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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第2章】彷徨える森の中
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【02-04】懐かしきものの発見

私に寄り添う白狼『ハクト』と、コトリに寄り添う黒狼『コクト』という、旅の仲間が2匹増えた私とコトリ。その旅のお供が増えるきっかけとなった、空間神『スぺーリシア』の寵愛を授かって、私は『空間神の白巫女』に、コトリは『空間神の黒巫女』。別名は、6大神の白の聖女と黒の聖女。今はまだ空間神の身の権能しか使用できないが、何故か聖女と呼ばれる際は『6大神の白の聖女と黒の聖女』となるらしい。

そして、驚く事無かれ。

実はこの2匹、まだまだ進化できるらしい。現在は、チワワサイズになるだけだが、他の5本の世界樹に訪問すれば、進化先が順次解放されていく仕様である。世界樹がある場所は、空間神の権限の中にもあるが、さすがに何処のあるかまでは、私達が閲覧できる権限には入っていない。いや、仮に入っていたとしても、そんなくだらない情報は視る気がないが・・・・・。

現に、私達が現在いるこの森が、何処の国家勢力の支配か?なのか、どの方面に行けば最も近い人里へと行く事ができるかは、調べればわかる事だし、そこまで転移して一周んで到達する事も可能である。

でも、それをすると、なんだかおもしろくないので、私とコトリはそのあたりの情報は封印している。

人によっては、『そこまで分かっているんなら、さっさと人里に到達して、超原始的な生活からおさらばすればいいじゃないか』という人もいるが、新しいマップを手に入れたら、自分自身の足で世界を走破マッピングしたいじゃん?それが、人跡未踏の大地ならなおさらである。


なお私とコトリは、この世界の創生から今までのすべてを記録している『創生記世界記録版アカシックレコード』に限定的にアクセスできる。現在私たちがこの創生記世界記録版アカシックレコードの中でアクセスできるモノは、空間神『スぺーリシア』の権能の部分のみ。

つまり、この惑星『テラフォーリア』の影響がある空間内で起こった『すべての出来事の概略』である。概略といったのは、空間そのものが記憶している映像のみが観れる段階だからだ。それでも、創生からすべての出来事を無音声の映像で視えるのは、この星の歴史を知る上では素晴らしい事である。


ちなみに、創生記世界記録版アカシックレコードの中にある記録物において、それぞれの6大神の権能ごとに観る事ができるモノは次の通りだ。なお、すべての植民惑星に、同じように世界樹が存在しており、それぞれの惑星ごとの創生記世界記録版アカシックレコードを分散管理しているそうだ。


次元神『ディメンシア』・・・・ここ『虚無の世界』に落ちてきたあらゆる物質・概念・生命体に関わるすべての記録

創造神『クインメシア』・・・・ここ『虚無の世界』においてのすべての歴史と、すべての植民惑星内で起こった文明の興亡に関する記録

破壊神『ダークメシア』・・・・ここ『虚無の世界』において、生命の循環を司る輪廻転生に関わる全ての記録

空間神『スぺーリシア』・・・・惑星『テラフォーリア』の影響がある、空間に記録されているすべての出来事の映像の記録

時間神『タイムリア』・・・・惑星『テラフォーリア』の影響がある、すべての生命体の生死に関わる出来事の記録

重力神『グランヴィア』・・・・惑星『テラフォーリア』の影響がある、すべての生命体の行動に関わる出来事の記録


この分散管理している記録は、それぞれの神々を司る世界樹に訪問する事によって、順に解放されていく仕組みらしい。そのため現在の私たちは、空間神『スぺーリシア』の権能の部分のみ閲覧が可能というわけだ。この映像記録に言葉を重ねたいのならば、すべての生命体の行動に関わる出来事の記録を担当している、重力神『グランヴィア』の世界樹に訪問する必要がある。

ちなみに私は『空間神の白巫女(6大神の白の聖女)』と、コトリは『空間神の黒巫女(6大神の黒の聖女)』と呼ばれる事になるが、これはそれぞれ司っている権能が違っているから。

本来は1人で世界樹を訪問する事によって、その1人が『6大神の巫女(6大神の聖女)』と名乗る事になる。しかし、私達は2人で訪問し、これから先も2人で行動を共にする事がほとんどである。

そのため、空間神の独断で、権能を2つに別けたにすぎず、これがほかの5柱にも影響を及ぼしていくみたいだ。そのあたりは、神々の事情によるところなので、私達にはあまり関係のない事だが、長い歴史上このような例は私たちが初めてだそうだ。

権能自体も、大きく陰陽2つに別けられているだけで、空間神の白巫女である私は『陽』に関わる権能を、空間神の黒巫女であるコトリは『陰』に関わる権能を主として司っているだけで、もう片方の権能にアクセスする事にはこれといった制限はない。ただ、アクセスできる権限の内容が半分ほどと少ないだけである。


閑話休題。


ハクトとコクトを旅に仲間に迎えて、森を彷徨う事30日・・・・・くらい経ったかな?

既に日付の間隔などない私達だが、あれからもう一度整理がやってきて、その後10日くらい経っているので、この位は経っていると思う。日付についても、この世界に来てから何日経っているのかについても、今の私たちの手にかかればすぐ様判明する。しかし、そんなつまらない事に、労力を昨季はこれっぽっちもない私達である。日付や時間経過の間隔がなくなったらなくなったで面白そうだし、それならそれで構わないとも思っている。


ただ・・・・・。


さすがに(地球時間で)2カ月前後毎日着用すれば、1着しかないセーラー服など襤褸布同然の状態になってしまった。さらに戦闘で酷使しているのだ。

そして、ついに10日ほど前、襤褸布となってその生涯を終えてしまったセーラー服様である。

幸いにも、私は『空間神の白巫女』に、コトリは『空間神の黒巫女』になった際に、専用装備の巫女服が装備品として加わっているため、全裸生活する事無く現在はその巫女服を着用している。

まあ、巫女服といっても、私とコトリが『巫女』だからそう呼んでいるだけで、どちらかといえばシスターさんが着ている修道服に近いデザインで、どことなく和風っぽくアレンジされている感じ?

そして何よりもこの巫女服の素晴らしいところは、汚れない・破れない・着崩れないの3拍子が揃った、着た切り雀状態である私たちのためにあるといっていい服なのだ。

自分で言っておいて、少し情けないけどね・・・・・・


まあ、それはいいとしてだ。


様々な魔物や動物との戦闘を楽しみながら川岸をトコトコと歩いていく。世界樹の根元を水源とするこの川だが、現在は跨げるほどだった川幅が、あちこちから流れを集めていまでは、遥か眼下を流れる幅10mほどの谷川となっている。

そんな谷川の、川沿いの崖の上を下りながら歩くと、水の流れが一瞬でなくなっている場所に到達する。ゴウゴウと音を立てて流れ落ちる水と、その流れ落ちる先からモウモウを立ち上る水煙。

所謂、滝である。


「とりあえず、あの滝壺で水浴びだね・・・・・。あとは、時間も時間だし、この辺りで今晩は野営かな?」


滝壺の周囲にある岩場の一角を指定して、一気に転移する私たち。とはいうもののアあり濡れるのも嫌いなので、50mくらいは滝壺から離れていますが・・・・・。

結構な段差だったり、崖の上から下へ降りたりする際は、躊躇なく転移魔術を使用する。なるべく面倒な場面では、一気に解決してしまうのが一番です。

ただし、さっさと森を抜けたりする事には使いません。

結構好きなんですよ。未開の大地を走破する事は・・・・・。

私も、コトリも。


さて、水浴びでもしようと全裸になって(誰もいないので、全裸になる事に躊躇はりません)滝壺へレッツゴーしたら、上から流れ落ちる水の合間に、見慣れない直方体ボ物体を発見。岩ではなく、なんだか金属質のその物体。

よくよく観察してみれば、この世界ではあってはいけない物体でした。


「あの鉄の塊?どう見てもバスだよね?ヒカリちゃん?」

「やっぱり、コトリもそう思う?」


という事で、魔術を駆使して滝の中から取り出してみた、推定バスと思われる鉄の塊。まだまだ最近この場所に来たのか、比較的新しい鉄の塊・・・・・・、いやもうこれはバスである。

金属部分の外側はまだ錆びておらず、今でもすこし修理すれば、動かそうと思えば動かす事できそうなほど。まあ、私にはこっち方面の知識はないので、たとえそうであっても何もできないのだけども。

窓ガラスは・・・・・全部割れているね。

中に入ると、椅子も所々無くなっている。


あっ!ちなみにすでに水浴びをした後で、しっかりと専用巫女服装備ですよ?何時までも、全裸でいようとは思っていません。


「さて、今のところこのバス、素材の山といった方がいいよね?それとも、ただのガラクタの山?」

「・・・まあ、そうなんだけどね・・・・私もそう思うけど、もう少し言い方ってあるような・・・・・、ないような・・・・・・・。」


確かに私も、コトリの言うように言い方が間違っているような気もするが、でもやっぱり、『今のこの現状を見て一言どうぞ?』って聞かれたら、素材かガラクタの山と答えるだろうね。

なんせこのバス・・・・・。

しっかりと調べてみたら、私達元鷺宮学園高等部2年1組が乗っていたバスだったんだから。

こんなところで再会できて、少しくらいは感慨に浸っていたんですよ?これでも・・・・・。なので、ここを開ければ、運が良ければ残っているはずです。


「・・・・・では、しっかりと閉まっている、このトランクルームの御開帳をしようか。」


という事で、バスのトランクルームをかぱっと開けてみる。

そこには、水浸しになりながらも原形をとどめている、私達があの日持ってきた旅行カバンがびっしりと入っていたのだった。

私とコトリは、その水浸しの旅行カバンをすべてバスの中から運び出し、バス自体は素材として売り払う事を目的に【アイテムボックス】の中に放り込んでおく。当初の目的通りは使用不能かもしれないが、他の目的で使用できるのだ。


さて、とりあえず自分たちの旅行カバンを発掘し、中身をすべて外に出す。


「コトリの方はどう?私の方は全滅。」

「あたしの方も、全滅だね。他のカバンも漁って見る?」

「そうだね。使える奴があるかもしれないからね。漁ってみようか。」


私達が何を探しているのかといえば、生理用のナプキンである。この世界に来てすぐに生理になったという事は、(すでに参加不可能の)スキー研修の間に生理になった可能性がある私とコトリは、当然無駄でも何でも一通りの準備をしてきていたのだ。

という事は、他の子たちも、生理前後もいたはずであり、たいていの女の子は、急に生理になってしまったら困るので、例え危険日前後でない子でも準備だけはしてあるはず。そこで、すべての女の子の旅行カバンを漁っている次第です。


「まさか、全滅だったとはね~~~~。仕方ないか、あれ、水を含んだら吸収するから。」

「そうだね・・・・・。この調子だと、作ったほうが早いよね。」

「まあね。作り方は一度調べてあるから、素材さえあれば何とかできるけど。その素材がね・・・・・・。」


なお、漁っていく途中で、着替えの服・マタニティ用品・洗面用具などと、大まかに分類しながら荷物を漁っています。当然すべてがびしょ濡れになっている。なお、すべての旅行カバンに入っていたすべての荷物は、私達が有効活用していくため、全部ここから持ち出す予定だ。

他人のモノだから、それは泥棒では?

何でですか?

ここは、地球とは違うのですよ。確かに街や村の中でそれをしたら犯罪かもしれないけど、現在地は人跡未踏の山の中。たとえここにこれがあると知っていたっとしても、誰も取りに来る事は出来ないわけです。つまり、見つけたモノが、、所有する権利を得るのがせけんいっぱんてきなかんがえかたなのですよ。

・・・・・・少なくとも、この地においては。

というわけで、ここにあるモノはすべて、取得者が自由にしてもよいのです。


「シャンプーやリンスなどが手に入ったのはうれしいね。あとは、服は大量に手に入ったけど、一度洗わないと多分使えないと思うし。食べ物関係は、このままゴミにした方が安全だろうね。」

「じゃあ、洗濯からかな?洗濯石鹸竿もあるしね。誰が持ってきたんかは知らんけど・・・・・。」


という事で、すべての衣類をまとめた後、魔術で作った巨大な水球の中に、洗濯洗剤を混ぜて放り込む。その後は、水球の中をグルグルと高速回転させてお洗濯の開始です。洗い⇒脱水⇒濯ぎ⇒脱水⇒乾燥という工程をすべて魔術で行っている最中に、コトリに夕食を作ってもらいます。

夕食を食べ終わったころに乾燥まで終えた洗濯物は、2人してせっせと畳み、畳んだものはそれぞれの【アイテムボックス】にとりあえず放り込んでいきます。ちなみに、地面に直接乾燥させたモノは置かず、乾燥機代わりだった空中の空気の球から、1枚ずつ直接取り出しては畳んでいきます。

手に取った順に畳んでいくので、種類等は適当であり、種類別けは後でゆっくりと行う予定です。

そんな感じで、大量の洗濯と格闘した後、適当にねぐらをでっちあげて就寝しました。


ちなみに、今後使用しないモノに関しては、人里(なるべく大きな町)に到着したら現金収入の当てにするつもりで、いろいろと種類別に分類して(誰かの旅行カバンに)まとめてあります。


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