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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第5章】オークド村の異変
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【05-09】ダンジョンを攻略します(その3)

翌日、第5階層のボス戦を朝早くから始める私たち。でもね、しっかりと朝食はとりますよ。・・・・さすがにお風呂は諦めていますが。


ボス部屋にある重厚感たっぷりな扉を、パーティ内では一番の力持ちであるぺニアが片手で押し開ける。

部屋の中にいた主は、ゴブリンキングだった。

石でできた玉座から立ち上がり、脇に置いてあった刃渡り5mほどの長剣を私たちの方へとむける。全長が10m近くある体格でその剣を持っているので、見た目は私たちがショートソードを持つように見える。


「あの剣、ぺニア用の武器に欲しいね。」


私が剣を見ながらそんな事を呟くと、皆が一瞬ぺニアの方を見る。今回は強大な100トンハンマーを手にしているぺニアの両目は、ゴブリンキングが持っている剣に釘付けだった。

・・・・欲しいんだね、あの剣。


「よし、それじゃあ、あの剣は破壊しないように闘おうか。特にぺニア。あなたの愛剣になるだろうモノを、破壊しちゃだめだよ?」

「わかっている!ヒカリちゃん!私はあの剣に当てないように攻撃するから、皆もなるべく当てないようにね!」

『はい、はい。了解しましたよっと。』


ぺニアからの要請に、渋々答える私たち。こうして、ゴブリンキングが持つ剣に当てないように攻撃するという、なんだかわからない縛りが発生した瞬間だった。


「そんじゃあ、まずは、これから行きますか。【氷結拘束アイスバインド】」


私は手始めに、ゴブリンキングの顔めがけて、氷の力で拘束する【氷結拘束アイスバインド】を放つ。通常は足元などの放ってその軌道力を拘束する魔術だが、そんなテンプレ通りの使い方をしてみたところで、この巨体は何事もなく動き回るだろう。それならば、意表の付いた場所に放って、敵を撹乱した方がいい。特に今回は、武器を無傷で掠め取らないといけないわけだしね。

私の攻撃は予定通り、ゴブリンキングの目と鼻と口を塞ぐ事に成功する。


「・・・・また、えげつない事をする。」


そんなん事を言いながらも、いきなり目と鼻と口をふさがれたゴブリンキングの足元に殺到し、両足の腱を斬り裂くコトリとナカミチ。

ゴブリンキングは、持っていた剣を放り投げて両手で顔に張り付いた氷をはがそうともがいているが、氷に手を滑らせてなかなかはがす事ができないようだ。そうしているうちに、両足の腱を斬り裂かれて立っている事もできなくなり、そのまま顔面から床に体を叩きつける。その衝撃で部屋が大きく波打ち、さらに顔に張り付いていた氷も剥がれ落ちるが、1つ目の目的は達成しているのでよしとする。


1つ目の目的・・・・・。

そう、ゴブリンキングの持っていた剣は、投げ捨てられたと同時にぺニア自身が回収して、今では彼女の【アイテムボックス】の中にあるのだから。


剣を回収したぺニアは、踵を返すと、即座に100トンハンマーを【アイテムボックス】から取り出して、床で転げまわるゴブリンキングの左膝あたりに打ち込んだ。

”ベキッ”という鳴ってはいけない音が、ゴブリンキングの左膝から聞こえ、たまたま上向きだったゴブリンキングは、左膝を激しく損傷させてしまう。というか、膝関節が完全に崩壊しているね・・・・あれ。

こうして約30分後、両手両足の膝関節・肘関節を、ぺニアの持つ100トンハンマーで破壊されたゴブリンキングは、地面に横たわっている何かになった瞬間。


「それじゃあ後は、タコ殴りと行こうか。」


そんな事を言ってのけたのは、一仕事終えたとばかりに、掻いてもいない汗をぬぐう仕草をするぺニアだった。すべての肘関節・膝関節を破壊するのに30分かかったのは、ゴブリンキングが思いのほか抵抗したからだった。


「ところでガイストさん。ゴブリンキングの素材って、魔石以外は何ですか?」


タコ殴りにする前に、大事な素材があるかどうかの確認をする私。私の問いかけに少し考えたガイストさんは、・・・・・こう答えた。


「ほかのゴブリン同様に、魔石以外人用ないから、どうとでも料理してもいいぞ。しかし今回は、どんなボスがいたのかの確認も兼ねて、回収する方向で行こうか。」


ああ、そういえば、ダンジョンの調査も、今回のダンジョンアタックに入っていたね。今まで出会った魔物については、『こういった魔物がいましたよ』という報告だけでもいいが、ボスくらいは回収していこうという判断だ。それならば、何も考えずに、タコ殴りしてしまえばいいね。

こうして、8人全員でタコ殴りされたゴブリンキングは、呆気なくその命を刈り取られていったのだった。


ゴブリンキングを倒して、第6階層へと続く階段を探す私たち。なかなか見つからない階段だったが、不自然に置かれていた石の玉座をどかすと、そこに階段が隠されていた。どうも、この玉座を力技でどかすか破壊するかしないと、下へと進む事は無理らしい。

その階段を下りていくと、そこには宝箱が2つと、その先へと続く階段がある。

とりあえず2つの宝箱を順に開けていく。


1つ目の宝箱には、この階層でお馴染みのスキルオーブが10個。

どうも階層ボスを突破できた人数分あるみたいだ。しかし、今までのスキルオーブと違い所は、何もスキルが封じられていないところで、手に掴んだ瞬間、『これが欲しい!』と思っていたスキルが出現し、そのまま手に取った者に吸収されていったところ。

こうなると、(ゲームの中ではスキルマスターと呼べれ)ほぼすべてのスキルが使用出来る私には、いったいどんなスキルが出てくるのかと言ったのが皆が思った疑問点だ。

・・・・・まあ、それについては、ダンジョン攻略を終えた後にでもゆっくり検証しようという事で、今は棚上げする事に成功する。私だけ何が出たのかを伝えるのは不公平だという主張が通った形だ。


で、もう1つの宝箱には、何かのカードが人数分入っていた。

このカードの心当たりのあったガイストさんにより、このカードの正体が判明する。このカードはこのダンジョンのみ適用される『転移カード』と呼ばれているモノで、第1階層の入り口付近と、現在いるこの場所とを一瞬で行き来できるモノみたいだ。

この場所と言っても、実際にはこの先にある『転移の間』と呼ばれている部屋同士を結んでいるモノで、たいていの場合階層ボスを倒した後にある部屋と、第1階層の入り口付近にある転移の間とを繋いでいる。現状は第5階層のこの部屋だけだが、この先階層ボスごとに転移できる部屋が増えていき、いちいち深い階層から第1階層まで歩いて戻らなくてもいい仕様になっている。

ただし、このような仕様になっているのは、階層が別れている洞窟型ダンジョンのみであり、フィールド型や特殊ダンジョンにはない仕様との事。


閑話休題。


第6階層に降り立った私たち。

第6階層も、今まで同様に迷路構造になっている。ただし今回は、壁や天井はレンガ造りではなく、剥き出しの岩肌である。これは、採掘するのが楽しみである構造だ。


「それじゃあまずは、入り口付近の壁、・・・・・行ってみようかな。」


私はそういいと、【アイテムボックス】の中からツルハシを取り出して、壁の岩肌に打ち付ける。50㎝ほど掘り進んだところで、青黒く光る何かの鉱石を掘り当てる。ある程度ほって同じ鉱石を1㎏くらい集めると、それを適当に作った服えお煮詰めて番号をふり、【アイテムボックス】の中に放り込んでおく。なお、マッピング担当のマキが書いているダンジョンマップにも、何処で採掘したのか解るように同じ番号を書き込んでおく。

入り口付近での採掘作業を終え、いよいよ第6階層の探検へと移る。なお、基本フォーメーションは今までどおり、先頭に物理楯のぺニアと斥候役のミオ、その後ろにナオミチ君とコトリの剣術ペアが続き、私・ハルナ・マキの魔術師トリオ、最後尾にヨシナリ君である。そしてマキがこれまで通りに、私・ハルナ・コトリ・ナオミチで囲まれたセンターでマッピング作業を行う事になっている。


最初にエンカウントした魔物は、ゴブリンナイトが率いるゴブリンの上位種軍団10匹。サクッと倒して、マッピングを再開する。その後10回ほどエンカウントするが、すべて第1階層から第5階層(上の階層)にいた魔物の上位種で構成されている5~10匹程度の集団で行動する魔物だった。


第7階層へ進むと、上位種の集団に新しい魔物が混じってくる。

ロックロウスという、鉱石系のダンゴムシである。大きさは、丸まった状態でバスケットボースくらいだ。

とても固く、丸まると、ぺニアの100トンハンマーでも潰す事ができない。そして、その団子状に丸まったモノを、上位種軍団が投擲してくるのだから、厄介極まりないのだ。もちろん、当たれば即死球の攻撃である。打ち返せば魔物がそうなるが、生半可な得物では打ち返す事すら困難である。

ただしこのダンゴムシロックロウス、腹側はとても柔らかく、多くの多足系動物同様にのろまである。うまい事歩いている時に腹側を攻撃できれば、どんな武器でも簡単に討伐する事は可能である。

そして何よりもその甲殻が、名前の由来通りにすべて何らかの鉱石でできているため、討伐できれば魔石と共に、純度の高い精製された鉱石を”採取”する事が可能である

そのため、この第7階層から先では、壁をいちいち掘るよりも、このダンゴムシを討伐した方が、遥かにお金を儲ける事が可能になる。だって、既に精製されたインゴットのような鉱石が採取できるのだから。


で、階層ボスがいる第10階層である。


「さてさて、ここのボスは何かな~~~~~?」


ワクテカしながらボス部屋の扉を押し開けるぺニア。すでに扉を開けり係はぺニアに決定している私たち。

一度全員が1回ずつ扉を開けようとしたのだが、すごく重たいのだ・・・・この扉。

後衛陣では、扉を数ミリでも動かす事ができれば御の字で、前衛陣でも、重量武器を扱うヨシナリがかろうじて1人分を押し開ける事ができるくらい。

ガイストさんでも、何とか人1人分を開けれるといった感じで、1ガイストさんの知る限り、ここの扉が一番重たいらしい。

そんな扉をお、片手で楽々押し開ける事ができるぺニア。ぺニア曰く、普段の生活での力のセーブにとても苦労しているらしく、すごく気の使う作業らしい。そんな理由で神殿内では、ぺニアが使用する食器や寝具などには陶磁器製や木製のは一切なく、すべて金属製となっているみたいだ。


そして、そんな重厚な扉の先にいたのは、オークド村のてっぺにな守りとしても活躍してくれているロックゴーレムさん。いや、こいつは”ロック”ではなく、全身が鉄でできているアイアンゴーレムだね。

オークド村のゴーレムは、術に壁と一体化しているので”ロックゴーレム”ではなく、”ウォールゴーレム”と呼んだ方がいいかもしれないが・・・・・。

それはいいとして。


「また、硬いのが来たね~~~~~。」

「アイアンゴーレムか。ここの階層ボスは。ちなみにこいつは、全身素材の塊だからな。あとあいつには、基本的に刃物武器は通用しないからな。打撃武器(ぺニアちゃん)か、魔術攻撃(マキかヒカリちゃん)でしかまともな攻撃は通らんぞ。ちなみに、人間でいうところの脳みその部分と心臓の部分2カ所に魔石があってな。その2つを破壊しない限り、ゴーレムは止まる事はないからな。」


ガイストさんも何か、アイアンゴーレムに言いたい事があるかのような口ぶりである。ああ、ガイストさんの武器は大剣だからね。今回のゴーレムには通用しないのね。


「という事は、私が創って、壁と融合させたあのゴーレムちゃんたちにも、同じ位置に魔石(ゴーレムの核)が組み込まれているって事ですか?」

「いや・・・・・、正確には、頭の位置にヒカリちゃんが言うところの『ゴーレムの核』があって、心臓部分に魔石がある感じだな。魔石はただの動力源であって、核の方が司令塔的な役割を持っている。あの壁については、何処に核があるのかすでに判明できていないからな。破壊する事はほぼ不可能に近いと思うぞ。いわば壁全体が、ゴーレムだからな。」


そんな話をしながらも、断続的に魔術を撃ち続けている私とミオ。そして、表に出てきた核と魔石を自慢の重量武器で破壊し、ゴーレムに止めを刺したぺニアだった。


アイアンゴーレムを倒すと、一番奥の壁が崩れて扉が現れる。その扉を潜ると、宝箱のある転移の間に来る事ができた。

ここで登録したところ、転移カードには、『第1層転移の間』・『第5層転移の間』・『第10層転移の間』という3つの項目が選べるようになっていた。今いるここが第10層転移の間という事だろう。

そして宝箱の中身は、第6層から第10層まで採掘できた各種鉱石や宝石の原石が、各種1トンずつ入っていた。そして何故か、お持ち帰り用と言わんがばかりに、たっぷりと入るアイテムバックが人数分用意されている。


その後私たちは、いったん地上へと戻る事にした。

ここまでは普通の洞窟型ダンジョンだったが、外と中との時間差を一回調べてみたかったのと、食料品の調達を兼ねての事だ。

この感じだと、まだまだダンジョンは階層が深く続いているからね。いったんリフレッシュも兼ねて、外に出る事にしたのだ。

別に、ダンジョンボス討伐まで潜れとは言われていないしね。

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