囲100m範囲内の魔物の報告が入ってくる。例の『索敵音波』という任意・常時併せ持つハイブリッド型の能力の内、常時発動している部分での索敵を行った結果だろう。
なお、索敵した魔物が明らかに壁を挟んだ反対側にいる場合は、報告無用という事にして無視している。
「3時方向に50m、何かいるね。ちょうど、あそこの分岐を御右に曲がったあたり。」
「どれくらいいるか解る?」
「う~~~~ん。気配の感じからしてたぶんモンスターハウスだと思う。だけど、左側の通路って、既に探索済みだよね?」
「ええ、左側は既に奥まで探索済みですよ。というか、私たちは左側の通路からやってきましたしね。」
ミオの報告に、マキが追加で情報を出す。なお、方角なんてものはダンジョン内ではアテにならないので、進行方向を0時とした時計式で索敵位置を報告してもらっている。
「という事は、この先にあるモンスターハウスを突破しないと、下の階層に行けないわけだよね?」
「・・・・・そういう事になるね。そうなると、今から突撃してもあれだから、モンスターハウスの攻略は明日の朝にしよう。そうなると、左側を少し戻った場所に、宝箱があった小さな小部屋があったよね。そこで今日は野営しようか。」
という事で、本日のダンジョン攻略は終了となる。




