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013 闇の迷宮

 闇の中、俺はそっとオシリィから受け取ったアプリをtapする。

 周辺のマップがZuMaPhoneに映し出される。だが周辺マップしか表示され無いらしい。詳細情報は踏破するしか無い様だ。因みにこの部屋にはこの魔法陣しかない。探知機能は無いみたいなのて非アクティブなトラップが隠されていたら探しようはないのだが、少なくともこの部屋には何も無いように表示されている。


「さて……どうする?」


 今の俺は自分の力すら把握出来てはいない。バビロニア製の身体にかけて無双したいところだが、迷宮なら問題無用の即死トラップもある。死ねればいいが死に損なってさらに脱出不能とかヤバイしな。


「……帰りたいが」


 今の俺に魔法は不可能だろうな。

 残念な事に魔法円はその輝きを止めている。エレン見捨てていったら怒るだろうな。いや、殺されるかもしれん──いや不死身だったな俺──多分だけど。


『ゆうてい、とりまこの部屋位は見ておきましょうよ!何か落ちてるかもです!』


 ダンジョンマップを見ると広さは体育館ほどの長方形の空間だ。高さは結構あるな。魔法円が端っこにあるから、怪しいのは対角だな。


「このマジックトーチが無かったら暗闇でZAPエンドだったのか」

 代わりに小説家になろうとアルファポリスに投稿する羽目になったがな。

 俺はゆっくりと周囲を伺い、迷宮攻略を始めた。



◆闇の迷宮????


 闇の迷宮か。

 この時点ではここが何階かは不明だ。厄介なのはランダム転移や時間変動型ギミックだ。それだけで難易度は天文学的に跳ね上がる。こうなるとモンスターがいるとかいないとかじゃ無いんだよな。


 だがエレンも気掛かりだ。


 俺は部屋の対角に辿りついた。

 そこには扉がある。

 よく見ると左に鍵穴の様なものがある。

 形状は丸い穴

 これはコインか?

(なら近くに何か落ちてるんじゃないの?)

 周囲を伺うと──あった。

 小さなコインだ。

 そっと差し込んでみる。

 モンスタージェネレータとか勘弁な?


〈ティロリンッ!〉

 矩形波来た!

 ガコンッガコンッガコンッ

 ゆっくりと扉が開く。



 部屋を出るとここが突き当たりだったのが分かる。いや行き止まりと言った方が正しいだろう。


 少し進むとそこに一フロアが有り左右に扉、正面に鉄の格子がある。鍵穴が無いという事はギミックか。そして左右の扉にはそれぞれレバーがある。


 扉をよく見ると右は爪痕が激しくついていた。という事は──

『当然左の扉ですよね?』

「いや右だな」

『ええっ!何でですか!ゆうていさんマゾなの!』

「これがループタイプのダンジョントラップなら左を開けたらモンスターが出て来て右の扉に傷を付けたんだろうな」

『深読み過ぎるでしょ~』

「まあ見てろ」

 恐らくこれはメッセージトラップだ。序盤に良く配置されてるヤツだろうな。

 俺は迷わず右の扉のスイッチを押した。

 ガコンッガコンッガコンッ

「あっ!やられた!」

『ぷふふっ!引っ掛かりましたね!』

 そう、開いたのは──左の扉だった。

 そう、右の扉のボタンを押せば左が、左の扉のボタンを押せば右が開くらしい。


「……捻くれた奴だな」


「……グルルルルッ…」


 そして当然の様にモンスターが現れる。そこには四体のブラウンヴァンパイアが居た。てか、ZuGlassに表示されたよ。そしてActiveらしい。

 俺はドラッケンをZuWatchから引き出すと、そのまま斬り掛かる。

『ヴァンパイアは決して怯みません!倒すしかありませんよ!』

 だか不死では無い。なり損ないなので、ほっといても死ぬ事は無いが、ダメージを受ければ死ぬ。正確には首を刎ねればだな。

 俺はドラッケンで横に斬り掛かる。先頭に立つ二匹を斬り飛ばし、返す刀でさらに一匹の首を刎ねた。弱い癖に怯まず、首を刎ねなければ倒せず、割にウザい奴だな。

 そして最後の一匹を垂直に真っ二つにしてやった。てかただの肉の壁じゃないか。

『いえいえ、結構序盤で当たると地味にキツイんですよ? 絶対に逃げ無いし、首を刎ねなければ倒せないんですから』


 なら俺は一応チートなので余裕だという事か。バビロニア万歳!モンスター枠だが一応美少年──だけどここじゃ関係無いな。人族は皆無っぽいしなぁ。まあ一人も嫌いじゃないけど。


 ブラウンヴァンパイアを四匹倒した事がスイッチになっていたのか

 ガコンッガコンッガコンッ

 格子扉が開いた。

 う~ん、ウィザードリィライクと言うかダンジョンマスターライクか? ローグライクなら良いんだけど。だって飽くまでも予測だが俺は──

「オシリィ、俺ってモンスターを食べられるの?」

『常食──ていうか人間を食べるのはやめた方が良いですよ。結構癖になる味らしいですからね~桃の香りがするとかしないとか。因みにさっき貴方の身体が食べられて融合しましたがあれは分類としてはモンスターの共食いですからご安心下さいね』

 共食いだったのか!

 一応俺的には融合だったんだけどな。てかアルファポリスや小説家になろうじゃこの投稿ってホラーやグロの系譜じゃないのかね?主人公が首だけになったり自分で自分をクリオネみたいに捕食するのって限りなく遊星からの物体Xっぽいよな?寄生獣っぽくもあるし……R15規制中──て感じだよなあ。これでランキング三百位って無理じゃないかな?

 う~~ん、美少年霞むわ~~。正直引くな。どこまてまやれるか探らなきゃならんのだが、いまいちやりたかねぇな。

 うずうず考えているとオシリィが急かす。

『ほらほら!新鮮なうちにパクって食べちゃって下さいよ!文字通り血となり肉となりますし、魔石だって回収できるんですから!』

 目の前に横たわるブラウンヴァンパイアが哀れだな。これも供養かね。俺はそっと手を翳し開かれるクリオネを意識した──意識したら──パカッと頭が八つに割れた。

「うほおおおっ!なんか頭がムズムズするこの感覚!癖に──」

『凄い!レベルアップしてますよ!なんか歯がパワーアップして中に触指が二つ新たに生えてます!ゆうていって栄養価高かったんですね~』

「うわ、嬉しくない」

 だがその都度頭を八つ割りって見つかるとヤバいだろ? その時点でモンスター討伐の対象として指名手配されそうだし、何でもかんでも俺の所為にされそうで嫌だ。冤罪なんて御免被る。

 手だよ!手でどうだろ?左手はZuWatch嵌めてるから右手で食べよう!インドでは右手は神聖でゴハンも確か左手で食べるんだよね? ウンコは左手で始末するらしいが……

 俺は頭を元に戻し、右手に力を込める──とパカっと開いた。うん、簡単だねこれ。なんかね、コツはジャンケンのパーを過激に反り返るくらいの気迫で繰り出す感じだな。指先と手の平がムズムズするのはご愛嬌だ。

 そっと手を翳すとズヌルッと丸呑みっぽい。そして生暖かい温度と肉片が飲み込まれていく感覚が微妙に気持ちいい。十メートル位うどんを飲み込み続ける感じだな。太さが五センチくらいの。


《ブラウンヴァンパイア四体を吸収しました》


 またなんか聞こえたような?


『ああっ!なんか落ちてますよ!』


 ふと見ると開いた部屋の中に宝箱が落ちていた。


「……罠?」

『ネガティヴ過ぎる!あれですか、ゆうていは地球でいじめられっ子だったんですか!?』

「そ、そんな事はないぞ!すす、少し空気っぽかったり机の上に間違えて落書きされたり──」

《吸収を完了しました》

「──しただけだから!てか誰だお前?」

《質量が550kg増加しました》


『えっ? 独り言とかやめて下さいよ!ここは闇の迷宮ですから暗所恐怖症でも患いましたか?』


 俺の中に誰かいる?のか?

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