死を望む少年
誤字や抜字があるかもしれません。また、文章になっていない(意味が解らない)かもしれません。
僕には生まれながらにして、少し変わった能力がある。どんな力かというと、世界線が視えるのだ。世界線というのは、少し複雑なもので簡単に言うと、もう一つの世界……つまり、パターンが視えるのだ。とは言っても視えるのは、ほんの数分先の出来事だけ。そんなに便利な能力ではない。それに、人に言ったところで信じてもらえるはずがない。仮に信じてもらえたとしても、きっと何処かの研究所か何かの場所に連れて行かれるに違いないのだから。そんなわけで、現在僕は非常に困っている。友達と話しているのだが、
「今日はどっちから帰ろうかな?左?それとも右?……ねぇ、どうする?」
と、言われたのだ。察したひともいるだろうが、どちらから帰っても彼女(友達)には、悲劇しか待っていない。左に曲がれば車と衝突。右に曲がれば雷に当たる。そんなことを言ったところで一体どうなる?
「ねぇ、無視しないで!」
「ごめん…(どうしよう。このままじゃ助けられない!!)……。」
「ねぇ、なんか今日変じゃない?……ごめん、今日は一人で帰るね?」
「えっ!?ま、待って…!」
そんな会話が彼女との最後の会話になるだなんて、この時の僕は知る由もなかった。
「じゃぁ、また明日!」
そう言って彼女は左の道へと走って逝ってしまった。
その日を境に、僕は学校へも行かずに一人家に引きこもっていた。
「あの日から、もう一年経つのかぁ。時が進むのは早いなぁ。」
彼女は唯一の友達であった。そんな彼女はこの世界からいなくなってしまったのだ。それも、僕のせいで。
だから僕には生きる価値が無いと思う。友達一人助けられなかったのだから。
「今日僕はこの世界に…この運命にサヨナラを告げる!」
僕は、とある建物の屋上へと足を運ぶ。サヨナラを告げるため。
真夏日である今日は人が少ない。だから目的地にはすぐに着いた。強い風が吹いていて、陽炎が揺らいでいた。これから行うのは、そう、飛び降り自殺だ。この世界に飽きてしまった。…一歩踏み出せばすぐに死ねる高さだ。
「……今逝くね?桃華。………さようなら。」
その時だった。頭に声が響いたのは。
<ねぇ、本当にいいの?>
<きっとみんな悲しむよ?>
まるで僕のしていることを否定するかの様だった。
「後悔なんてしないさ。」
<この世界は、キライ?>
「嫌いだ。」
<だったら、この世界とは違う世界に行かない?>
違う世界。行けることなら、行きたい。
「本当に、行けるの?」
僕は半信半疑で尋ねた。
<本当だよ。君が望むなら…ね?>
僕は即答だった。
「行きたい…です。」
すぐに答えが返ってきた。
<なら、目を閉じて?そして深呼吸。そうしたら……一歩前へ踏み出す。>
「分かった。」
僕は言われた通りにした。目を閉じ、そして深呼吸をして一歩踏み出す。………?踏み出す?…一歩踏み出すってことは、=で死。僕は死んだ?わからない。暗い世界に一人?……嫌だ、一人は嫌だ。だれか、だれか!
……桃華もこんな気分だったのかな?
目を覚ますと、そこは僕の知らない街だった。目の前には……
「…桃……華…?」
『ようこそ、鏡の世界へ! 』
読んでいただきありがとうございました。次回ですが、今年は色々と忙しいので、いつになるかがわかりません。出来る限り早めに投稿しようと思います。この小説に出してほしい設定や登場人物がありましたら、感想にて書いてくれると助かります。最後に、今後もよろしくお願いします。