表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第3章】異世界に来てから最初の町です
37/139

【03-01】町での生活が始まります。

サクラピアス


コロラド王国ムハマルド辺境伯領にある、領内では2番目に人口が多い、軍事と産業、観光の要衝の町である。定住人口は約7万人である。町の大きさは、ほぼ真四角の6㎞四方ほどである。

町の北面と東面を、コロラド王国で最も大きな湖であるジョセフェナス湖があり、町の南側からコロラド王国を南北に縦断するナルトス川が流れている。

町のメインストリートである『ヒルガノス縦貫道』は、西門から町へと入りそのまま東進。ジョセフェナス湖に設けられている港から来た道の交差点部分にある大噴水からは、進路を南にとって南門へと抜け、領都・カエデテラスを通りこの国の王都・ロンドリアへと抜けていく。

大噴水から東へと進むと、東門を抜けてナルトス川を渡り(一応橋が架かっている)、そのままジョセフェナス湖の湖岸道路となり、さらに先にはパンゲニア大陸の東西に横たわるピタゴラ=スガハド山脈の親子山脈であるダーヴィン山脈の南側の麓を走る『ダーヴィン街道』である。この街道はそのまま東へと抜けていき、3000㎞程先のカスタード辺境伯領で、トーマヘーヤ川の川岸に至り、そのまま河口まで伸びている。


サクラピアスの町は、大噴水広場とメインストリートで大きく4つに別れており、一番高台に当たる南西のブロックに貴族街があり、貴族街を取り囲むようにヒルガノス縦貫道沿いに大商店が立ち並んでいる。残りのブロックは庶民街となっており、港付近以外の湖沿いにある壁の外側にスラム街が広がっている。

大噴水広場を囲むように、行政府・冒険者ギルドと商業ギルドのサクラピアス支部・その傘下の各ギルド支部・バティスティア聖教のサクラピアス大聖堂・ムハマルド辺境伯領立サクラピアス総合学園の建物が建ち並んでいる。

なお、大きな町のつくりは、貴族街の位置は異なっているが基本的に同じらしく、貴族街のあるブロックに行政府が、大噴水を挟んで対角側にバティスティア聖教の大聖堂、残りのブロックのうち東側に各ギルド支部が、西側に学園の建物が建ち並んでいる。そして、メインストリート沿いには、貴族街側に大商店が立ち並び、反対側には中小の商店と宿屋、食堂などが立ち並んでいる。

そして、町の防衛の要となる鍛冶屋街は、貴族街を囲む外壁沿いに建ち並んでいるのが普通なんだそうだ。


そんなサクラピアスに入城した私たち一行は、すでに夕刻という事で、このままガイストさんお薦めの食堂へと向かう。

食堂は、メインストリートのヒルガノス縦貫道沿いに立地しており、ガイストさんたち『鮮血の雷ブラッディサンダーズ』の本拠地は、この食堂から5分ほど歩いた場所にあるみたいだ。そのため、と徒の私たちが先に席をとってお行くために食堂に入り、御者のサムさんはいったん馬車を本拠地に置いてきて、改めて合流する運びになっている。

『黄昏時の麗し亭』という名前の食堂と宿屋がひっついた建物に到着。場所は、西門から大噴水広場を横切り、さらに5分ほど入ったダーヴィン街道沿いにある建物だ。


「あら、ガイストさん、いらっしゃい!奥の個室なら空いているよ、どうする?」

「そうだな。今日は人数も多いから、個室で頼む。あとでサムも来るから案内しておいてくれ。あと食事だが、本日の定食を11人前。女性陣は普通サイズで、男性陣は大盛りで頼む。俺の分は特盛でな。」

「あいよ。じゃあ一番手前101号室ね。飲み物はどうする?」

「全員成人しているから、ビールを11人前頼む。サムの分は来てからでいい。」

「はいよ。じゃあ後でもっていくから部屋で待っていな。」


ちなみに、ここコロラド王国の成人年齢は種族によって異なっているが、一部の長命種族を除き15歳で成人となる。成人後は、自己責任のもとに飲酒も認められているため、私達もお酒を飲んでいい事になっている。

それにしても・・・・・、自己責任って恐ろしい言葉だよね。

何処の世界にもいるんだろうけど、権利と義務は表裏一体の飴と鞭である事を知らない人種が多い。とある権利を声高に主張するのならば、その権利に付随して発生する義務を背負わないといけない。また、何らかの自由を価のならば、その結果生じるあらゆる問題を背負う覚悟がいるのだ。

その覚悟ななければ、自由だの権利だのを主張するのはおこがましいと言える。


・・・・・まあこの話は、これ以上進めていくといろいろと堅苦しくなっていくので、この辺りで終わらせておくのが無難だ。こういった堅苦しい話は、そういった専門職に丸投げしておくのが無難である。


閑話休題。


さて、女将さんに案内されて個室に通された私たち。その部屋にはコの字型にテーブルが配置されており、全体で5・4・5の合計14人が座れるように配置されている。


「好きな場所に座ってくれ。」


そんな事をガイストさんが言ってくれたが、さて、この椅子の配置で何処に座ったらいいのか、皆目見当が付かない私たち。今回のホストはガイストさんなので、ガイストさんのパーティが一番下座(この場合は出入り口に近い方のテーブル)になる事は決定済みである。本人たちもそれは解っているみたいで、真っ先にそのテーブルを陣取っている。

残りは私達なんだが・・・・・・、ここは男を立てるのが正しいのかな?ガイストさんたちも、唯一の女性であるミュートさんが、一番下座の席に座っているからね。じゃあ、私達もそれに倣おうか。

という事で、入り口側からコトリ・私・ハルナ・ミオの順でガイストさんたちの対面に腰かける。で、ミオの横には何故かナオミチが座って、上座にある通称『お誕生日席』に、ヨシナリとマキが「しょうがないな~~~~」といった顔つきで腰かけた。いや、実際にはデレデレになっている2人だが・・・・・。


なお、この食堂に来るまでの道中で、さん付けや君付けはやめて、呼び捨てで行こうという話になった。

敬称を付けると、なんだかよそよそしくなってくるし、この世界では全員が平民である。かしこまった席ではともかく、普段は呼びやすい呼び方でいいという事になった。

なお、何時も不思議に思うのだが、こうやって「呼びやすい呼び方で」と決めた際、私とコトリは何故か「ヒカリちゃん」・「コトリちゃん」となるのだ。それも全員がこう呼んでくる。


「ヒカリちゃん、あの2人・・・・。」

「ええ、ガイストさんの推察通り、バカップルですよ。」


ガイストさんが、2人の様子を見ながら尋ねてきたので、私は素直にこう答えておく。ほら、ガイストさんですら、すでに私の事を「ヒカリちゃん」と呼ぶのだ。

とっても不思議である。・・・・まあ、いいんだけどね。


そうこうしているうちに、ビールをつまみがテーブルに並べられる。


「サムはまだ来ていないが、始めてしまおうか。ヒカリちゃん達7人の、新たな旅立ちを祝って、かんぱい!」

「かんぱい~~~~~!」


何がどうなって『新たな旅立ち』なのか知らないが、まあ確かにこの世界に新しい身分を得て、名実ともにこの世界の住人になったのだから、『新たな旅立ち』という言葉も的外れではないと思う。

それにしても、冷えたビールが出てくるところを見るに、この世界の文明の発達度は、テンプレ通りに『地球における中世くらいの文明度』ではないのだろう。

まあ、それはいいとして。初めてお酒を飲んだが、とってもおいしいね。


「コトリ、あまり度数はないみたいだけど、今日はお付き合い程度にしておきなさい。他のみんなもね。落ち着いたら、限界まで飲んでどういった酒癖があるのかを、一度確認しておきましょう。その後は、自由にしても構いませんが・・・・。

ガイストさん。今日のところは、私達7人はこの1杯のみにしておきます。あとは、アルコールのない飲み物でお願いします。」

「・・・・・そうだな。これが初めてだろうから、そうしておいた方がいいな。落ち着いたら、俺たちの本拠地アジトでたらふく飲ませてやる。それまでは我慢していろ。」


という事になった。お酒に関しては、特に気を付けないといけない。いろいろな酒癖があるからね。

その後、サムさんが合流した頃に頼んでいた料理が運ばれ、新たに飲み物が人数分追加された。

普通サイズのプレートは、日本にいた頃とあまり変わらないので安堵する。気持ち多いかな?というくらいで、食べれないほどあるというわけではない。男子たちが食べる予定の大盛りサイズは、普通サイズの倍の量がのっかっている。特盛サイズは普通盛りの3倍である。

まあ、倍とは行ってもおかずとスープのみで、主食となるパンはテーブルの上にドカンと乗ったバスケットから自由に取って食べる方式であり、だいたい1口か2口で食べきれるサイズに調節してあった。


本日の定食のメインは、ダンジョン中層の草原地帯に生息するクレイジーバッファローを解体した肉で、部位としてはサーロインである。もちろん、塩コショウのみで焼いただけのステーキで出てきた。

名前の割にはそんなに凶暴ではなく、突進による角攻撃にさえ気を付ければ、中層に潜る事ができればとてもおいしい魔物である。

そのため、この魔物を専門に狩る冒険者もいるため、流通量も多く庶民の食卓にはよく並ぶ肉である。

ナイフとフォークを使って、1口サイズに切り分け、ソースを絡めて口に放り込む。私とコトリ、あとマキが行うとてもきれいな所作に、ガイストさんたちは感心している。このくらいもともとお嬢様だった私やマキ、あと私の専属侍女だったコトリにしてみれば、”日常的に行っていたお食事マナー”である。

何なら、初見のフルコースを目の前に並べられても、ある程度は対応できる自信がある。食事のマナーなんてものは、古今東西、・・・・それこそ世界が違っても、似たり寄ったりなところがる。細かいところは違っているだろうが、大まかな部分はすべて同じなのだ。


とてもおいしい夕食を頂き、心もお腹もいっぱいです。そういえば、森の中では自炊していたけど、ここまで手の込んだ料理はしていなかったような気もする。まあ、材料も何もかも不足していたので仕方はないが・・・・

なお、私とコトリの眷属であり、ペットでもあるハクトとコクトは、私達の足元で、生のクレイジーバッファローの肉を食べている。それも1匹あたり5㎏くらいの大きな肉の塊だ。

そして、『お誕生日席』に座るヨシナリとマキは、終始砂糖でも吐きそうなほど甘い空気を振りまいて、定食を食べていたのは言うまでもない。視界には入ってしまうが、意識すれば無視できるお誕生日席あそこに諏訪させておいて、本当に良かったと全員が思っている今日この頃。異世界にやってきて、変な柵が一切なくなったので、さらにイチャイチャ度に拍車がかかったような感じである。

ああ、そうだ。イチャイチャといえば。


「ガイストさん、ちょっと確認なんですが。」

「何が聞きたいんだい?ヒカリちゃん?」


私は、ヨシナリとマキの方に視線を向けならが、2人にとって・・・・・、というか、私達にとっても将来必要になりそうな知識を聞く。


「この世界の結婚って、どんな感じなんですか?」


私の視線を確認しながら、ガイストさんは大きな溜息を吐いてこう答えてくれた。


「結婚か。この中では、そこの2人が真っ先に関係しそうな内容だな。」


私とガイストさんの会話に、当の本人を含めて異世界人全員が聞く体制になる。それを確認してから、ガイストさんはこの世界における結婚の方法を話してくれた。


「この世界の結婚の方法は、結婚を誓った2人が一緒にとある魔導具を貰いにバティスティア聖教の神殿か教会に向かう。この町でいえば、バティスティア聖教のサクラピアス大聖堂か、各ブロックごとに存在している教会だな。余程小さくなければ、人族に属する集落には必ず1つはあるから、教会がないといった事は起こらない。

その後は、教会や神殿で貰ってきた魔導具を、所定手順でセット・起動した状態で、『3日3晩結婚したい者同士が同じ布団に入り、3日3晩『男女の夜の(夜の布団の中で)運動会を開催し(やる事をやって)』後、魔導具とと主に教会か神殿に行き、契約神『ククリアマト』に捧げると、男女それぞれのお腹の部分に『契約の呪』という魔法陣が現れる。

これで結婚完了であり、この契約の呪を確認した神官から結婚証明書が手渡せる。この結婚証明書を行政府へ提出する事によって、晴れて夫婦として認められる事になる。

これをこの世界では『結婚の儀』と呼んでいる。

当然、養えるお金と気概があれば、一夫多妻ハーレム多夫一妻(逆ハー)も認められているが、多夫多妻だけは認められていない。なお、ハーレムを作っていきたい場合は、その都度結婚の儀を行っていく事になる。

なお、子供を作りたい場合は、それぞれの『契約の呪』に2人の魔力を流してから”やる”とできる。奴隷との間には子供は出来ないが、どうしても欲しい場合は、奴隷を開放しそのうえで結婚の儀を行えば、子供を創る事は可能だ。」


おう!まるで平安時代の結婚のようだね。

あと聞いた話だと、所謂みんなの前で愛を誓う結婚式や披露宴は、基本的に(王侯貴族などの)金持ちの道楽であり、また見栄の象徴であるため、日々の生活に追われている平民は行わないそうだ。どうしてもやりたい人は、平民でも行うらしいので、この辺りは自由となっている。

なお、結婚の儀を行っている最中の2人を、出刃ガメのように覗き見する事はご法度らしい。これをした場合は、どんな理由があろうとも契約神『ククリアマト』からの神罰が下り、出刃ガメした方に大変な事が起こるとか何とか。


これを聞いていたバカップル2人は、早速今晩から行おうとしたが、よく考えれば神殿で例の魔導具を貰ってこないといけないので、今晩は諦めたようである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ