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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第5章】オークド村の異変
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【05-08】ダンジョンを攻略します(その2)

オーガとの戦闘を終わらせ、戦闘後の処理を行っていたら、すでに夕方になってしまっていた。取りあえずダンジョン正面に当たる建物だけは、安心して眠れるようにさっさと造ってしまう事にする。

造る建物は、岩窟神殿のようなモノだ。ぶっちゃけ、ペトラ遺跡にある『エル・カズネ』を似せて造った。

そのダンジョンの新たな出入り口を囲むように、分厚く高い壁が聳えており、壁の中には50m四方ほどの空間が存在している。

ダンジョンへと侵入する際は、この壁にある門を通り、さらにエル・カズネのような岩窟神殿風建築にある扉を押し、初めてダンジョンへと続く長い下り坂の洞窟へと侵入できるのだ。


翌日、いよいよダンジョン内に侵入する。

フォーメーションは、先頭に物理楯のぺニアと斥候役のミオ、その後ろにナオミチ君とコトリの剣術ペアが続き、私・ハルナ・マキの魔術師トリオ、最後尾にヨシナリ君である。私とハルナも徒手空拳(物理)でタコ殴りできるため、物理的な戦闘力がパーティ内で一番下であるマキが、私・ハルナ・コトリ・ナオミチで囲まれたセンターでマッピング作業を行う事になっている。

なお、一応ガイストさんとサムさんは付いてきているが、試験管みたいなモノなので討伐には参加しない方向になっている。ちなみにガイストさんたちがいるのは、最後尾にヨシナリ君の前だ。そのため本日ヨシナリとマキ(バカップル2人)は、珍しく離れ離れになっている。


「じゃあマキ、これが方眼紙と筆記用具ね。あとは、台になる画板。縮尺は・・・・・そうだね。マキの1歩が1マスとか10歩で1マスででいいかな?あまり詳細には、やってられないからね。とにかく戦闘になっても、あまり狂わないようにやってくれればいいよ。あとで清書するからね。」

「それにしてもよく、方眼紙何っていうモノが手に入りましたね・・・・。」

「ああ、その事?実は、普通の紙も含めて、方眼紙もすでに市販されているんだよ。ちなみに、鉛筆と消しゴムもね。過去にこの世界に来た異界からの来訪者(私たちのお仲間)が、頑張って再現したみたい。シャンプー・リンスも含めて、生活雑貨の8割程度はすでに市販されているね。」

「という事は、生活雑貨関連で生産無双する事は困難なのかな?」

「まあ、そういう事になるね。・・・・・そろそろ魔物とエンカウントするね。」


そんな話をしながら、ダンジョンの入り口付近の洞窟へと入って行く。

自然の洞窟そのままといっても、5m級のオーガが普通に歩いて通れるほど広い。すでにマキは、喋りながらでも魔多いんぐ作業に勤しんでいる。私が提案した通り縮尺に関しては、10歩で1マスとして(自身の体を使って)描いているみたいだ。なお、出入り口に建物を構築したため、自然光が全く入らなくなっている洞窟なので、私が生活魔術の【光源ライト】をパーティの前後に放って明り取りをしている。

ちなみに生活魔術とは、【火種ファイアー】・【水出しウォーター】・【湯出しホット】・【清浄クリーン】・【乾燥ドライ】・【光源ライト】の6つの魔術の事を言う。この魔術は、魔術師となった者がまず初めに倣う魔術で、持っている属性に関係なく使用する事ができる唯一の魔術でもある。ランニングコストも結構低い(一度発動させると、周囲の魔素を使って一定時間発動する)ので魔力に余裕のある者は皆(この世界でも)覚えている魔術である。


そんなこんなで、未だ長い下り坂を下っている最中で第1魔物?発見である。なお発見順としては、探知魔術をかけて警戒している私が一番なんだが、これも訓練という事で、ミオが言うまでは放っておく事になっている。危険がある場合は、その限りではないが・・・・・。

なお、ハクトとコクトについても、戦闘訓練を行う目的で現在顕現させたままだ。


「おや、ゴブリンちゃんだね。おや初めてのエンカウントがゴブリンなら、中の様子は平常に戻っている?」

「ん~~~~~。油断はできないけど、入り口あたりは魔物大暴走スタンピートの影響はなくなっている感じだね。」


コトリの呟きに、私はこう答える。

目の前に現れたのはゴブリン4匹。数的にも平常の中に入っているかな?

なお、この判断ができるのは、『見たダンジョン内の各階層ごとに出る魔物分布』という本に書かれている世間一般の常識なのだ。余程鬼畜ダンジョンでない限り、どのくらいの階層にはどの魔物がいるといった情報はすでにあるのだ。

ちなみにこの本は冒険者ギルドで売られており、私たちもここに来る前にオークド村のギルドで購入済みである。


「ところで、あのゴブリンちゃんあっちには、誰が行く?」


コトリがそんな事を聞いてくる。無早ゴブリン後解き、誰がソロ討伐するのかと言った感じになっている私たちだ。


「・・・じゃあ、先頭のぺニアがやって。」

「はい、わかりました。」


私の指令に、ぺニアがこう答えたかと思うと、そのまま愛用の100トンハンマーで圧殺してしまった。

その後はゴブリンの素材であるの魔石のみを回収し、死体はそのまま放置しておく。ダンジョン内では『ダンジョンスライム』というスライムが生息しており、布と金属以外のあらゆるモノをすべて溶かして食べてしまう。

どうやって察知しているのかは知らないが、死体があると30分以内に最低10匹の編隊で現れて死体をすべて食べてしまうのだ。もちろん、人間様も例外ではない。

そのため、倒した魔物の素材が欲しい場合は、30分以内にどうにかしないといけないのだ。もしくは、ダンジョンの外に持ち出すかだ。

後、スライムが溶かして食べなかった布や金属製品は、ダンジョン内に吸収される。その後は、ダンジョン内の魔力によって変質し、特殊な能力を持った武器異などになって、ダンジョン内にある何処かの宝箱の中に格納される。

つまり、ダンジョンの宝箱の入っている者は、過去に魔物や中に入ってきた冒険者などが使用していたモノとなる。また、どんな能力が武器などの付与されるのかは、完全にランダムで、その時の周囲の魔力の質によりけりらしく、中にはただの木の丸棒が世界最強の武器になってしまったという前例もあるほどだ。

なお、この木の丸棒は、何処かの王家の至宝となって、宝物庫で埃を被っているらしい。


さて、ゴブリンの処理を終えた私たちは、いよいよダンジョンの第1階層へと突入する。

なぜ分かったかというと、剥き出しの岩肌だった壁やら天井やらが、いきなりレンガ造りに変わったからだ。これもダンジョンの7不思議らしく、今回はレンガ造りだけど、そのまま岩肌が続いている事もあるらしい。ただし、どちらの場合においても、物理的・魔術的攻撃を受けても破壊は出来ないという事だ。

ただし、採集や採掘は出来るという謎仕様である。

だから私は、採掘?をやってみようと思う。そう、・・・・・レンガを取り外してみようというわけだ。

まずは曲がり角まで普通に歩き、曲がり角のところでレンガを取り外してみる。白いセメント?みたいな場所にノミを当て、コツコツと削り取っていく。こうして1個煉瓦を壁から外してみる。


「おお!レンガの採集?・・・・・完了!やればできるもんだね。」

「いや、ヒカリちゃん。岩肌になっている壁を掘る事はあるが、レンガ造りの壁の・・・・・、それもレンガのみ採集?採掘?・・・・まあ、どっちでもいいか。レンガを取り出した奴は、俺の知る限りヒカリちゃんが初めてだぞ。」


ガイストさんが、私の行動にケチをつけた。できてしまったという事は、これはやっても大丈夫な作業だ。

その間も私は・・・・というか、私をはじめ周囲の警戒をしているぺニア・ミオ・ヨシナリ以外は、全員でレンガの採掘に勤しんでいる。


「ガイストさん。ダンジョンというものは、その構成しているあらゆるものが採掘・採集、そして素材回収の対象ですよ。それにこのレンガ。普通のレンガじゃないみたいですね。」


そう言いながら私は、先ほど採掘したレンガの1つを、ガイストさんに放り投げる。それは、年度を焼き固めただけのレンガなのに、とても軽く、とても丈夫なのだ。外で実験してみないと解らないが、たぶん物理攻撃にも魔術攻撃にもある程度の耐性があるとにらんでいる。


「すごい建築素材ですよね、このレンガ。仮に私が思っている通りならば、これを世間に発表すれば、建築素材の革命が起きますね。」


その後私たちは、魔物の討伐そっちのけで、レンガの採掘に汗を流したのだった。もちろん、レンガ同士を固定している白い物体(粉になっているが)も採集してある。何に使えるのか解らない以上、この手で採掘した過程で出たモノは、すべて回収するのが私のアイデンティティなのだ。

9割近くを探索した結果、第1階層はゴブリン君(それも標準タイプ)しか魔物は出てこないみたいで、全員で対処しなくても私たちなら大丈夫なのだ。ゴブリン程度、採掘の片手間で討伐できるしね。

端っこから順番に採掘していったレンガだが、30分もしないうちに既に新しいモノが採掘した場所に填まっているのだ。つまり、自然破壊をする事無く、採掘し放題という事である。


「さてと。第1階層の壁をすべて採掘しましたが、第1階層にはゴブリンしかいないようですね。」

「そうだな。これで、ダンジョン内の環境も、魔物大暴走スタンピートの影響は排除されているとみていいだろう。では、次の第2階層へと行くか。30分ほど前に下へ降りる階段を見つけていたからな。」


マッピングは完璧である。迷路のようになっている通路もすべてマッピング済みであり、縮尺もほぼ完璧であるので、大きなずれもないマップが完成している。


10分ほど戻った場所にある階段を下りて、第2階層へと足を踏み入れる私たち。


「第1階層は乾燥していたけど、第2階層がジメジメしているね。壁材はレンガで同じなのに・・・・。」


第2階層に入った途端、日本の夏のように湿度が高い空間に出る。気温?室温?はそんなに高くないのだが、湿度があるおかげで地肌がべとついているのだ。

そんな第2階層を歩きだして5分。

最初の魔物にエンカウントする。魔物はゴブリンと(何故こんな環境に適応しているのかは知らないが)リザードマンの10匹編隊だ。少し数は多いが、何とかなるだろう。


「今回は、コトリとナオミチ君の2二人で片づけてね。」


私の指示通り、コトリとナオミチの2人が前に出て、それぞれの愛刀で出街ざまに斬り裂いていく。10匹程度は朝飯前らしい。その後は、倒した者が解体作業を行い、その時間内でレンガの採掘を行うというルーチンワークに突入する。もちろん第1階層でもやっていたように、全員で順番に闘う者を回している。

なんせ、全員が脳筋よりの集団内だ。度の階層も、平均的に戦いを行わないと、何処からともなく物言いが飛んでくるのだ。

また、第2階層でも一応レンガの採掘は行うが、サンプル程度の量に留めておく。ちょっと第1階層では楽しくて、羽目を外しすぎたからね。


こうして、第3階層・第4階層と順調に探索と採掘を続ける私たち。ちなみに、第3階層からはゴブリンとリザードマンの亜種やら変異種やら、上位種やらが混じってきたが、赤子の手をひねるが如く、サクッと殲滅していく私たち。

道中の行き止まりの部屋、10カ所ほどに宝箱も発見する。

中に入っていたのは、毎度おなじみのアイテムバックだった。こんな低層階で発見できるのだから、そりゃあ何処にでも売っているはずだわ。ちなみに、アイテムバックが安価で手に入るのはコロラド王国のみで、それ以外の国家では、ダンジョンに潜ってもなかなか出てこない模様。

この辺りも、ダンジョン7不思議の1つとして数えられているそうだ。


さて、第5階層へと突入する私たち。


「そろそろ、いそうな気がするんだけど?」

「・・・・たぶんこの階層にいるよね?ここにいなかったら、10階層あたり?」

「いや、この感じだと、この階層にいるよ。たぶん、この先にあるだろう扉の先に・・・・。」


ダンジョンと言ったらこれ、というテンプレを話し合う私たち異世界組。各階の階段付近にいなかったので、たぶん5階層ごと、もしくは10階層ごとにいると予測する。そして、このダンジョンの階層数は不明だが、5階層ごとにいる方に全財産をかけてもいいほどだ。

だって。

第5階層は、今までと違って迷路になってなく、ただ単に1本道がひたすら続いているだけだからね。まあ、時折扉の付いた部屋がるので、罠と知りつつ全部覗いているが・・・・・。

もちろん全部罠部屋で、モンスターハウスだったり、モンスターハウスだったり、モンスターハウスだったりした。出てくる魔物は第1~第4階層までいた魔物すべてで、その数は1部屋につき約100~200匹ほど。無限湧きしないだけいい方かな。

しないすべて殲滅すると、もれなく宝箱のおまけつき。


ちなみに、宝箱の入っていたモノは、私もリアルメーカー(あのゲームの中)で創った事のあるスキルオーブだった。モンスターハウスの分だけあったので、全部で40近くある。入っていたスキルは、ダブりもあって全部で30個。ガイストさん曰く、スキルオーブは、ダンジョンで産出される物品の中では、レアな方に入るらしい。そのため、売り払えば結構な金額になるんだとか。

スキルオーブの使い方は後程(たぶん忘れてそのままのような気もするが)。


さて、あと残っている部屋はただ1つ。

私たちの目の前にある、一際豪華な扉で塞がれている部屋のみだ。


「これは、ボス部屋だよね?」

「まあ、こんなあからさまな部屋は、ボス部屋しかないだろう。ボスと言っても、階層ボスだろうがね。」

「階層ボスに挑戦する前に、時間的に夕食と就寝だね。ボスへの挑戦は、明日の朝一という事で。」


こうして私たちは、ボス部屋の前で一夜を明かす事にしたのだ。この階層には、魔物は沸いてこないみたいだから、安心して眠る事ができるからね。


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