【01-09】持っているスキルを検証しよう(その2)
コトリ自身に付与する【アイテムボックス】については、今晩行う事にし、今はそれ以外のスキルの検証である。そうして、1日をかけて検証した結果、次に示す事が判明した。
(1)前提として、VRMMORPG『リアルメーカー』の存在しているスキルを使用可能
ゲーム内に存在しているスキルならば、現有共有していてもしていなくても使用する事が可能。ゲーム内にない(私が知らない)スキルを使用して、なにか物事を行わないといけない場合でも、スキルすら創造可能な私ならばどうとでもなる問題なので、どうとでもなる事だったりする。
ゲームマスターだった私は、どんな状況下でもなんとかできるだろうと確信する。ただし、何らかの道具を使用する事が前提のスキルに関しては、現状使用不能となる。というか、検証できないので、保留状態になっているといった方がいいかな?もちろんある程度は、魔術を使って適当に道具をでっちあげて検証したが、そうできなかった者も中にはあるのだよ。
・・・・・実際。・・・・・いろいろと
ゲームの概念すら融合してしまっているこの世界だけど、人々が行うあらゆる行為が、スキルに依存しないとできない事なのか、依存しなくてもできる事なのか。そのあたりも現状だんだん材料が乏しいため、これといった回答を私は持っていない。
そのため、とりあえずこの問題は、判断材料が揃うまで棚上げとなっている。
実際、判断できると確信した段階で、改めて検証を行うかどうかはその時の気分次第だと思う。たぶん私の事なので、日常生活においてあまり関係のない検証ごとは、すっぱりと頭の中から抜け落ちていくだろう。
向け堕ちるといっても、実際は優先順位がかなり下の方になっていくので、そのうち「そんなこともあったね」の世界になっていくだろうと思う。
つまり、誰かに指摘されない限り、思考回路の片隅にすら上がってこなくなるのだ。
(2)地球で行っていた武術『今津流格闘総合武術』によって、戦闘能力もばっちり
私はこの『今津流格闘総合武術』師範代だったし、実のところこの武術から分波した新しい流派を立ち上げる予定だった。
その源流となっているこの格闘武術は、あらゆる武術(武器を使用するモノから徒手空拳に至るまで)を初見で覚えてしまい、その覚えた武術すら自身の武術に取り込んでしまう世界最強の武術である。
そんな武術を、私とコトリは師範代の腕前なのだ。時々紛争地帯に遊びに行って、実践訓練もばっちりなので、別に武器がなくてもなんとかなると確信していたりする。なんせ、実際に存在している武術から、過去には存在していたが、今は文献レベルしか残っていない武術、はてや空想の物語内でしかない武術まで、私はすべて取り込んでしまっているからね。
実際、北斗〇拳とか、南斗〇鳥拳とかも、普通に再現できたし。
そこに今回、魔術という全く新しい概念すら取り込んで昇華させたのだ。
何かの武術にあったが、『指先1つで敵を粉砕』なんて芸当も可能なんだよね。
・・・・・・・・実際。
でも、南斗〇鳥拳はまだいいけど、北斗〇拳は使いたくないんだよね。ぶちゅっとやった後に起こるあの現象がね。ちょっとグロテスクすぎて、私には合わないのです。気分的にも、絵ずら的にも・・・・・。
(3)魔術系と武術系統のスキルはたぶんすべて使用可能
実際にそこらへんに落ちている木の枝で、コトリと乱取り稽古を行った際、木の枝とは思えない音を出して打ち合ってしまったほどで、最初の内は、一度交えるだけで双方の木の枝がポキリと折れてしまったほどだ。まあ、何十回と打ち合ううちに、手加減もできるようになってしまったんだけどね。
また、足場の悪い木の枝の上とかも、問題なく飛び回りながら打ち合う事ができた。
そして、打ち合う音で群がってきたあのオオカミもどきも、木の枝で討伐してしまうほどの腕前になってしまっていたので、剣術スキルさんがいい仕事をしてくれたんだろうと思う。
魔術に関しては、いう間でもなく私は完璧である。全属性を使用できるので、どんな状況にも対応可能だ。
コトリに関しては、闇・火・地・無の4属性を持っており、魔術は剣術の補助的に使用していただけなので、あまり上達はしていない。しかし、この4属性とその派生属性については、問題なく使用できるレベルにはある。これはあくまで私達、『光莉ちゃんパーティ』と呼ばれている総勢12人の男女混成パーティのメンバーの中での話であって、この世界の住民たちにとってどうなのか、という事についてはまだ検証できていない。
だって誰1人、この世界の住民と出会った事はないのだから・・・・・。
(4)生産系統のスキル群も、道具さえ整えばすべて使用可能
試しに、バスの座席の残骸で、錬金術の応用スキル【錬金鍛冶】を行ったところ、問題なく残骸のアルミパイプが見事な鈍い銀色に輝くロングソードに変身。キレ味も抜群で、刃こぼれもおこさないほどの名剣に仕上がった。実はこの時知らなかった事だが、この世界のアルミニウムは、正式名称を『ミスリル』というファンタジーな名前で呼ばれており、その性能は鋼で鍛えた剣よりも上であるとの事。価格も、私が材料が余っていたからという理由で作った採取用のナイフ1本で、贅沢さえしなければ2年くらい遊んで暮らせるほどの価格だったのだ。
錬金術に関しては、(魔術によってでっち上げた)適当な錬金釜を使って実際に使ってみたところ、問題なく利用できた。その時、そこらへんに落ちている適当な材料で作ったのだが、出来上がった薬が『生体改造薬』という、最終兵器一歩手前の恐ろしいお薬が出来上がってしまった。それの100本近く。
なおこのお薬の効能は、『動物にこの薬を使用すると、その使用した動物の思考を写し取って(深層意識までも写し取ってしまう)、その動物が元もなりたい生命体に改造し変態させてしまう。そのため、使用する際は、細心の注意が必要』というモノで、最悪とんでもない化け物ができあらりそうで、即座に(【アイテムボックス】の奥底に)封印したお薬だ。
(5)その他のスキル系統
趣味に関するスキル群については、ここでできる事はすべて使用可能だった。
採取や採掘に関しても大丈夫。
言語系統は、そもそも話す相手がコトリだけなので、今のところ検証不能である。知識系統については、一部判別不能なモノもあるが、地球で身につけてきた知識については、問題なく使用出来ている。
耐性系のスキルについても、その状況下にならないと判別できないため、おいおい確認していくつもりだ。しかし、自分から敢えて危険に身を突っ込む行為はしたくない。
こんなところかな?
そして夜になり、コトリに【アイテムボックス】を付与する時間がやってまいりました。
まずはスキル【魔法付与術】を使って、魔術を付与するための事前準備を行う。この【魔法付与術】というスキルは、術者が使用できる魔術の1つを、指定した物体(指定するモノは有機物・無機物の区別はない)に付与できるという単純明快なスキルだ。しかし実態は、その前提条件である『術者が使用できる魔術』がないと、そもそもスキルが発動しないのだ。
つまり、このスキルを持っている者はたいてい魔術師であり、通常の付与先は白紙の紙を綴った本(所謂魔術書というヤツだね)に魔術を付与して、小遣い稼ぎの一環として世に流している。魔術書があれば、魔術を使用出来なくても、己の魔力が続く限り魔術が発動できるからね。
なお、魔術書と魔導書は似て非なるモノである。
魔術書とは、特定の魔術の概念を描いた魔法陣を付与した紙が綴られている本の事で、一度使用すると魔法陣が付与された紙事消失してしまう。当然、魔法陣がなくなれば、魔術を使用できなくなるので、1回使いきりの方法である。
なお魔術書を作る際は、【魔法付与術】の中にある『魔法陣付与』を使用する。
魔導書とは、特定の魔術の概念を魔法文字で刻む(刻む者は石板でも、何かの皮でも、紙でも構わない。もちろん生命体の体表や体内に直接刻んでもよい)事によって、半永久的に刻まれた魔術が使用可能になる。なお、刻まれたモノが生命体の体内以外の場合は、魔術文字を読む事ができ、その魔術の概念をしっかりと理解できないと魔術が発動しない。刻まれたモノが生命体の体内の場合は、必然的に魔術概念を強制的に理解させられるため、問題なく使用可能になる。そして、生命体の体内に刻まれたモノでも、『魔導書』と呼べれているのは不思議な感覚でもあるが・・・・・。
なお、生命体内に魔導書を作製する場合、いったいどこの部位に作製されるのかは、魔術師の間でも議論の尽きない問題であり、未だ解決できない問題であった。まあ、「できるんだから、大きな問題ではないよね」という理由から、あまり深く議論されてはこなかったんだけどね。
なお魔導書を作る際は、【魔法付与術】の中にある『魔導書作製』を使用する。
ちなみに魔導具とは、『魔法陣付与』もしくは、『魔導書作製』を魔力がある宝石や魔石などに、直接魔法陣なり魔導書を刻み込んだモノをいう。または、刻み込まれたそれらを利用した機械仕掛けの道具の事であり、魔法陣が刻まれていれば1回使い切り、魔導書が刻まれていれば半永久的に使用可能なモノが出来上がる。そのため魔導具職人は、基本的に魔術師でないとできない職業になる。できなくはないが、は高所ないし魔術書を購入し、特殊な道具を使用しないといけないので、その分商品の値段が跳ね上がるよね。
で、今回コトリに使用するのは、後者の『魔導書作製』だ。コトリの体内に直接【アイテムボックス】という魔術を刻んでしまうんだからね。
準備ができた段階で、例の長ったらしい詠唱を唱え、コトリの体内に直接魔術を叩き込む私。
そう・・・・、この詠唱である。
遍く世界を創り出し、遍く世界を固定し、
新たな世界を司る次元神『ディメンシア』よ
我願うは我に付き従いし無双の次元
我想像するは次元を切り裂き、構築し、固定する楔
我穿つは次元を支配する永遠なる楔
遍く物質を創り出し、遍く物質にその慈悲を与え、
遍く物質の礎を司る創造神『クインメシア』よ
我願うは我に付き従いし形なきの大地
我想像するは常に寄り添い、常にその姿を隠す無なる大地
我穿つは遍く物質を取り込む永遠なる無限の大地
遍く物質を破壊し、遍く物質に裁きを加え、
遍く物質にその死を司る破壊神『ダークメシア』よ
我願うは破壊なき永遠の大地
我想像するは潤いは枯渇し自然の摂理を離れし豊饒の大地
我穿つは遍く物質を破壊なき未来へ誘う永遠なる大地
遍く物質をその身に迎え、育む環境すべてを管理し、
遍く物質の生環境を司る空間神『スぺーリシア』よ
我願うは永遠に広がる虚無の世界
我想像するは自然の摂理なき永遠の異空
我穿つは遍く物質を抱き匿う永遠なる虚無の世界
遍く物質に悠久に流れる時間を与え、
生死を管理する時間神『タイムリア』よ
我願うは永遠の時失いし虚構の大地
我想像するは輪廻廻らぬ豊饒の大地
我穿つは遍く物質の過去・現在・未来を穿つ永遠の大地
遍く物質をその空間に引き留め、
循環させる環境を創りだす重力神『グランヴィア』よ
我願うは遍く質量なき永遠の空間
我想像するは自然の事は理を廃すが物質在りし虚構の空間
我穿つは遍く物質を輪廻より解き放ち
遍く物質を無から有、有から無へと変質させる永遠なる空間
我世界の礎となりし6柱の神々に願う
我遍く物質の根幹を支配する6柱の神々に願う
我捧げるは我の力のいったんなる全魔力を与えん
汝ら6柱に願うは権能たる永遠の神力
我と汝らの力合わさりし時、永遠なる扉は開かれん
我唱えるは異界の教えの一節
かの一節は世の理を現し、自然の摂理を解く
故に我は唱える、世の理と自然の摂理を変革する故に
色不異空、空不異色、色即是空、
空即是色、受・想・行・識亦復如是
是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減
是故空中、無色、無受・想・行・識
無眼・耳・鼻・舌・身・意
無色・声・香・味・触・法
無眼界、乃至、無意識界
我願わくは世界の創始たる6柱の神々の化身たる6大神
我願わくは世界の創始たる6柱の神々の眷属たる6大神
色彩は光により発し、闇なる世界を輝き照らす
闇は輝きを隠し光ある世界に色彩を産む
故にそれは光闇の理となす
天空を流れる風は大地に潤いをもたらす
大地の潤いは天へと還り再び大地に降り注ぐ
故にそれは天地の理となす
水は天地を回り流れ大地に海原に天空に還る
火は天地を焦がし天流れる風を産む
故にそれは水火の理となす
光・闇・天(風)・地・水・火を現しは世界の理を司る楔
6属の理を創り出すは世界の輪廻を司り遍く世界に喜怒哀楽を産む
故に空間・時間・重力を超越する汝に我は請い願う
故に我は根源を司る汝ら神々に請い願う
我に寄り添い、我に付き従い、我とともに在りし
次元・創造・破壊・時間・空間・重力を超えし永遠なる空間
我希うは永遠なりし空間を維持し顕現する能力
目覚めよ時空の彼方に創られし永遠なりし空間よ
【空間創作時空収納空間】
何時聞いても、長くて大変な詠唱であるが、これを唱えない事には、【アイテムボックス】を創る事ができない。そのため、面倒くさいのだが唱えるしかないのだ。
まあ、今後はあまり唱えないとは思うが・・・・。親しくなった人たちには私からのプレゼントとして、【アイテムボックス】は創ってあげるとは思うけどね。あと、魔導具としてなら、創る可能性はあるが・・・・。
その結果・・・・・・・。
魔導書を直接刻まれたコトリはもちろんの事、術を行使した私も気を失ってしまい、翌日の朝日とともに目覚める事になった。
なお、コトリの体内で構築できた【アイテムボックス】の容量は、地球の衛星であるお月様くらいの広さがあった。結構コトリも、魔力を体内に持っていたんだね。
普段あまり使わないからわからなかったけど・・・・・・。




