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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第9章】カエデテラスへ向かいます
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【09-02】護衛依頼を受けて旅立ちます

晴れ渡った青空の下、本拠地と定めているサクラピアスから、ムハマルド辺境伯領領都・カエデテラスまで続く街道を、馬車に揺られながらのんびりと行く私たち一行。

一行と言っても、現在我が『ご主人様とメイドさん』のパーティメンバーは所属人数が激増している。

元々組んでいた7人(私事ヒカリ・コトリ・ハルナ・ぺニア・ミオ・ナオミチ・ヨシナリ・マキ)の他に、シスターアサミ(私の侍女兼修道女)、シスターアカネ(コトリの侍女兼修道女)、シスターミサキ(ハルナの侍女兼修道女)、シスターハルカ(ぺニアの侍女兼修道女)、シスターノリカ(ナオミチ君の侍女兼修道女)、シスターヨウコ(ミオ付きの侍女兼修道女)の6人が加わり、合計13人の大所帯へと成長した。

ちなみに、それぞれの相方の修道女は、サクラピアスの(私たちが住んでいる)お屋敷の維持管理を任せていたりする。あの大きなお屋敷の管理は、結構大変なんだよ。冒険者としてこうやって旅している間も、1日1回は戻っているからね。

なお、(聖女としての)神殿活動については、冒険者として活動している際は特に行っていない。


この人数は、冒険者パーティ『ご主人様とメイドさん』としての人数であり、パーティがいくつか集まって結成できる『クラン』と呼ばれる組織の所属人数になると、50人前後の大所帯となる。


話は戻るが、この場にいないバカップル事ヨシナリとマキは、現在行方不明であり出発当日までに発見できなかったため、サクラピアスにお留守番決定となった。

行方不明と言っても、行先自体は知っているんだけどね。

カップル事ヨシナリとマキの2人は、現在サクラピアスのジョセフェナス大ダンジョン内に生息する魚型の魔物をコンプリートする旅に出ている。一度ダンジョンに潜ると半月以上出てこないので、行方不明扱いされても文句は言えないだろう。

つまり、地球にいた頃からやっていた2人の趣味を、対象を魔物に変えて行っているだけである。

ちなみに、サクラピアス周辺(だいたい半径100㎞圏内)に生息している魚や魚型の魔物に関しては、一通りコンプリートしているらしい。魔境の奥地には未だに足を踏み入れていないが、私たちの都合が付けば、何時でもアタックできる準備自体は完了しているんだと。


閑話休題。


現在私たち一行がいるこの街道は、アマトラス大陸(ここテラフォーリアで一番大きな大陸)を東西に貫く大街道『アマトラス縦貫道』と、南北に貫く『ヒルガノス縦貫道』のうち、南北に貫く『ヒルガノス縦貫道』を南下している感じになる。このままこの街道を進んでいけば、ここコロラド王国の王都・ロンドリアへと行けるらしいが、今回の旅の目的地ではないので、当面の間は割愛する事にする。

ちなみに、徒歩ではなく馬車での旅である。

当然、自前で用意した馬車(軽く魔改造済み)なので、見た目よりもたくさんの人数が乗車できる(見た目は小さめの箱馬車)ようにしてあるし、最高級のキャンピングカー並みの設備を持っていたりする。なお、この馬車を曳いているのは、ゴーレム馬ではなく、普通の馬型のテイムしておいた魔物である。ちなみに、1頭引きとなっている。

なぜこんな馬車を用意したのかというと、ここまで大人数になると、さすがに歩く速度が大きく変わってくるし、何よりも防御面で不安になるからね。

あとは、世間一般的な馬車の旅というモノを、楽しみたいという願望もあったりする。

そして当然な事なんだが、せっかく冒険者として馬車の旅をしているので、護衛依頼もしっかりと受けてサクラピアスを旅立っていたりする。


ちなみに、(冒険者)ギルドで受けた依頼は、『商隊の護衛:NO.0121‐4-5-7:0420-1出発分』というモノ。

なお、こういった商隊の護衛依頼は、各領内毎に細かく護衛区間が区分けされている。依頼表を見れば、何処の区分を護衛するのかや、出発日はいつなのか等がすぐにわかるのだ。


ここムハマルド辺境伯領においては、領都・カエデテラスを起点に上り下りが設定されている。カエデテラスに向かう方向が上りである。ちなみに、この護衛依頼の依頼表の表記は、すべての国において同じ表記が採用されている。

なお、今回の護衛依頼『商隊の護衛:NO.0121‐4-5-7:0420-1出発分』となっているが、『NO.0121』の内、左2桁の数字が区分けされた区分表記となっている。なお、この区分は、それぞれの領内によって異なっている。


第1区分・・・・カエデテラス - サクラピアス

第2区分・・・・カエデテラス - フタバモミジ

第3区分・・・・カエデテラス - クエイストパープル

第4区分・・・・カエデテラス - サンクスリーフ(クーフォン子爵領・領境)

第5区分・・・・カエデテラス - チェリーオットメンズ(ダンビットソン伯爵領・領境)

第6区分・・・・カエデテラス - マウントテンオウル(テンプルフォール辺境伯領・領境)


第11区分・・・サクラピアス - オークドカレッジ

第12区分・・・サクラピアス - イチョウザム

第13区分・・・サクラピアス - クエイストパープル

第14区分・・・サクラピアス - プライムテニシア

第15区分・・・サクラピアス - サンクスリーフ(クーフォン子爵領・領境)

第16区分・・・サクラピアス - マウントテンオウル(テンプルフォール辺境伯領・領境)

第17区分・・・オークドカレッジ - メニューザイ(シベリアオス帝国・国境砦)


第21区分・・・フタバモミジ - クエイストパープル

第22区分・・・フタバモミジ - マウントテンオウル(テンプルフォール辺境伯領・領境)

第23区分・・・フタバモミジ - バラムク(パトシュエム王国・国境砦)

第24区分・・・クエイストパープル - プライムテニシア

第25区分・・・イチョウザム - ツークス(ダーヴィン男爵領・領境)

第26区分・・・イチョウザム - サンクスリーフ(クーフォン子爵領・領境)

第27区分・・・プライムテニシア - ヤニカ(アンタルノース公国・国境砦)


NO.0121の内、真ん中の数字が『1』ならば下り方向のみの護衛となる。『2』ならば上り方向へのみの護衛となる。『3』ならば、同一区分内往復の護衛依頼となっている。

NO.0121の内、一番右の数字が(平時における)危険度を現している。『1』ならば特に危険はなし。『2』ならば盗賊出没注意。『3』ならば(平時にはいない)魔物出没注意。『4』ならば紛争地帯通過。『5』ならば複合的な要因で危険度上昇となる。


『商隊の護衛:NO.0121‐4-5-7:0420-1出発分』のうち、真ん中部分の『4-5-1』の意味。

ここの意味は単純で、一番左が『護衛対象数』、真ん中が『冒険者パーティの数』、一番右が『護衛区分』となる。


『護衛対象数』とは、護衛する馬車の数を言う。あくまで馬車の数なので、辻馬車に乗車する乗客数や、商団などの構成人数は、この部分においては含まれていない。それらの事柄は、一番右側の『護衛区分』において設定されている。


『冒険者パーティの数』とは、護衛する側の人数の事を言い、ソロだろうがパーティだろうが、すべからず1組と数える事になっている。

そのため、冒険者パーティの数が『4』であっても、その依頼を受けた冒険者の数はその都度大きく変化する事になる。そう言った理由から、パーティ人数の多い少ないにかかわらず、成功報酬は『1組に対し〇〇テラ』となっている。


『護衛区分』とは、護衛対象の詳細を示している。

『1』の場合・・・・・積み荷が食料品のみで、護衛対象人数が5人以下の小規模商団

『2』の場合・・・・・積み荷が食料品のみで、護衛対象人数が5人以上の大規模商団

『3』の場合・・・・・積み荷が食料品以外で、護衛対象人数が5人以下の小規模商団

『4』の場合・・・・・積み荷が食料品以外で、護衛対象人数が5人以上の大規模商団

『5』の場合・・・・・積み荷が乗客である辻馬車で、護衛対象人数が5人以下の小規模集団

『6』の場合・・・・・積み荷が乗客である辻馬車で、護衛対象人数が5人以上の大規模集団

『7』の場合・・・・・貨客混合の大規模集団


で、最後の『0420-1』の意味は、4月20日早朝便という意味である。ちなみに、『0420-2』であれば、4月20日午前便となり、『0420-3』であれば、4月20日正午便、『0420-3』であれば、4月20日午後便となる。


今回の依頼だと、『商隊の護衛:NO.0121‐4-5-7:0420-1出発分』となっているため、この依頼所の意味は、『第1区分(カエデテラス - サクラピアス)・上り・領内‐護衛台数4台-5組護衛-貨客混合の大規模集団:4月20日-早朝出発分』となる。

ちなみに護衛料金は、区分けされた区分ごとに設定されているため、基本料金自体は決められている。あとその基本料金に、護衛対象の価値や季節等によって大きく変動する事になる。


閑話休題。


暇つぶしの読書をしながら、頑張って創った探査魔術を発動して警戒していると、端っこ(半径約10キロ先)に敵対反応を示す赤い点が表れる。

ちなみに読んでいる本は、先日サクラピアスの書店に並んでいた本である。ここ数カ月前に売れ出した作家さんの本で、最新作を含めた全10巻(ちなみにまだまだ続刊中らしい)を大人買いしていたりする。

本の内容は、何処にでも転がっている異世界転移した主人公たちによる冒険譚である。

(私自身異世界転移したのと同じ状況なのに)異世界にいるのに異世界物を読みふけるこの矛盾さが、現在私の中のツボに填まっているのだ。

そうそう。

この本の作者って、ペンネーム自体はこちらの名前を名乗っているけど、異界からの来訪者の(私たちと同じ)匂いがするんだよね。(いつ行くか知らないけど)今度王都・ロンドリアに行ったら、この作者さんと面談するのも面白いかもしれないね。


話を戻して、探査魔術の端っこにでた、敵対反応を示す赤い点を調査しないとね。


探査魔術の反のがあった場所は、サクラピアスを出立してまだ半日も経っていないばしょである。目視できるだけの状況を整理すれば、進んでいる街道が森の中へと入って1㎞くらい進んだ場所である。

魔物の群れと遭遇するとは・・・・。そんなフラグを作った記憶はないのだが、運命の悪戯を大いに感じる出来事でもある。

目的地であるムハマルド辺境伯領の領都カエデテラスまでは、サクラピアスからさらに20日ほど行った場所なので、この先が思いやられる出来事でもある。

さらに十数分ほど進むと、その赤い点だったものが、魔物を示す四角い表示に代わり、数も50ほどに増えていく。対象に近づけば、こうやってまとめられていた表示が細かくなっていくだ。

ちなみに盗賊などの敵対する人の場合は、赤い正三角形となる。反応した体格の大きさで、表示される図形の大きさが変化する。

また、敵対対象を赤色、見方対象を緑色、中立対象を黄色とし、設定した特定条件に引っ掛かる対象を青色などの任意の色で表示している。


「ミオ、進行方向上約5キロの場所で、魔物が約50匹群れています。ちょっと、確認してきてください?」

「いいよ、ヒカリちゃん。ちょっと行ってくるね。」


私の指示に従い、疾風のごとく馬車から消えていくミオ。

ちなみに女性陣は全員、パーティ名のごとくメイド服着用である。メイド服が我が『ご主人様とメイドさん』の情勢人の冒険着として指定されているからね。まかり間違っても、街中の普段着として愛用している修道服では、冒険者として活動する事はないのだ。

例え回復魔術が得意な、聖女や修道女であってもね。


私は、すぐさま馬車をその場に停車させる。そして、冒険者たちを集め、今後の対応を話し合う。

ちなみに、私が乗っている馬車が先頭を走っているため、この馬車が止まれば隊列すべてが停止する事になる。


「現在、どんな魔物がいるかの確認中ですが、私が発動している探査魔術の反応では、53匹の魔物が確認できています。」

「・・・・・今いるここは、魔物から見て風下側に当たるからな。俺たちの匂いは届いていないはず。

ならば、奇襲して殲滅するのが、今後の為にもいいんじゃないか?」

「・・・・そうだな。今ここにいる戦力でも、十分に対応できるはず。不安要素があるとすれば、相手の体格ぐらいだな。」

「たっだいま~~~~~~。」


今後の話し合いをしていると、偵察に出していたミオが帰ってくる。


「お帰り、ミオ。それで、魔物の詳細は?」

「ヒカリちゃんから貰った『鑑定』スキルで、この先にいる魔物は『トロールオーク』って言う魔物だったよ。たぶん、冬眠から覚めた団体さんが、食料その他を漁りにここまで来ちゃったんだと思う。この先にあった村が1つ壊滅しいていたからね。」


そんな報告を、ミオが私たち冒険者軍団に行った。

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